DEPAPEKO(押尾コータロー×DEPAPEPE)インタビュー ――2ndアルバムの世界を中心に贈る東名阪コンサートツアー開催!
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DEPAPEKO(押尾コータロー×DEPAPEPE)が東名阪のコンサートツアー「DEPAPEKO -押尾コータロー×DEPAPEPE- LlVE TOUR 2025 “PlCK POP Ⅱ”」を開催する。
今年4月に2ndアルバム『PICK POP II 〜meets the WORLD〜』をリリース。「RYDEEN」(YMO)、「アイドル」(YOASOBI)ほか、洋楽ヒット曲、クラシック楽曲のカバー、さらに押尾コータロー、DEPAPEPEのオリジナル曲の新録バージョン、書き下ろしの新曲などを収録した本作は、アコースティックギター3本によるカラフルなアンサンブルを堪能できる作品に仕上がっている。アルバムを引っ提げたツアーでも、緻密にして奔放なアレンジと表情豊かな演奏をたっぷりと体感できそうだ。
押尾コータロー×DEPAPEPEだからできること
──今年4月、DEPAPEKO名義としては6年半ぶりとなる2ndアルバム『PICK POP II 〜meets the WORLD〜』がリリースされました。
三浦拓也(DEPAPEPE) 前作アルバム(『PICK POP︕ 〜J Hits Acoustic Covers〜』/2018年)はJ-POPのカバーというテーマがあったんですが、今回は洋楽やクラシックなどにもチャレンジして。さらに幅広いジャンルの曲をアコースティックギター3本でアレンジ、演奏しているのがいちばんの聴きどころですね。アンサンブルもより緻密になっていると思います。
徳岡慶也(DEPAPEPE) 押尾さんと一緒じゃなかったら、この曲はやってないだろうなという曲もあります。前作でも「TECHNOPOLIS」をカバーしたんですけど、DEPAPEPE 2人だったらYMOは実現できていなかったので(笑)。
押尾コータロー 僕もソロではYMOはやらないですね。大好きなんですけど、一人でやろうとすると、どうしても省略しないといけないところが出てくる。DEPAPEKOだから原曲に近いアレンジで演奏できるし、徳ちゃん、三浦くんも(押尾の提案に対して)すごく乗ってくれるんです。今はこの3人ならどんな曲もできそうだなって思っています。
──DEPAPEKOのポテンシャルの高さを実感している、と。
押尾 そうですね。最初は軽い気持ちで始めたというか、「遊びで何かやってみようか」という感じだったんです。3人で前作に入っている「チョコレイト・ディスコ」(Perfume)をやったとき、「徳ちゃんがメロディ、僕が伴奏を弾いて、シンセサイザーの音を三浦くんがやったらどうだろう?」という発想が浮かんで。それがすごくよかったから「だったらYMOもできるかな」と。三浦くんはピッキングが正確だし、徳ちゃんはセクシーなメロディを弾くのが得意。僕もパーカッシブな奏法を活かせるし、それぞれの役割分担ができたんです。今回のアルバムでは僕がメロディを弾いて、二人にビートを作ってもらったり、いろんなパターンを試しています。
三浦 コード感とメロディを活かしてカバーするやり方もあるんですけど、DEPAPEKOではなるべく原曲のアレンジを再現しているんです。押尾さんのアレンジがすごく魅力的で、「アコースティックギターってこういうこともできるんだ!」という発見があるし、音楽や楽器で遊んでいるような雰囲気もあって。「アイドル」にはラップのパートがあるんですけど、それもアコギで表現しているんです。インストのバンドは普通、ラップが入っている曲はやらないと思います(笑)。
徳岡 「Let’s Groove」(Earth,Wind&Fire)にしても、歌メロ以外の印象的なフレーズもしっかり入っていて。それをギター3本でアレンジできているのはすごいと思います。
押尾 「運命」(ベートーヴェン)は三浦くんがアレンジしてくれたんですけど、6弦をC(通常はE)まで下げた譜面を送ってきたんです。実際に弾いてみて「Gまで下げたほうがいいな」と思って、そこから自分のアレンジを進めていって。
三浦 「こういうチューニングでいけそうですか?」と相談したりして、ギターの可能性の広がりを感じています。
──DEPAPEPPEの「Sky!Sky!Sky!」「シュプール」、押尾さんの「Landscape」「Big Blue Ocean」もDEPAPEKOバージョンで収録されています。
押尾 「シュプール」「Big Blue Ocean」はライブで何回か演奏したことがあったので、これも録音しようと。「Landscape」はかなり前の曲なんですが、中国でライブをやると必ずリクエストが来るんです。一時期あまり演奏していなかったんですけど、二人にお願いしてやってみようと思って。「Sky!Sky!Sky!」はDEPAPEPEのインディーズ時代の曲で、僕自身も聴いたとき「すごいな」と思ったし、ぜひやりかったんです。
徳岡 押尾さんがロー(低音)をしっかり出してくれるので、迫力が増して。一気に盛り上がります。
三浦 DEPAPEPEのバージョンに押尾さんが音を重ねてくれて、メロディとメロディの合間にキラキラしたハーモニクスの音が入ったり。“ブリリアント・バージョン”みたいな感じですごく気にいってます。
徳岡 しかも音源をライブで再現できるんですよ。押尾さんがドラム、ベース、キーボードの役割をやってくださるので、バンドみたいに演奏できるんです。
──それもDEPAPEKOの魅力ですね。三浦さん、徳岡さんにとって、押尾さんと一緒に音楽を奏でることで得られるものは本当に多そうです。
三浦 数え上げればきりがないんですけど、まず音楽的なチャレンジをできることが大きいです。DEPAPEPEでやっていると、どうしても自分たちの枠に収めてしまいがちで。DEPAPEKOでは普段は使わない音運びやアレンジがあるし、それが血肉になって、次の制作やライブで自分のフレーズとして出せるんです。押尾さんとは何度もご一緒していますが、毎回すごく勉強になります。
徳岡 ライブで演奏するのもすごく楽しいです。3人の演奏を心待ちにしてくださっているのを感じられるのはすごく幸せです。
──押尾さんにとって、DEPAPEPEのお二人と演奏することの醍醐味とは?
押尾 年齢は僕より下なんですけど、二人ともインストを愛しているし、DEPAPEPEのメロディアスなところがすごくいいなと思っています。関西気質というか(笑)、波長も合うんじゃないかな。DEPAPEKOも僕のなかではずっと現在進行中で、日頃から「この曲をこんなアレンジでやったらどうだろう?」って考えたりしています。
徳岡 まだ録音してない曲もありますからね(笑)。
アルバムの世界を完全再現するライブ
──東名阪コンサートツアー「DEPAPEKO -押尾コータロー×DEPAPEPE- LlVE TOUR 2025 “PlCK POP Ⅱ”」も楽しみです。
押尾 2ndアルバムが中心になると思いますが、前作の収録曲、これまでライブでやってきた曲もやろうと思っています。ぜひアルバムを聴いてもらって、「どうやって弾いてるのかな?」というのをライブで見ていただけたら。
三浦 音源のレコーディングは、ライブ環境と同じように聴こえるよう録音しているんです。
押尾 僕が真ん中で、徳ちゃんが右、三浦くんが左。ヘッドホンで聴いていただくとよくわかります。
三浦 ライブでも同じ位置で演奏するので、「こうやって弾いているんだ」みたいな感じで視覚的にも楽しんでいただけると思っています。
徳岡 音源を完全再現できるので、そこも楽しんでほしいですね。「アイドル」とかはかなり難易度が高いですけど、鳴っているのはギター3本だけなので。今、練習の真っ最中です(笑)。
──リハーサルやライブのなかで演奏のニュアンスが変化することもありそうですね。
徳岡 押尾さんのアルバム(20th Anniversary『My Guitar, My Life』/2022年)で「Bohemian Rhapsody」(QUEEN)をコラボさせてもらったことがあって。ライブでも演奏しているんですけど、最初はかなり大変だったんです。でも、何回かやっているうちに余裕を持って弾けるようになって。
押尾 ライブで演奏するまでは、やれる気がしませんでした(笑)。初めて演奏したとき、お客さまの拍手がなかなか止まなかったんですよ。ですから演奏自体はよかったと思うんですけど、僕らは「演奏できた……」という感じで。
──生演奏ならではの緊張感もライブの楽しさですね。
三浦 そうですね。今回のツアーでも“ライブならでは”があると思うので楽しみにしていてほしいです。
押尾 ライブの楽しさ、ドキドキ感もお伝えできると思うので、ぜひ遊びに来てください。
取材・文/森 朋之

<公演情報>
「DEPAPEKO -押尾コータロー×DEPAPEPE- LlVE TOUR 2025 “PlCK POP Ⅱ”」
【東京公演】
日程:2025年6月29日(日)
会場:東京国際フォーラム ホールC
【名古屋公演】
日程:2025年7月4日(金)
会場:ダイアモンドホール
【大阪公演】
日程:2025年7月5日(土)
会場:サンケイホールブリーゼ
チケット情報:
https://w.pia.jp/t/depapeko2025/
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