脚本家と8歳の甥によるひと夏の物語、滝野弘仁の長編デビュー作「くまをまつ」予告
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「くまをまつ」場面写真
滝野弘仁が長編監督デビューを飾り、平野鈴、渋谷いる太が出演する「くまをまつ」の予告編がYouTubeで公開された。
滝野の出身地である石川県小松市を舞台とする同作では、脚本家のややこと、8歳の甥・タカシによる“土地の記憶と創作”が入り混じったひと夏が描かれる。「親密さ」の平野がややこ、映画初出演の渋谷がタカシを演じ、大場みなみ、内田周作、松浦りょう、竹内啓、中村映里子もキャストに名を連ねた。
予告編には、ややことタカシが出会い、古民家で共同生活を始めるシーンを収録。亡くなった祖父の日記やタカシとの生活を脚本に取り入れていくややこの姿や、脚本の朗読に導かれるようにタカシが暗く深い洞窟に足を踏み入れていく様子も映し出された。なお予告は映画監督の川添彩が制作を担当している。
第37回東京国際映画祭ではNippon Cinema Now部門に選出された同作。映画祭プログラミング・ディレクターの市山尚三は「今、映っているものが現実なのか幻想なのか判断し難い不安定さが全編にあふれ、見る者の心は強く揺さぶられる。そのいい意味での不安定さを見事に体現しているのが平野鈴の独特な存在感だ。監督デビュー作にしてこの世界観を創り出した滝野弘仁の今後の活動からは目が離せない」とコメントした。
「くまをまつ」は6月7日より東京・ポレポレ東中野ほか全国で順次公開される。
市山尚三(東京国際映画祭プログラミング・ディレクター)コメント
「くまをまつ」は不思議な映画だ。祖父が住んでいた古民家で少年がひと夏を過ごす、というプロットから想像されるようなノスタルジックな雰囲気はそこにはない。今、映っているものが現実なのか幻想なのか判断し難い不安定さが全編にあふれ、見る者の心は強く揺さぶられる。そのいい意味での不安定さを見事に体現しているのが平野鈴の独特な存在感だ。監督デビュー作にしてこの世界観を創り出した滝野弘仁の今後の活動からは目が離せない。
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