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スタジオライフ創立40周年、「ガラスの動物園」をWキャストで再演

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スタジオライフ「ガラスの動物園」チラシ表

スタジオライフ「ガラスの動物園」が、6月19日から29日まで東京・ウエストエンドスタジオで上演される。

これは今年、劇団創立40周年を迎えたスタジオライフの公演。昨年3月に劇団として初演したテネシー・ウィリアムズ「ガラスの動物園」を、一部キャストを変更し、2チーム制で立ち上げる。Blueチームではアマンダ役を楢原秀佳、ローラ役を吉成奨人、トム役を奥田努、ジム役を鈴木翔音、Roseチームではアマンダ役を楢原、ローラ役を青木隆敏、トム役を笠原浩夫、ジム役を坂本岳大が演じる。

演出を担う倉田淳は「夫々が夫々を思いやって良かれと思うことをするのに何故か裏目に出てしまう、そして誤解と怒りと哀しみに襲われる現実が待ち受けているのです」「この切なさが優しさに裏打ちされているというところが『ガラスの動物園』の魅力だと思っています」と述べ、「再演となる今回は、この魅力をさらに深めてゆきたいと思っています。そしてスタジオライフ版は、ジム・オコナーの優しさにも光を当てています。ローラを弄んだ嫌な奴というイメージを持たれることが多いようですが気の毒でなりません。ジムの内面にかなり踏み込んで、彼の優しさがうかがえるアプローチを試みています」と語った。

倉田淳コメント

「ガラスの動物園」に出会ったのは1971年の夏でした。俳優座劇場だったと思います。文学座の公演で演出は長岡輝子先生。高校生になって初めての夏休み、運命の出会いだったと思います。この舞台に出会い、芝居を一生続けたいと思った次第です。

セントルイスの路地裏に暮らす母アマンダと姉ローラと弟トムの家族、靴倉庫で働くトムの給料とアマンダの雑誌の勧誘による収入で細々と暮らしています。
今の時代で言えばまさしく「負け組」の話です。何があったのか、父親はローラとトムという子供までいたのに或る日突然、家を出て行ってしまったのです。でもアマンダは怯むことなくエネルギッシュに子供たちの世話をしていたのですが、少しずつ少しずつボタンの掛け違えのような、思いのゆき違いが生じていたのです。
夫々が夫々を思いやって良かれと思うことをするのに何故か裏目に出てしまう、そして誤解と怒りと哀しみに襲われる現実が待ち受けているのです。切ないです。が、この切なさが優しさに裏打ちされているというところが「ガラスの動物園」の魅力だと思っています。昨年、初演させていただいて実感しました。
再演となる今回は、この魅力をさらに深めてゆきたいと思っています。そしてスタジオライフ版は、ジム・オコナーの優しさにも光を当てています。ローラを弄んだ嫌な奴というイメージを持たれることが多いようですが気の毒でなりません。ジムの内面にかなり踏み込んで、彼の優しさがうかがえるアプローチを試みています。

暗い話と思われがちな「ガラスの動物園」ですが、それは登場人物を取り巻く現実の厳しさと暗さであり、作品そのものは愛と優しさが根底を成している物語と思うのです。弱者の側に立つテネシー・ウイリアムズという作家の目と、多大なる影響を受けた長岡輝子先生の演出が、「ガラスの動物園」への向かい方を導いてくださったと勝手に思っています。

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