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【第50回菊田一夫演劇賞】大賞の栗山民也「ひとつひとつの言葉に勇気をもらった」明日海りお、長澤まさみ、甲斐翔真、伊東四朗ら豪華な顔ぶれ

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第50回菊田一夫演劇賞 授賞式より、左から)上田一豪、長澤まさみ、林与一、栗山民也、伊東四朗、明日海りお、甲斐翔真

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第50回菊田一夫演劇賞の授賞式が5月21日、都内で行われ、菊田一夫演劇大賞に輝いた演出家の栗山民也をはじめ、菊田一夫演劇賞を受賞した明日海りお、長澤まさみ、甲斐翔真、上田一豪、長年の功績を称える菊田一夫演劇賞特別賞を手にした伊東四朗と林与一が出席。受賞の喜びを語った。

菊田一夫演劇賞は、劇作家菊田一夫の功績を長く伝えるとともに、演劇界の発展のため1975年に設けられた演劇賞。毎年大衆演劇の舞台で優れた業績を示した作家、演出家、俳優、舞台美術家、照明、効果、音楽、振付、その他のスタッフに贈られる。

栗山民也

大賞を受賞した栗山は、『オーランド』『ファンレター』の演出が高く評価された。前者では、宮沢りえが美貌の青年貴族から女性へと変貌し、激動の時代を生き抜く詩人を演じ、後者は母国語を奪われた韓国の若き文学者の成長を描いた。どちらも“言葉を紡ぐこと”が題材になっており、授賞式では「どちらも世界のあり方を問い続けた作品で、稽古をしながら、ひとつひとつの言葉に勇気をもらいました」と受賞作を振り返っていた。

明日海りお

『王様と私』のアンナ役、『昭和元禄落語心中』のみよ吉役の演技が評価された明日海は、「第50回というメモリアルイヤーに、素晴らしい賞を頂戴できまして、本当に光栄に思っております」と感無量の面持ち。演じた役柄については「このタイミングで出会えて良かったなと思う役でした」と語り、「舞台での思いや光景はもちろんですが、その役を作り上げるにあたり、悩んだり意見を交換し合った時間もすべて愛おしく、心の宝箱にしまっていた」と喜びを噛みしめた。

長澤まさみ

長澤はNODA・MAP 第27回公演『正三角関係』でのグルーシェニカ役の演技で、菊田一夫演劇賞を受賞。稽古の日々を「演劇学校に通っていると思えるようなものでした」と振り返り、「映像からお芝居を始めた私にとって、演劇は遠い存在でした。演劇の世界に立ってみたいと、思い切って前に進む勇気を出したあのときがあったから、今の自分に返ってきているのかなと思います」と、演劇への思いを吐露。「まだまだ、やらなければいけないことがたくさんあると思うので、素晴らしい賞を勇気に変えて、頑張っていきたい」と決意を新たにしていた。

甲斐翔真

「僕はこの場で、とにかく舞台への愛を伝えたい」と声を弾ませるのは、『ムーラン・ルージュ!ザ・ミュージカル』のクリスチャン役、『ネクスト・トゥ・ノーマル』のゲイブ役で受賞した甲斐だ。コロナ禍の2020年に舞台デビューを飾り、自らを「ど根性シアター俳優」と称す甲斐は、「日本のミュージカル界に、新たな炎を付けたような作品だと思っております。僕はやっぱり舞台、生の世界が好きなんだなと改めて感じた作品でもあります」と作品への思いを語り、さらなる飛躍を誓っていた。

上田一豪

また、『この世界の片隅に』『HERO THE MUSICAL』の演出で受賞を果たした上田は、俳優になりたかった少年時代を回想。「ひとりで演劇作品を形にするのは難しいこと。スタッフやキャスト、劇場の皆様の力を借りて、ライブの空間を作っていくので、皆様のおかげで受賞することができた」と感謝を示した。

伊東四朗

まもなく芸歴67年を迎える伊東は、登壇すると「ご覧の通りのじいさんです。伊東四朗と申しますが、一時ベンジャミンと名乗ったこともありまして、ぜひ忘れてください」と、衰え知らずのトークで授賞式を盛り上げた。今回の受賞については、「とにかくびっくりして、これほどうれしいことはありません。舞台人になろうと、この世界に入ったので、舞台を褒められるとうれしい」としみじみ語った。

そして、「まだまだ元気にやっておりますので、どこかで転んでいるのを見たら助けてください。長年舞台を観に来てくれた皆さんのおかげです。“伊東家の誇り”です」と挨拶。同じく菊田一夫演劇賞特別賞に輝いた林は、自身のキャリアを振り返りながら「菊田先生には褒められたことがない(笑)」とこちらもしみじみ。「この賞は激励の意味でいただいたのだと思う」と背筋を伸ばした。授賞式の合間には、伊東と林が、思い出話に花を咲かせる姿も見受けられた。

林与一
授賞式の合間に語らう林与一と伊東四朗

取材・文・撮影:内田凉

【第50回菊田一夫演劇賞 受賞者】

■菊田一夫演劇大賞
栗山民也(『オーランド』『ファンレター』をはじめとする今年度の演出の成果に対して)

■菊田一夫演劇賞
明日海りお(『王様と私』のアンナ役、『昭和元禄落語心中』のみよ吉役の演技に対して)

長澤まさみ(NODA・MAP 第27回公演『正三角関係』作・演出:野田秀樹の唐松在良/グルーシェニカ役の演技に対して)

甲斐翔真(『ムーラン・ルージュ!ザ・ミュージカル』のクリスチャン役、『ネクスト・トゥ・ノーマル』のゲイブ役の演技に対して)

上田一豪(『この世界の片隅に』『HERO THE MUSICAL』の演出の成果に対して)

■菊田一夫演劇賞特別賞
伊東四朗(永年の舞台における功績に対して)

林与一(永年の舞台における功績に対して)

菊田一夫演劇賞 公式サイト:
https://eibunkyo.jp/theater-award/

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