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ぴあ 総合TOP > ViViDが復活ライブで見せた無敵のパワー「命を取り戻し、一年間またみんなと歩んでいきます」<ViViD ONEMAN LIVE 2025-Dear-at TOKYO GARDEN THEATER>ライブレポート

ViViDが復活ライブで見せた無敵のパワー「命を取り戻し、一年間またみんなと歩んでいきます」<ViViD ONEMAN LIVE 2025-Dear-at TOKYO GARDEN THEATER>ライブレポート

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ViViD ONEMAN LIVE 2025-Dear-at TOKYO GARDEN THEATER (撮影/Takuya Orita)

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ぴあで人気連載「音楽甘党遊戯」を展開中のSHINがヴォーカルを務めるロックバンドViViDが、3月22日、23日、東京・東京ガーデンシアターにて<ViViD ONEMAN LIVE 2025-Dear-at TOKYO GARDEN THEATER>を開催した。2015年4月、パシフィコ横浜国立大ホール公演で最後まで多くのファンに惜しまれながら解散したViViD。あの解散劇から1年。一夜限りの復活公演と告知していた本公演の1日目。1年間限定でこのViViDを復活させることをサプライズ発表し、同時に、2026年3月までのライブスケジュールを告げ、復活を待ち望んでいたファン、さらには音楽シーンに大きな喜びと衝撃を与えたViViD。ここではその公演から、1日目とはセットリストを大幅に入れ替えて大盛況だった2日目のライブレポートをお届けする。

10年のブランクを感じさせない輝きと貫禄

開演前から、観客の様子は昨日とは明らかに違う。前日の公演やニュースで、ViViDが一夜限りではなく、今後1年間限定で復活することを事前に知って集まった観客たちは祝祭ムード満載。

冒頭、場内が暗転するとオープニング映像に続いて、イヴ(Ba)、RYOGA(Gt)、RENO(Gt)、SHIN(Vo)がポーズを決めてオンステージ。サポートメンバーである前田遊野(Dr)を背に、4人がぎゅぎゅっとセンターのお立ち台に集まると、その光景を観ただけで観客たちが胸の高鳴る思いで歓声を上げる。

2日目は、特効のバーンという爆発音とともにいっきに「Distance of mind」で幕開け! 1日目とは違い、モードなサングラスをかけて登場したSHINはそのままセンターのお立ち台に構え、楽器陣は各々自分の定位置の前にあるお立ち台に上る。バンドがかもしだすオーラは解散して10年とは思えないほどキラキラで、大人になった彼らはそこに貫禄も加わり、カッコよさは身震いするほど圧倒的。

無数のレーザーが飛び交うなか、バンドは「69-II」でオーディエンスのギアを入れ、さらに重量感を増したスピメロチューン「Re:Load」を投下すると、怒濤の凄まじいほどのヘドバンが場内に炸裂。“どこにいるの? なにしてるの?”と歌いながらSHINがイヴに近づき、顔を見つめながら“誰といるの?”と歌いながら見せ場を作ると、ファンは絶叫しながら悶絶! 

オープニング3曲、問答無用の有無もゆわさぬ展開で、いまの時代に戻ってきたViViD、そのパワーを存分に見せつけていった彼らは、昨日を経てさらに自信満々の無双状態。

SHINが「10年ぶり、ここからまた、俺たちと夢を見てくれますか?」と語りかけ「Are you ready?」とくれば、次に始まったのは、もちろん彼らのデビュー曲「「夢」~ムゲンノカナタ~」。2番が始まると、SHINが繰り出す振りを真似して、指を丸くして作るガラス玉が、客席に無限に広がっていった。そこから「Across The Border」を披露すると、さらに会場のテンションは爆上がり。

ここでは、いまや大御所たちのサポート業で大忙しのRENOが、10年前とは比べものにならないほど正確無比な高速ピッキングと速弾きで吠えまくり、集まったロックキッズを沸かせていく。曲が終わったあとも、バンドの演奏はそのまま「次は、この1曲から俺たちViViDが始まりました」とSHINが曲紹介すると、演奏は「Take-off」へと移行。メロディアスな楽曲に合わせて“テテテテ、テイクオフ!”と歌いながら観客たちが一斉にジャンプする場面はこのバンドの名物。ViViDと客席が笑顔で一つになり、場内にはViViDならではのキラキラしたライブ空間が生まれる。

“辛いときは泣いたって構わないから”というフレーズでエールを届けたあとに、“もう迷わない”という歌い出しから「光―HIKARI-」へ繋ぐ。もうこれしかないという説得力あるセットリストの流れで、キミがいたからここが僕たちの生きる世界になったのだということを、この曲を通して伝えていく彼ら。

そうして、このリリックに並走するように、照明が明るい光で客席を包んでいくと、場内には共感と感動が広がっていった。10年越しにステージとファンが繋がったことを改めて確認したあとは、バンドが「BLUE」を繰り出すと、オーディエンスは頭上でタオルを振り回し、昔と変わらない鮮やかな景色を作って、ステージにいるメンバーを笑顔にしていった。

天空から星のように降るSHINの歌声

「すごくいい景色です。ありがとう」とSHINはそんな観客たちを褒め称えたあと「解散から10年経っても、まだViViDのことをこんなに愛してくれる人がいることを幸せに思います」と伝えると、客席からは大きな拍手が沸き起こった。そして「ViViDを愛してくれるみんなに贈りたいなと思って書いた愛の歌です。どうか届きますように」という言葉を添え、始まったのは「message」だった。

イヴはここまでかぶっていたキャップをとって、ビートを繰り出す。そのグルーヴを包み込むように、柔らかなタッチでSHINがこれまで以上の美声を放っていくと、RENOのフレーズにハモるようにRYOGAがギターを重ねていく。それらすべてが溶け合っていく生演奏ならではのエモーショナルなアンサンブルを、観客ひとり一人の心に刻みつけるよう届けたあとは、「星ノ雨」へ。放射された美しいブルーの照明と呼応するように、SHINの美しく伸びやかなファルセットが、天空から星のように降ってきたところは神々しいほど綺麗だった。

その一方で、曲が3拍子に変わるパートでは楽器陣が緊張感たっぷりのプレイを見せ、メロディアスながらも複雑な展開を持ったこの曲の魅力を、いまの演奏力で引き出していったところは圧巻。そして、その星空から観客のところへと舞い降りるように「Good Morning World」へとつなぐと、ここではRYOGAがメロディーに優しく添い遂げるギターで、ロマンティックなムードを作り上げていく。

そのRYOGAがつま弾くギターをBGMに、このあとはメンバーのMCへと展開。RENOは、格段に増加した男性ファンに「男!」と呼びかける。すると、ワイルドな叫び声が会場中に響き渡り、これにはRENOも大興奮。それでも、このあと女性のレスポンスを聞くと「やっぱこっちのほうが気持ちいい」といってニンマリ。

続いて、イヴは「顔がよくて筋肉もあってお金もあってパフォーマンスもカッコいいイヴです」と自己紹介したあと、「SHINさんのソロに繋がれば」という思いで臨んだViViD復活だったが「リハに入ったときからこの4人でいるのが楽しくて。楽屋でも4人でいて。

メンバーといると楽しくて、ふとしたときに家族のような安心感を感じてます」と復活前後で変化した自身の気持ちを吐露。次はRENOのギターをバックに、RYOGAへとバトンタッチ。RYOGAは、自分の気持ちはメンバーが語ってくれたと告げた上で、今後に向け「新しい未来を作っていきたいので、このあともViViDをよろしくお願いします」といって客席に一礼した。

このあとSHINが「一足先にViViDと夏の風を感じてみませんか?」と語りかけるように伝えて、ライブは「夏風~endless love~」で再開。観客たちが手を左右に振るなか、ファルセットを使ったハイトーンのSHINのせつなく甘い歌声が、そよ風にのってみんなの耳元で広がり、オーディエンスの心を癒やしていったあとは「REAL」へ。2人のギタリストがリレーでソロをつないで見せ場を作ったところから、RENOにピンスポットがあたり、このあとはRENOのソロタイムへ。

アームを使いながら得意の速弾きから「The Devil whispers」へ入っていったところは、ロックキッズたちも拳を振り上げ狂ったように熱狂! イヴがストラップを回してベースを1回転させるパフォーマンスで、場内のテンションをさらに上げていく。曲の終盤、今度はRYOGAにピンスポットがあたり、RYOGAがギターでファンをエモーショナルに高揚させたところから「FAKE」、さらに「RISK」のダブル投下で、客席は大爆発。ここのロックキンな展開でとどめを刺すように最高潮の盛り上がりをつくったあとも、その勢いは止まらない! 

上半身裸になったイヴがフロントに出てきてピンスポットを浴び、頭の後ろにベースを構えたあと、地割れがするような爆音で「RIDE on time」の演奏をはじめると、オーディエンスはさらに絶叫。ものすごいレーザーが走るなか、ViViDのバンドアンサンブルが場内の壁を突き破るような勢いでパワフルに響き渡り、会場をとんでもなく激アツ空間にして、気づいたときには本編は終了していた。

ここから始まる一年間 無敵バンドは全国へ

アンコール、1日目はムービー映像を使って今後1年間活動を続行し、そのライブスケジュールを一斉にサプライズ発表してファンを狂喜乱舞させたViViDだったが、2日目は、普通に(笑)メンバーが登場。

定位置について、この日は「Bright red garden」という選曲に観客たちは悲鳴を上げて狂喜乱舞! 観客たちは手をヒラヒラさせながら左右に大移動。ここではホーンをフィーチャーしたジャジーなサウンドで、大人になった彼らの妖艶さをまとったアンサンブルをたっぷりと堪能。演奏が終わったあと、RENOから、この曲の冒頭のライターを“カチャ”と着火させてタバコを吸う音は「俺なんだよ」と明かされると、それを知らなかったRYOGAは観客と一緒に驚きの表情を浮かべる。

「まだまだ楽しむ準備はできてるか?」、「アリーナ!」、「1階!」と大声で客席を煽っていたSHINが、いきなりなにを思ったのか、素に戻った口調で「どうしよう、2階もやっとく?」とリーダーのRENOにお伺いをたてる。「こっちは次の(ギターの)準備で忙しいだから勝手にやれよ」とRENOに怒られるやりとりを見ていた観客は、思わず大爆笑。超絶歌うま人間、ルックスもパーフェクト王子なのに、1日目は演る予定だった「FAKE」をとばして次の曲にいってしまうなど、じつはまだまだ未完成なSHIN。

それを1番知っているメンバーがいじっていく姿が、ファンにはたまらないのだ。そうして、メンバー全員が客席に背を向け、ドラム台に集まり、一斉にジャンプしてそこから解き放たれ、始まったのはもちろん「キミコイ」。ここがキミの特等席なんだよということを会場中に届けたあと、SHINが静かにしゃべりだす。「2015年4月29日、涙の“Dear”でみんなとお別れしたその瞬間をずっと忘れられませんでした。10年後、僕らが集まって、今後1年間ViViDとして活動していくなかで、あのときお別れの、さよならで涙だった“Dear”を笑顔の“Dear”に変えられるよう、しっかりと歩んでいきたいと思います」と宣言して、歌い出したのは、この復活公演のタイトルにもなっていた「Dear」だ。

噴射された銀テープを観客が各々手に持ち、会場をキラキラ輝かせて、ステージのエンディングは誰もが心の底から笑顔を浮かべたところで終演。

終演後はメンバーを代表してRENOが改めて「僕たちはこれから1年間、また命を取り戻し、ViViDとして活動することにしました。10年間の思いをぶつけて、またみんなと歩んでいきたいと思います」と挨拶。そのあと、ステージと観客が手を繋ぎ、SHINの「せ~の」と掛け声でジャンプをして、ライブは多幸感に包まれ、大団円のなかフィニッシュ。

解散から10年。さらに無敵なバンドとなり、再び命を取り戻したViViD。その復活セレモニーは、8月11日より始まる<ViViD 2025 SUMMER TOUR~hedonist~>からスタート。ライブハウスに降臨したViViDが、全国各地を、音楽シーンをかき回し、震撼させていくのをぜひ現場で楽しんでもらいたい。


撮影/Takuya Orita、取材・文/東條祥恵

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