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「あいち2025」全容を発表、PAキュレーター中村茜「開かれた芸術祭に」

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際芸術祭「あいち2025」のプログラム全体概要発表会見より。左から辻琢磨(キュレーター / ラーニング)、中村茜(キュレーター / パフォーミングアーツ)、入澤聖明(キュレーター / 現代美術)、フール・アル・カシミ芸術監督、飯田志保子(学芸統括)。

9月から11月にかけて愛知県で行われる国際芸術祭「あいち2025」のプログラム全体概要発表会見が、本日5月30日に愛知・愛知芸術文化センターにて行われ、国際芸術祭「あいち」組織委員会会長の大林剛郎、芸術監督のフール・アル・カシミ 、パフォーミングアーツのキュレーター・中村茜らが登壇した。ここではパフォーミングアーツを中心にした内容を紹介する。

国際芸術祭「あいち」は、2010年から3年ごとに愛知県で開催されている芸術祭。「あいち2025」のパフォーミングアーツ部門では、芸術監督フール・アル・カシミが掲げる「A Time Between Ashes and Roses 灰と薔薇のあいまに」をテーマを体現する、国内外の演劇やダンスなどの舞台芸術作品が、愛知芸術文化センターを中心に上演・展開される。

フール・アル・カシミは「私の意気込みとしては、この国際芸術祭にはできるだけ多くの、これまでこういった国際芸術祭にあまり足を運んでいない方が来てくださることを目指しております。ですから今回、この愛知芸術文化センターのみならずさまざまな場所を使ってこの芸術祭を展開したいと思っています。例えばこれまでビジュアルアートをあまりやるような場所ではなかったような場所も選定してそしてこの芸術祭を行うわけです。彼らの新しい観点、息吹をこのイベントに吹き込みたいと思っていますし皆さんのご意見も伺いたいと思っています」と話す。

また会場として瀬戸市が多く選ばれている点について、「今回、非常にラッキーなことに何度も瀬戸市を訪れることができましてそのたびに、新しいお店ができていたり新しい試みが行われるなど、エキサイティングなことが次々と行われているとことを感じました。このような芸術祭を行うとき、私はその街の中でアートがどのように表現されるかを大事にしており、ロケーションをどう扱うかということにも関心があるのですが、今回瀬戸市の協力を得て、さまざまなロケーションを使うことができましたので、瀬戸市のポテンシャルは非常に高いものだと思っています」と自信を見せた。

続けて中村がパフォーミングアーツに関して説明。中村は「皆さんに親しんでいただける、開かれた芸術祭にしたいと思っています」と初心を述べ、プログラムのコンセプトについて「国内から4作品、国外からは中東、アフリカ、オセアニア、アジアから5作品の全9作品を発表いたします。プログラムについてはフール監督のディレクションのもと『灰と薔薇のあいまに』というテーマから掘り起こし、3つのポイントを考えました」と続けた。

中村は「1つ目は人間と自然の関係がどうなっているか、人間が上で自然を支配するというようなものではなくて、自然と共に人間の生活や共同体があるという関係。その土地固有の自然や環境と人間のつながりを問い直すことです。2つ目は歴史や記憶の中にある戦争と、現在進行形の戦争について。ガザやウクライナの現状にも思いを馳せつつ、戦争は街や生活を荒廃させ、あらゆる面で大きな傷を負うものですが、私たちはこの事実から何を見いだせるのかということ。3つ目は支配をめぐる世界的な権力構造についてです。連綿と続く格差や搾取、差別についてそして植民地支配や帝国主義の歴史から、ポストコロニアリズム時代の力関係について問うことです。この3つを中心とした観点から、暴力や収奪ではなく、人間性の回復や既存の価値観では見えてこなかった物語や身体性を、表現を通して感じられる作品や体験を意識してプログラムいたしました」と説明。続けて各作品についての説明を続けた。

パフォーミングアーツ部門にラインナップされているのはバゼル・アッバス & ルアン・アブ⹀ラーメ「タイトル未定」、AKNプロジェクト「喜劇『人類館』」、ニュージーランドのブラック・グレース「Paradise Rumour(パラダイス・ルーモア)」、韓国のクォン・ビョンジュン「ゆっくり話して、そうすれば歌になるよ」、コンゴのフォスタン・リニエクラ「My body, my archive(マイ ボディ・マイ アーカイブ)」、マユンキキ+「クシテ」、オル太「Eternal Labor(エターナル・レイバー)」、チュニジアのセルマ & ソフィアン・ウィスィ「Bird(バード)」、態変「BRAIN(ブレイン)」。セルマ&ソフィアン・ウィスィは現代美術部門にも参加する。パフォーミングアーツの一般前売りは7月12日から販売される予定。詳細は今後の発表を待とう。

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