「辰巳」遠藤雄弥&森田想が日プロ受賞を喜ぶ、「愛に乱暴」江口のりこは出会いに感謝
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第34回日本映画プロフェッショナル大賞授賞式の様子。左から森田想、小路紘史、遠藤雄弥
第34回日本映画プロフェッショナル大賞の授賞式が本日5月31日に東京・テアトル新宿で行われ、「辰巳」で主演男優賞を受賞した遠藤雄弥と新進女優賞に輝いた森田想、「愛に乱暴」で主演女優賞を受賞した江口のりこの代理で、監督の森ガキ侑大が登壇した。
「ケンとカズ」の小路紘史が監督を務めた「辰巳」は、元恋人の殺害現場に遭遇した裏稼業で働く男・辰巳の姿を描いたフィルムノワール。復讐を誓う元恋人の妹・葵に協力するうち、辰巳の中にはある感情が芽生えていく。遠藤が辰巳、森田が葵を演じたほか、後藤剛範、佐藤五郎、松本亮、龜田七海、藤原季節がキャストに名を連ねた。
花束プレゼンターとして会場に駆け付けた小路は「遠藤さんのおかげで『辰巳』という作品ができた」と祝福する。遠藤は「俳優を25年やらせていただいて、ようやくこのような賞をいただけた。長くやっていれば、見てくれる人はいるんだなとうれしい気持ちでいっぱいです」と喜びをあらわにする。続けて「1人ではなく、みんなの力で1本の映画を作ることは本当に尊くて美しいものだなと。この賞に恥じぬよう、これからも邁進していきたい」と気を引き締めた。
共演者の倉本朋幸、松本亮から花束を受け取った森田は「映画を愛している皆様からの賞。このような光栄な賞をうれしく思います。何より主演の遠藤さんと一緒に賞をいただく機会に恵まれまして、それが一番作品に還元できる素晴らしいことだなと思っております。幸せな日になりました」と笑顔を浮かべた。
「悪人」「怒り」の吉田修一による同名小説をもとにした「愛に乱暴」は、江口扮する初瀬桃子を主人公としたヒューマンサスペンス。夫の実家の離れで暮らしている桃子は、義母から受ける微量のストレスや夫の無関心を振り払うために、日々“丁寧な暮らし”に勤しんでいた。そんな彼女の周囲では、相次ぐ不審火や愛猫の失踪など不穏な出来事が起こり始め、少しずつ日常が乱れていく。
江口は舞台のスケジュールの都合により授賞式を欠席。彼女から手紙を預かった森ガキは「このたびは主演女優賞をいただきまして、誠にありがとうございます。映画『愛に乱暴』は、森ガキ監督が素晴らしかったんだと思います。監督が作った現場で汗を流すスタッフ・キャストの皆さんはキラキラ輝いていました。あのとき、あの現場で一緒の時間を過ごせたことが奇跡のように思えます。出会いに感謝して、これからもがんばっていきたいです。ありがとうございました」と代読した。
森ガキは、江口を“百戦錬磨の女優”と表現し、「監督が言ったことに応えてくれるのはわかっていたのですが、そこをあえて崩したかった。所作や動きの話を密にしたり。もっと自由に表現したい江口さん自身はモヤモヤされていたかもしれませんが、僕らが計算して演出したことを信じていただけたのかなと」と、彼女とのタッグを振り返った。
映画ナタリーでは、引き続き授賞式の模様をレポートする。
※「辰巳」はR15+指定作品