井浦新らが日プロ受賞「青春ジャック」監督の井上淳一を祝福、杉田雷麟はバンダナ返す
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第34回日本映画プロフェッショナル大賞授賞式の様子。肩を組む井浦新(左)と井上淳一(右)
第34回日本映画プロフェッショナル大賞の授賞式が本日5月31日に東京・テアトル新宿で行われ、ベストテン1位と作品賞に輝いた「青春ジャック 止められるか、俺たちを2」からキャストの井浦新、芋生悠、杉田雷麟、主題歌アーティストの宮田岳、プロデューサーの木全純治、同作で監督賞を受賞した井上淳一が登壇した。
同作は、若松プロダクションの黎明期を描いた「止められるか、俺たちを」の続編。若松孝二が愛知・名古屋に作ったミニシアター、シネマスコーレを舞台に映画と映画館に魅了された若者たちの群像劇が描かれる。前作に引き続き井浦が若松を演じ、東出昌大が支配人・木全純治、芋生が劇場アルバイト・金本法子、杉田が本作の監督でもある井上に扮した。
花束プレゼンターとして登場した杉田は「作品の中で井上監督の挫折などを追体験させていただきました。今日は預かっていたバンダナをお返ししたいと思います」と、劇中でも使用した赤いペイズリー柄のバンダナを井上に返納し会場を沸かせる。芋生は「井上さんの姿を追いかけて、映画を愛し前進していけたらと思います」とスピーチした。
井上は「監督賞なんて獲れないと思っていた。監督として何もしていない。ここにいる2人(杉田・芋生)、それから井浦さん、東出さんをはじめ、キャスト・スタッフに本当に助けられて作りました。彼らに感謝しかないです。若松孝二監督、亡くなってなお2本の映画を作らせていただいて、賞までいただき……。今日もどこかで見てくれていると思います」と述懐した。イベントでは、宮田が主題歌「まだみぬ果ては」を生パフォーマンス。井浦らが楽曲に乗せて手拍子するなど、盛り上がりを見せた。
特別賞は東京・池袋にあるミニシアター、池袋シネマ・ロサへ。「侍タイムスリッパー」の上映をはじめ、インディーズ映画への長年の貢献に対して贈られた。同劇場の支配人・矢川亮は「自主映画、小規模作品の上映を始めて20年近くになります。うまくいったことも、反省点もございますが、たくさんの方々にお力添えいただきまして当館を営業させていただいております。この場をお借りして改めて感謝を申し上げます」とスピーチする。
「侍タイムスリッパー」の監督を務めた安田淳一は「僕らの自主映画を、池袋シネマ・ロサさんという“夢へのゲート”のような場所でかけていただき、本当にありがとうございます。ロサさんの温かいお客様にご支援いただいたからこそ、いろいろな映画関係者の方々に見つけていただけたのかなと。今後も多くのお客様がインディーズ映画と触れ合える場所として、お力をお貸しいただけたら」と感謝を伝えた。
第34回日本映画プロフェッショナル大賞の受賞結果は下記の通り。
第34回日本映画プロフェッショナル大賞 受賞結果
ベストテン
1位「青春ジャック 止められるか、俺たちを2」
2位「ぼくのお日さま」
3位「ナミビアの砂漠」
4位「ぼくが生きてる、ふたつの世界」
5位「悪は存在しない」
6位「ゴールド・ボーイ」
7位「Cloud クラウド」
8位「違国日記」
9位「辰巳」
10位「カラオケ行こ!」「碁盤斬り」
※10位は2作品
作品賞
「青春ジャック 止められるか、俺たちを2」
主演女優賞
江口のりこ「愛に乱暴」
主演男優賞
遠藤雄弥「辰巳」
監督賞
呉美保「ぼくが生きてる、ふたつの世界」
井上淳一「青春ジャック 止められるか、俺たちを2」
新人監督賞
山中瑶子「ナミビアの砂漠」
新進女優賞
森田想「辰巳」
特別賞
池袋シネマ・ロサ
※「侍タイムスリッパー」の上映をはじめ、インディーズ映画への長年の貢献に対して