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「夏の砂の上」上海国際映画祭コンペ部門に選出 オダギリジョー、高石あかりら中国へ

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「夏の砂の上」新場面写真

オダギリジョー主演の映画「夏の砂の上」が、6月13日より中国・上海で開催される第27回上海国際映画祭のコンペティション部門に選出。ワールドプレミア上映されることがわかった。

本作は、幼い息子を亡くし喪失感を抱える主人公・小浦治とその姪・優子が、突然始まった同居生活をきっかけに少しずつ心を通わせていく物語。治をオダギリ、優子を高石あかり、治と別居中の妻・恵子を松たか子が演じ、優子の母で治の妹でもある阿佐子に満島ひかりが扮している。映画「美しい夏キリシマ」の脚本などでも知られる劇作家・演出家の松田正隆による戯曲をもとに、「そばかす」の玉田真也が監督を務めた。

上海国際映画祭には、共同プロデューサーも兼任したオダギリに加え、高石、玉田も参加する。玉田は「上海国際映画祭メインコンペティション部門に招待して頂き、たいへん光栄です。海外の観客に観ていただく場に立ち会うのはこれが初めてなので、とても楽しみにしています。文化を超えて伝わる人間の感情が映った映画になったと思っているので、早く観客の皆さんとこの作品を共有したいです」とコメントした。

「夏の砂の上」は、同映画祭のコンペティション部門で上映される唯一の日本作品。上海国際映画祭プログラマーの徐昊辰は本作について「かけがえのない家族を喪ったことで、まるで時が止まってしまったかのような空白の時間を、静謐なまなざしと繊細な映像美ですくい上げた作品です」と述べた。なお最優秀男優賞を受賞すると、「村の写真集」の藤竜也以来20年ぶりの獲得となる。授賞式は6月21日に実施。

「夏の砂の上」は7月4日に全国で公開される。森山直太朗、高橋文哉、篠原ゆき子、斉藤陽一郎、浅井浩介、花瀬琴音、光石研も共演した。

※高石あかりの高は、はしご高が正式表記

徐昊辰(上海国際映画祭プログラマー)コメント

本作は、かけがえのない家族を喪ったことで、まるで時が止まってしまったかのような空白の時間を、静謐なまなざしと繊細な映像美ですくい上げた作品です。長崎の変わらぬ町並み、記憶を抱えたような坂道、そして雨の降らない夏という設定が、登場人物たちの内面と静かに響き合いながら、観る者に深い余韻をもたらします。言葉少なに交わされる感情の揺らぎや、表情の奥に秘められた痛みと優しさが、俳優たちの抑制の効いた演技によって丁寧に表現され、物語にさらなる奥行きを与えています。静けさの中に潜む感情の機微をすくい取った本作が、このたび上海国際映画祭でワールドプレミアというかたちで初めて世界の観客と出会えることを、何よりも光栄に、そして心から嬉しく思っています。

©︎2025映画『夏の砂の上』製作委員会