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宮藤官九郎、染谷将太らが「くまをまつ」にコメント 初日舞台挨拶などイベントも開催

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「くまをまつ」場面写真

滝野弘仁が長編監督デビューを飾る映画「くまをまつ」より、脚本家の宮藤官九郎、俳優の染谷将太ら各界著名人のコメントが到着した。

滝野の出身地である石川県小松市を舞台とする本作は、脚本家のややこと8歳の少年タカシが体験する“土地の記憶と創作”が入り混じるひと夏の不思議な物語。ややこ役には「親密さ」「シミラー バット ディファレント」などで知られる平野鈴、タカシ役にはこれが映画初出演となる渋谷いる太がキャスティングされた。

「くまをまつ」を鑑賞した宮藤は「オリジナリティと既視感。潜在意識に擦り込まれていた映像を改めて観ているみたいだった。滝野監督はこういう繊細で美しい映画を撮る人なんだ」、染谷は「堂々としていて腰の座ったショットの連続が潔く、その視点から観る2人のある種の冒険が、観る者に栄養を与えてくれる」と絶賛。映画監督の横浜聡子、今泉力哉、甫木元空、劇作家の玉田真也、文筆家の西口想のコメントは下記にまとめた。

また本作の初日舞台挨拶が、東京・ポレポレ東中野で6月7日に開催されることが明らかに。13時50分の回の上映後には平野、渋谷、大場みなみ、内田周作、松浦りょう、滝野、20時30分の回の上映後には平野、大場、内田、竹内啓、滝野が登壇する。このほかポレポレ東中野では、6月13日まで連日にわたってゲストを迎えたトークイベントを実施。詳しくは公式サイトで確認を。

第37回東京国際映画祭NIPPON CINEMA NOW部門に正式出品された「くまをまつ」は、ポレポレ東中野ほか全国で順次ロードショー。

宮藤官九郎(脚本家)コメント

そんなにたくさんの映画を観てきたわけではないけど「くまをまつ」は他のどの映画にも似てない。
それなのに共感できるのは、幼少期の夏休みという、尊くムダな時間が過不足なく描かれているからだ。
大人の都合で与えられる受動的な自由時間。親戚の家の暗がりとか、そういえば怖かったもんなあ。夜中の物音とか。
オリジナリティと既視感。潜在意識に擦り込まれていた映像を改めて観ているみたいだった。
滝野監督はこういう繊細で美しい映画を撮る人なんだ。付き合い方を改めないといけないなと思った。

染谷将太(俳優)コメント

人の記憶は、感情と共にそこら辺に落っこちているのかもしれない。それに触れたり、拾ったりするのは、覚悟と体力がいることなのかもしれない。けどもその行為は、人に成長をもたらせてくれるのかもしれない。堂々としていて腰の座ったショットの連続が潔く、その視点から観る2人のある種の冒険が、観る者に栄養を与えてくれる。チャーリーさん素敵な映画をありがとう。

横浜聡子(映画監督)コメント

じっと「見る」ことで時空を超えた記憶に出会い、ひそやかに成長してゆくタカシと、おぼろげで曖昧な記憶を脚本に書き留めることで忘却の不安から逃れようとするややこの対比が面白い。
最後、ややこは書くことをやめ、タカシは目を閉じる。
書かずとも見ずとも、この夏の記憶はいつでも取り出せる“現在”となって彼らの中で生き続けるのかもしれない。

今泉力哉(映画監督)コメント

創作において。恋愛において。人間関係において。
相手が自分のためになにかしてくれることは当たり前じゃないんだと思う。
会えてしまうこと。会わない方がいいこと。会えない方がいいこと。
美しい声と景色を浴びながらいろんなことを考えました。

甫木元空(映画監督 / ミュージシャン)コメント

子供の頃誰もが迷い込んだであろう永遠に引き伸ばされた夏。
舞台は監督の故郷石川・小松市。国道から見える石切場。あの大きな穴に人々は吸い寄せられる。
あの闇に堆積した記憶の中で鳴り響く、貴方や私の物語。
くまは必ず待っている。
忘れられない夏がここにはある。

玉田真也(劇作家 / 映画監督)コメント

夢と現、創作上の妄想と現実の生々しい人間関係の葛藤、過去と現在、いくつもの線が同時に走って複雑でありながら腑に落ちる、観ている側の身体にしっかりと入ってくる物語は、たしかな構成力と演出力があってこそだと思います。主人公の少年の目を通した不思議な旅行がとても心地よかったです。

西口想(文筆家 / 労働団体職員)コメント

日めくりカレンダーをめくると、ある一日が始まって終わる。そのような、関係があるともないともいえない、一つのアクションとそれを受け止める世界との間にあるわからなさを静かな驚きをこめて描いた映画。記憶と創作をテーマとするこの作品で、加害者の居直りや忘却に都合のよいわからなさ、不確かさに陥らないところも良かった。

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