佐藤隆紀ソロコンサート――「すべての曲で感動を届けたい」

音楽

インタビュー

チケットぴあ

25/6/12(木) 12:00

左から大貫祐一郎、佐藤隆紀（撮影／石阪大輔）

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ヴォーカルグループ LE VELVETS（ルヴェルヴェッツ）のメンバーである佐藤隆紀が、7月5日(土) に「佐藤隆紀ソロコンサート 2025 ～Sugary Box～」を開催する。本公演ではピアニストの大貫祐一郎を迎えて、バンド演奏によるソロコンサートに初めて挑戦する。お互いの音楽性を信頼し合う佐藤と大貫は、写真撮影もインタビューでも息がぴったり。「お客様と一緒にワクワクしたい」という二人に公演への意気込みを聞いた。

チケットは即日完売！遊び心いっぱいのコンサート

昨年の佐藤隆紀の初ソロコンサートはオーケストラ演奏だった。今年は一転して、LE VELVETSの音楽監督も務めているピアニストの大貫祐一郎と共に「ずっとやってみたかった」というバンド演奏での公演だ。

佐藤　初のバンドでのソロコンサートは、やっぱり信頼している大貫さんに音楽監督として力を貸していただきたくて。お願いをしたら、快く引き受けてくださって。本当に心強いです。
大貫さんのようにクラシックからロックまで幅広く弾けるピアニストはなかなかいません。それに、大貫さんにアレンジしてもらった楽曲は、使われている楽器の数が倍になったんじゃないかと思うほど音の厚みを感じられるところがすごいんですよ。

大貫　シュガーさん（佐藤の愛称）はロックやポップスなどさまざまなジャンルの歌い方ができる人。もちろん声を張り上げるハイトーンボイスも素晴らしいのですが、やわらかく歌う時の声も格別です。僕はその発声方法を“やわらかシュガー”と呼んでいます。

大貫はコンサートについて、「シュガーさんはアイデアマンなので、お客様を楽しませようという遊び心がてんこもりになっている」と話す。公演ではミュージカルやクラシックを生かした楽曲をベースにしながら、“変化球の楽曲”も取り入れる予定だ。募集した恋愛エピソードに演奏を絡めたコーナーも企画しているという。

佐藤　僕はお客様を楽しませるのが大好きで、あれもこれもやりたくなってしまうんです。今回もいっぱい“遊び心”を入れたいと思っているので、楽しみにしていてください。

「グッとくる」を追求する

佐藤は自身の音楽性について「曲を深掘りしようとするエネルギーが強い」と話す。その探究心は想像以上にストイックで徹底している。

佐藤　僕はよくスタッフや知人に歌を聞いてもらって感想を聞くのですが、ただ「上手だね」と言われているうちはダメです。技術的に歌が上手いのと、感動させることはまったく別物ですから。その曲にどうアプローチすればいいのかじっくり考えて、何度も練習します。

最初はあまり反応が良くなかった人も、再び歌を聞いてもらうと「この前と同じ曲なのに、全然違う曲に聞こえる！」と驚いた顔をする。そんなときは心の中でガッツポーズを決める。

佐藤　1曲1曲を“グッとくる”クオリティに高めていく、その曲の世界観を掴むまでの過程が楽しくてしかたがありません。

そんな佐藤は歌手として活躍する一方、『レ・ミゼラブル』のジャン・バルジャン役、2026年には「ジキル＆ハイド」の主演が決まるなど、ミュージカル俳優としても波に乗る。「昔は大きなホールで歌いたい、有名になりたいと思っていた時期もあった」と言うが、いまは目指す方向が変わったと話す。

佐藤　LE VELVETSはデビューして17年が経ちました。活動は山あり谷ありで、決して順風満帆に進んできたとは言えません。本当に僕らの音楽が好きだと言ってくれるファンの方たちが離れずについてきてくださったお陰で、今も毎年ホールツアーでコンサートを開催できています。そんな皆さんに向き合いつづけ、一つひとつの公演で感動をお持ち帰りいただけることが、今の僕にとってのゴールです。

話を聞いていた大貫は、「シュガーさんはたくさんの人から愛されている。だから、みんなからもらった愛を返そうという気持ちを込めて歌っているんだね」と頷いた。

大貫はそんな佐藤のことを「誰よりも熱い男」だと評する。

大貫　シュガーさんは穏やかだけど、曲がったことが大嫌いな性格。音楽のことになるとつい熱くなっちゃって、最終的には僕が「まあまあ、落ち着いて」となだめることも……。