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ぴあ 総合TOP > ロック界のレジェンド・ギタリスト、マーティ・フリードマンがタンゴの巨匠、ピアソラに挑むスペシャルコンサート「Marty Friedman Plays Piazzolla And More Concert Hall 2025」

ロック界のレジェンド・ギタリスト、マーティ・フリードマンがタンゴの巨匠、ピアソラに挑むスペシャルコンサート「Marty Friedman Plays Piazzolla And More Concert Hall 2025」

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マーティ・フリードマン

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ロック界を代表するギタリスト、マーティ・フリードマンがアストル・ピアソラの楽曲を中心としたコンサート「Marty Friedman Plays Piazzolla And More Concert Hall 2025」を開催する。出演はマーティのほか、三浦一馬(バンドネオン)、曽根麻央(ピアノ)、さらに“ロックなクラシックギタリスト”猪居亜美も参加。ピアソラの音楽を敬愛し、影響を受けてきたというマーティに、今回の公演について聞いた。

――マーティさんが最初に聴いたピアソラの楽曲は、「アディオス・ノニーノ」だったそうですね。

マーティ・フリードマン はい。10数年前のことですけど、チェリストとして活動している僕の奥さんが、「アディオス・ノニーノ」が収録されているアルバムを聴いていて。あまりにも素晴らしくて、「この音楽は何ですか?」と聞いたら、「ピアソラですよ」と。僕はどんなジャンルの音楽も分け隔てなく聴いてきましたが、なぜかピアソラを知らなかったんです。こんなに好みの音楽を“発見”するのは非常に珍しいし、その後もピアソラの音楽を聴きまくって大ファンになりました。

――ピアソラは現代タンゴの可能性を切り開いた革新的な作曲家。マーティさんはどんなところに魅力を感じていますか?

マーティ 天才的音楽家なのはもちろん、常識に縛られず、アルゼンチンタンゴの世界に風穴を空けた反逆者でもあります。彼のタンゴへの解釈はそれまでの定石を激しく逸脱しているし、ジャズの考え方、現代音楽やポップスのセンスも取り入れながら、すごく斬新な音楽を作り上げた。僕にも同じようなところがあると思っています。ロックやヘビィメタルの人だと思われることも多いですが、僕の音楽には東南アジア、中国、中東、そして日本のテイストなどが入っているし、普通はフィットしないジャンルや地域性も混ぜている。そこはピアソラとの共通する部分かもしれません。

――人生も似てますよね。ピアソラはアルゼンチン生まれですが、フランスに移住して自らの音楽を広げた。マーティさんもアメリカから日本に来て、オリジナルの音楽性を作り上げているので。

マーティ いいこと言いますね!(笑) たぶん自分が生まれた国に居続けていては、追求できる音楽は限られてしまうでしょう。僕は日本に来て成長できたし、今も「僕が欲しい表現がどこかにあるはずだ」と探し続けています。そんな僕にとってピアソラを発見したことはとても大きい。メロディセンスがさらに深くなったし、ダークなところ、ロマンティックな切なさも加わって。特に僕の最新アルバム『ドラマ -軌跡-』はピアソラの影響がかなり出ていると思います。

――2015年にブエノスアイレスで行われた、ピアソラのトリビュート・コンサートに出演されています(ピアソラの孫ピピ・ピアソラを中心に、現代アルゼンチン・ジャズ・シーンのトップ・プレイヤーが集結するグループ、ESCALANDRUMのステージにゲスト参加)。

マーティ 自分のバンドのツアーでアルゼンチンを訪れたとき、たまたま「ピアソラさんのお孫さん(ピピ・ピアソラ)のバンドと一緒にやりませんか?」というお話をいただいて。僕はピアソラを発見したばかりだったし、アルゼンチンの人たちの前で、ピアソラの家族の方と演奏できるんだから、これは躊躇している場合ではないと。アルゼンチンの人たちにとって神様のようなピアソラを、アメリカ人が演奏する。「何様ですか?」と思われてはいけないので、できる限り心と腕の準備をして臨みました。あの日のライブは本当に魔法のようだったし、それをぜひ日本でも実現したいと思っています。

――ピアソラの楽曲を中心にした8月のコンサート「Marty Friedman Plays Piazzolla And More Concert Hall 2025」では、三浦一馬さん(バンドネオン)、曽根麻央さん(ピアノ)と共演。昨年も、マーティさん、三浦さん、曽根さんのトリオでライブを行いましたが、マーティさんにとって彼らはどんなミュージシャンですか?

マーティ お二人ともあまりにも素晴らしすぎますね。三浦さんは“ピアソラ命”の人だと思っていて。バンドネオンは演奏するのが非常に難しい楽器ですが、彼は世界レベルの音楽家だし、彼の存在を知ったとき、すぐに「ぜひ一緒に演奏してほしい」とお願いしました。ピアソラの楽曲をテーマにしたコンサートができるのはすべて彼のおかげだし、幸せです。曽根さんはジャズのプレイヤーとして知られていますが、ラテンのこともよく知っているし、切ないメロディのセンスが素晴らしくて。去年のライブで「アディオス・ノニーニ」をやったときの曽根さんのオーバーチュアは本当にすごくて、僕はライブをやっていることを忘れ、彼の演奏にのめり込んでしまいました。

――そして、ゲストミュージシャンとして、クラシックギタリストの猪居亜美さんも参加します。

マーティ 猪居さんとは何度も一緒に演奏したことがありますが、世界トップクラスのガット弦ギタリストでありながら、ロック命の人なんです。クラシックの演奏者のなかにはロックを評価しない方もいますが、彼女はまったく違う。僕にとっては得難いミュージシャンの一人です。

――マーティさん、三浦さん、曽根さん、猪居さんによるピアソラの演奏、本当に楽しみです。

マーティ 僕もとても期待しています。これだけの演奏者がピアソラの魅力に迫るというひとつの目標のもと集まるので、それぞれの表現力がさらに向上し、最終的にピアソラへのフレッシュなアプローチや解釈が生まれると思っています。ピアソラの音楽はいろいろな解釈で演奏されていますが、エレキギターがメインのソリストを中心とした演奏は、これまでほとんどなかったはず。僕にとっても冒険ですが、その心のまま、ピアソラ音楽の無限の可能性をコンサートでお届けします。

取材・文/森朋之

<公演情報>
Marty Friedman Plays PiazzoLla And More Concert HalL 2025

【大阪公演】
日程:2025年8月22日(金)
会場:あいおいニッセイ同和損保ザ・フェニックスホール

【東京公演】
日程:2025年9月5日(金)
会場:王子ホール(銀座)

チケット情報:
https://w.pia.jp/t/marty2025/

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