日本フィル 第772回東京定期演奏会 七夕の季節にはやっぱりこの曲
クラシック
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日本フィルハーモニー交響楽団のフレンド・オブ・JPO(芸術顧問)広上淳一が指揮する恒例の7月定期は、この季節の風物詩「七夕」を意識した星々を巡る旅がテーマとなる。
20世紀を代表する管弦楽作品であるホルスト(1874-1934)の組曲『惑星』は、太陽系の惑星をギリシャ神話の神々に準えて書かれた占星術にも通じる壮大な作品だ。現代オーケストラの持つ華麗なパレットを縦横無尽に使いこなしたこの作品の中でも、「火星(マーキュリー)」や「木星(ジュピター)」は極めて有名な名旋律だ。ロケットの発射シーンを思わせる勇壮な「火星」に対し、平原綾香の『ジュピター』を筆頭に、ジャンルを超えて様々な編曲によって親しまれてきた「木星」の壮大な音楽は、クラシック初心者も楽しめる作品の筆頭だ。
そしてコンサートの前半には、日本を代表する作曲家佐藤聰明(1947-)の「バス・クラリネット協奏曲」の世界初演が行われる。名手フランス・ムソーが奏でるバス・クラリネットの音色を生かした、静謐で、時に能楽を想わせる摩訶不思議なイメージのその音楽と、後半の『惑星』とのコントラストに興味津々。この季節ならではのひとときがここにある。
日本フィルハーモニー交響楽団
第772回東京定期演奏会
■チケット情報
https://t.pia.jp/pia/event/event.do?eventBundleCd=b2559978
7月11日 (金) 19:00 開演
7月12日 (土) 14:00 開演
サントリーホール
指揮:広上 淳一[フレンド・オブ・JPO(芸術顧問)]
バス・クラリネット:フランス・ムソー
女声合唱:東京音楽大学
●広上 淳一(指揮)
東京生まれ。尾高惇忠にピアノと作曲を師事。東京音楽大学指揮科卒業。1984年、26歳で「第1回キリル・コンドラシン国際青年指揮者コンクール」に優勝。以来、フランス国立管、ベルリン放送響、コンセルトヘボウ管、モントリオール響、イスラエル・フィル、ロンドン響、ウィーン響などメジャー・オーケストラへの客演を展開。これまでノールショピング響、リンブルク響、ロイヤル・リヴァプール・フィルのポストを歴任、このうちノールショピング響とは94年に来日公演を実現、さらに米国ではコロンバス響音楽監督を務めヨーヨー・マ、五嶋みどりをはじめ素晴らしいソリストたちとともに数々の名演を残した。
近年では、ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管、ミラノ・ジュゼッペ・ヴェルディ響、スイス・イタリア管、モンテカルロ・フィル、バルセロナ響、ビルバオ響、ポーランド国立放送響、スロヴェニア・フィル、サンクトペテルブルク・フィル、チャイコフスキー・シンフォニー・オーケストラ、ラトビア国立響、ボルティモア響、シンシナティ響、ヴァンクーヴァー響、サンパウロ響、ニュージーランド響等へ客演。国内では全国各地のオーケストラはもとより、サイトウ・キネン・オーケストラ、水戸室内管弦楽団にもたびたび招かれ絶賛を博している。 オペラ指揮の分野でもシドニー歌劇場デビューにおけるヴェルディ《仮面舞踏会》、《リゴレット》が高く評価されたのを皮切りに、グルック、モーツァルトからプッチーニ、さらにオスバルト・ゴリホフ《アイナダマール》の日本初演まで幅広いレパートリーで数々のプロダクションを成功に導いている。
2008年4月より京都市交響楽団常任指揮者を経て2014年4月より常任指揮者兼ミュージック・アドヴァイザー、常任指揮者として13シーズン目の2020年4月より2022年3月まで京都市交響楽団第13代常任指揮者兼芸術顧問を務めた。2015年には同団とともにサントリー音楽賞を受賞。現在はオーケストラ・アンサンブル金沢アーティスティック・リーダー、日本フィルハーモニー交響楽団 フレンド・オブ・JPO(芸術顧問)、札幌交響楽団友情指揮者、京都市交響楽団 広上淳一。2025年よりマレーシア・フィルハーモニー管弦楽団音楽監督に就任。また、東京音楽大学指揮科教授として教育活動にも情熱を注いでいる。
2024年第75回芸術選奨文部科学大臣賞受賞。
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