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「木の上の軍隊」堤真一と山田裕貴が語る、沖縄のガマやガジュマルの木での撮影

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「木の上の軍隊」メイキング写真より、左から山田裕貴、監督の平一紘

沖縄戦を題材にした映画「木の上の軍隊」のメイキング写真が解禁。ダブル主演を務めた堤真一と山田裕貴が、沖縄でのガマ(自然洞窟)やガジュマルの木での撮影を振り返るコメントも到着した。

井上ひさし原案の舞台を映画化した本作は、太平洋戦争で熾烈な地上戦が繰り広げられた沖縄・伊江島を舞台に、終戦を知らないまま2年間を木の上で生きた2人の日本兵を描いた物語。宮崎から派兵された厳格な少尉・山下一雄を堤、沖縄出身の新兵・安慶名(あげな)セイジュンを山田が演じた。

1953年に公開された「ひめゆりの塔」以来数多く制作されてきた、沖縄戦を描いた映画。「木の上の軍隊」はこれまでなかったという、沖縄出身・在住の監督と沖縄のプロダクションが主導した沖縄戦の映画となる。

監督の平一紘が「この映画を通じて、沖縄にはとても優秀な映画制作スタッフがいることを全国に伝えたい」と語る通り、現場を支える撮影、録音、美術などのスタッフたちは沖縄の制作陣が中心に。出演者にも津波竜斗、玉代勢圭司、尚玄、岸本尚泰、城間やよい、川田広樹(ガレッジセール)ら沖縄出身の俳優が多く名を連ねた。

映画は全編にわたって沖縄でのロケが行われ、沖縄戦を象徴するガマでの撮影も行われた。ガマは戦時中、住民や兵士たちの避難場所、陣地、弾薬庫として使われ、一部では「集団自決」という悲劇も起きた場所だ。

安慶名が逃げ込むガマとして登場するのが、沖縄本島にある「クラシンジョウ ガマ」。この場所での撮影はキャストやスタッフにとって特別な体験となったそうで、山田も「とても印象に残っています。当時、たくさんの方々がここに隠れていたんだと思うと、歴史の重みを感じました」と振り返る。

重要な舞台となるガジュマルの木は、伊江島のミースィ公園に、美術部や現地の造園業者の協力のもと数カ月かけて移植された。ミースィ公園にもともとあったガジュマルにもう1つのガジュマルを移植し、2本の木を根付かせることで樹上に大きなスペースのある大木を完成させたという。

堤は「この木は、自分たちを守ってくれる、もう1人の登場人物のように感じた」と語り、山田も「役とシンクロしていくうちに、一番安心できる場所になっていた」とその存在感を明かす。

樹上に隠れる2人は周囲から見えないことが重要なため、樹上での撮影は困難を極めたそう。下からも横からも見えない主人公2人の姿を撮影するため、抜き差しできる可動式の枝を使用することで難題を解決。キャストの寄りの画を撮るときはその枝を抜き、クレーンでカメラが入れるように工夫した。

堤は「スタッフの皆さんは大変そうでした。6、7人くらいのスタッフが木に登って撮影していたんです。僕は安定した場所にいるからまだしも、スタッフはいろんなアングルから撮らないといけないから、細い木の枝の上も移動していました」と振り返っている。

なお本作のモデルとなった山口静雄氏と佐次田秀順氏が80年前に実際に登っていたガジュマルの木「ニーバンガズィマール」は、ミースィ公園のほど近い場所に現存している。

「木の上の軍隊」は6月13日に沖縄で先行公開。7月25日より東京・新宿ピカデリーほか全国で公開される。

※玉代勢圭司の勢は異体字が正式表記

©︎2025「木の上の軍隊」製作委員会