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妻夫木聡「宝島」沖縄プレミアで涙、観客340名に“宣伝アンバサダー”名刺手渡し

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「宝島」沖縄プレミア試写会の様子。左から広瀬すず、妻夫木聡、大友啓史

映画「宝島」の沖縄プレミア試写会が6月7日に沖縄・シネマQで行われ、キャストの妻夫木聡、広瀬すず、監督の大友啓史が登壇した。

真藤順丈の同名小説をもとにした同作は、アメリカ統治下にあった戦後の沖縄を舞台に、米軍基地から奪った物資を住民らに分け与える“戦果アギヤー”と呼ばれた若者たちの物語。妻夫木が過渡期を全力で生きたグスク、広瀬が幼なじみのヤマコを演じた。

妻夫木は沖縄の人々を前に「感無量です。2度の延期を乗り越えて、戦後80年という節目に公開されることになったのは、もしかしたら、時間を掛けて練り上げる時間を神様がくださったのではないかと思う」と胸がいっぱいの様子を見せる。当時の沖縄を再現することに苦労したという大友は、「コザ暴動はあまり映像などが残っておらず、うちなんちゅの方々によって語り継がれた情報をもとに想像力を駆使した」と回想した。

広瀬は撮影前に沖縄を訪れたそうで「肌の感覚が変わり、血が騒ぐ感じがし、今の時代に生きている自分たちがどういうふうに受け止めるべきなのか?と考えさせられた」と述懐。妻夫木は佐喜眞美術館で「沖縄戦の図」を見たことを思い返し、涙で言葉を詰まらせつつ「自分が大好きな沖縄だから、ないがしろにしたくない。どこか見て見ぬふりをしていた自分がいたんじゃないか」と口にする。大友はそんな彼を見やり「何も情報を知らない人が映画の中に入って、登場人物たちと一緒に追体験をしてほしいと思ったときに、やっぱり、今の妻夫木くんのような感性が必要だった。本当にありがとうね」と感謝を伝えた。

最後に広瀬は「少しでも皆様の希望になる作品になったらいいなと思います。この映画がとても大きな輪になることを願っております」と語りかけ、妻夫木は「今を生きる僕たちは、未来を生きる子供たちのために何を託せるのかを、今一度考えるときなのかなと思っています。今こそ手と手を取り合ってともに歩む、そういう力を持った映画になったと思っています」と言葉に力を込める。そして大友は「宝の島と言われているその“宝”とは何だったのか?ということを1人ひとりが考えるきっかけになるんじゃないかと思ってます。沖縄の皆さんにまずハンコを押していただき、堂々ともっと多くの人にこのスピリットを届けたい」と力強く語った。

なお上映後には、本作の“宣伝アンバサダー”である妻夫木が来場した340名全員に名刺を自ら手渡しするサプライズイベントも実施。彼は「映画を観たお客様としっかりと向き合い、時間を共有できたことはとても貴重な体験だった。この思いを持ち、全国キャラバンに向かいたい」と今後の宣伝への意欲をのぞかせた。

「宝島」は9月19日より全国ロードショー。

©真藤順丈/講談社 ©2025「宝島」製作委員会