「ミッシング」森優作と「まる」綾野剛が批評家大賞の助演男優賞に、役への思い語る

第34回日本映画批評家大賞の授賞式が本日6月9日に東京・東京国際フォーラムで行われ、助演男優賞を受賞した「ミッシング」の森優作が登壇。同賞を受賞した「まる」の綾野剛はビデオメッセージを寄せた。

現役の映画批評家たちが映画人に贈る賞として、1991年に設立された日本映画批評家大賞。今回は2024年公開の日本映画作品の中から16賞・18組に授与された。

吉田恵輔監督・石原さとみ主演作「ミッシング」では、ある日突然いなくなった幼い娘を探す母親・沙織里が、マスコミやSNSの誹謗中傷に翻弄されていくさまが描かれる。森は沙織里の弟・土居圭吾を演じた。ミステリアスな役どころだったが、森は「この作品で自分が演じた役は、いろいろな思いを抱えたまま、それをうまく外に出せないタイプ。何を考えているのかわからなかったり、どこか変わった部分があるような人に思われる人間です。でも自分は、今日もどこかですれ違っている人の背中に、彼が重なる部分があるんじゃないかと感じていて。それは、ときに自分自身の背中でもあって。こういった形で光を与えてもらえるのは、ひとつの希望だなとうれしく思います」と真摯に語る。

荻上直子監督・堂本剛主演作「まる」は、事故による腕のけがで職を失った主人公・沢田の日常が◯（まる）に浸食されていく物語。堂本扮する沢田の隣人であり売れないマンガ家の横山を演じた綾野は撮影のため授賞式を欠席したが、VTRを通じて「横山は、自分の才能や、あらゆることに苦しみもがきながらも、なんとか生きていこうとしているキャラクターです。何かしら豊かな未来があったら良いなと思っている横山に、このような賞をいただけて感謝しています」と受賞の喜びを伝えた。

また会場では「まる」のプロデューサー・山田雅子が綾野の代理でトロフィーを受け取り、「綾野さんの作品への“寄り添い力”を感じました。横山って、台本ではとてもろくでなしなんです。でも綾野さんが演じてくださったことで、チャーミングな存在になったと思います」と改めて太鼓判を押した。

なお映画ナタリーでは、授賞式の模様を引き続きレポートする。

※吉田恵輔の吉はつちよしが正式表記