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藤原紀香「心のつながり再認識」 舞台『サザエさん』3年ぶり上演は、新キャストが個性発揮

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(左から)草川直弥、平尾帆夏、松﨑光、藤原紀香、葛山信吾、松平健、高橋惠子、酒井敏也

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昨年、放送55周年を迎えた国民的アニメを舞台化した舞台『サザエさん』(脚本・演出:田村孝裕)が、2025年6月5日に東京・明治座にて初日を迎えた。2019年、2022年公演も好評を博した本作は、長谷川町子原作のアニメから10年後の磯野家を舞台に、少しずつ変化のあった一家の日常を描き、大きな話題を集めた。

今回は2019年の初演版を、約6年ぶりに再演。サザエを演じる藤原紀香をはじめ、出世して多忙になったマスオ役の葛山信吾、子供たちの心配をしているフネを演じる高橋惠子、定年退職した波平役の松平健と、豪華なメインキャストが続投し、観客に笑いと涙を届ける。

上演に先立ち、取材に応じた藤原は「初演版に戻るんですけど、同じ脚本を読んでも、当時(2019年)とは全然感じ方が違う。コロナ禍を経験し、人と人の距離感が変わったことで、心のつながりをもう一度脚本から再認識したのだと思う」と、再演への思いを語る。一方、変わらぬ魅力は「登場人物がみんな、誰かを思い、誰かのためにエネルギーを使っているところ」だとアピールした。

今回、サザエさん一家の子どもたちはキャストを一新。大学生になったカツオにはONE N’ONLYの草川直弥、佐藤友祐のWキャスト、専門学校に通うワカメには日向坂46の平尾帆夏、中学生になったタラオにはwink first/TRAINEEの藤代翔真、松﨑光のWキャストとフレッシュな顔ぶれが揃った。

藤原は「演出の田村先生がWキャストの個性を生かしてくれるので、お芝居をしていて面白い」と声を弾ませ、マスオを演じる葛山も「新しいキャストの皆さんが、それぞれ個性的で違いがあるので、大変面白いです。稽古ではパワーをいただきましたし、できれば、いろんな出演者の組み合わせを見ていただければ」と、期待を寄せた。

報道陣に公開されたゲネプロでは、藤原と葛山の言葉通り、新キャストの個性が早くも発揮されていた。第1幕「10年後のサザエさん」では、大学生のカツオ(早川)が、アルバイトに精を出す日常、ワカメ(平尾)が夢に向かって服飾学校に通う姿が生き生きと描かれ、国民的キャラクターの“成長”に思わずしみじみ。ふたりの日常が充実する分、家族との距離も広がってしまい、険悪な空気が流れると「磯野家、ピンチか?」と思わず心配になってしまう。

カツオを演じる早川は、「本当に稽古の毎日が楽しみで、皆さんとも家族になったような、和気あいあいの現場。僕なりのカツオを演じられたらと思いますし、家族の大切さを感じてもらえれば、何よりうれしいです」と意欲を燃やす。同じくカツオ役の佐藤は「皆さんと稽古をしながら、たくさん勉強させていただき、元気もいただいている。恐れ多いんですが、サザエさんファミリーになったんだなと。10年後のカツオって、一体何者なのか、(早川と)切磋琢磨しながら演じたい」と、こちらも意気込みは負けていない。

ワカメ役は2019年が秋元真夏(乃木坂46)と齊藤京子(日向坂46)のWキャスト、2022年は本間日陽(NGT48)が勤めており、今回、ワカメを演じる平尾は「坂道グループ、48グループの先輩から受け継ぐので、とても光栄」と声を弾ませ、「稽古に行くときは、日向坂のメンバーから『頑張って』とエールをもらい、稽古場からライブに向かうときは、出演者の皆さんがパワーをくださった」と、感謝を伝えていた。

第2幕「タマがいなくなった」では、学ラン姿のタラオが大活躍。父・マスオの体調不良の原因を調べたり、それを知って慌てる母・サザエを落ち着かせようとしたり、家族思いな一面を見せている。ゲネプロでタラオを演じた松﨑は、藤原相手に一歩も引かない熱演で、客席の笑いを誘った。

その松﨑は、本作が初舞台となり「緊張することもたくさんあったんですけど、スタッフと共演者の皆さんにサポートしていただき、ここまで来ることができました。楽しく努力して、自分の努力を見せることができてうれしい」とフレッシュな第一声。Wキャストの藤代も、「初舞台で緊張していますが、自分なりに日々努力しているので、温かい目で見てもらえれば」と、ファンにメッセージを送った。

もちろん、初演から舞台『サザエさん』を支えるベテラン勢の存在感も健在だ。フネ役の高橋は「割烹着を着て、家庭を守る主婦の役は、最近ほとんどない。令和という時代に、昭和の家族を演じられるのはうれしい」と喜びを噛みしめ、「このメンバーに出会えた幸せを感じますし、温かなものを感じて、家族との絆を思っていただければ」と話していた。

「バカモン!」の台詞でおなじみの波平を演じる松平は、「子どもの成長や別れといった人間模様の喜怒哀楽に、笑ったり泣いたりしていただければ。きっと楽しんでいただける作品になっている」と貫禄のアピール。大きな鈴がトレードマークのタマは2019年、2022年に引き続き、酒井敏也が演じており「再演なので、稽古は短めだと思ったら、みっちりでした(笑)。爪痕をくっきり残します!」と強い決意。3本立ての物語を締めくくる第3幕「磯野家の団欒」では、行方不明になったタマが、磯野家の一家団欒を取り戻す大きなきっかけにもなっているので、ぜひ注目したい。

取材・文/内田 涼

<公演情報>
舞台『サザエさん』

[原作]長谷川町子
[脚本・演出]田村孝裕

[出演]
藤原紀香、葛山信吾
草川直弥(ONE N’ONLY/Wキャスト)、佐藤友祐(Wキャスト)、平尾帆夏(日向坂46)、藤代翔真(wink first/TRAINEE/Wキャスト)、松﨑光(wink first/TRAINEE/Wキャスト)、酒井敏也
高橋惠子 松平健 ほか

【東京公演】
日程:2025年6月5日(木)~6月17日(火)
会場:明治座

【大阪公演】
日程:2025年7月5日(土)~7月8日(火)
会場:新歌舞伎座

チケット情報:
https://w.pia.jp/t/sazaesan-stage2025/

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