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『滑落、我ら第八食産登山部』福岡発“演劇を愛し続けた実力派演劇人による演劇”が誕生

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テレビ・ラジオでも活躍する劇団ショーマンシップの座長兼、甘棠館)Show劇場(かんとうかんしょうげきじょう)の代表・仲谷一志が、「演劇を演劇人で創る」をコンセプトに企画・制作する、甘棠館Show劇場プロデュース2025『滑落、我ら大八食産登山部』。

北九州の演劇文化を牽引してきた「飛ぶ劇場」の泊篤志が脚本を書き下ろし、福岡から全国に向けて作品を発信し続ける万能グローブガラパゴスダイナモスの川口大樹が演出を担当。出演するのは福岡で演劇に軸足を置いて活動してきた、“40歳以上又はキャリア15年以上”の実力派俳優たちだ。福岡の“演劇人の手によるTHE演劇”と呼ぶにふさわしい本作の見どころを、5月に行なわれた記者発表の模様を交えてご紹介。

記者発表が行われたのは、唐人町商店街の中にあるキャパ80席ほどの小劇場、甘棠館Show劇場。今年開館25周年を迎える。作品にちなみ、ステージの中央には大きなテント。作・演出のスタッフ・出演者一同も登山者ルックで登場した。

「最近は、お笑いライブや、タレント、モデル、芸人が出演するプロダクション主導の公演が増え、当館のスケジュールも年内の週末はすべて埋まっている状況です。劇場としては嬉しい反面、劇団畑で育ってきた演劇人としてどこか寂しい思いもありました」と司会の仲谷が企画のきっかけを説明。昨年(2024年)3月、小倉で泊と飲みながら話をし、その翌日には、「公演をやるから」と川口にLINEしたそう。

作・泊篤志、演出・川口大樹は、仲谷が「ふたりとも本当に大好き」とその才能をリスペクトする演劇人。新作でのコラボは初めてということで、作風の異なるふたりがどういう化学反応を起こすかも楽しみ顔合わせだ。

「仲谷さんから『40歳以上のキャストでやりたい』と言われ、40歳が自分にとってもいろいろな転機になったこと思い出しました。母親が亡くなったのが、僕が39歳のとき。40歳を過ぎて、健康診断の数値が乱れ始めたのを機に、『何か体にいいことを』と山登りを始めました。そんな実体験も重ねながら、山登りをするオーバーフォーティの登場人物たちが、それぞれに抱える内面 の“モヤモヤ”を描けないかと、台本を書き始めました」。と脚本の泊。ストーリーは、健康づくりを目的に40歳以上で構成された大八食産株式会社の登山部が、息も絶え絶えに登頂した喜びもつかの間、季節外れの爆弾低気圧に見舞われ、そこに居合わせた夫婦、カップル、謎のおばあさんとともに、山小屋に閉じ込められてしまうという内容。寒さや空腹で意識もうろうとするなか、メンバーの妄想や過去が去来して大混乱を巻き起こす…という山岳悲喜劇だ。

「川口くんは基礎がしっかりしていて、群像劇も上手。今回は10人の登場人物全員がほぼ出ずっぱりの会話劇なので、川口くんがどうまとめてくれるか期待しています」と泊。一方、演出の川口は「人の内面にある、ざらっとしたダークな部分を織り込んだ泊の作品にはいつも刺激を受けている」と語る。今年20周年を迎えるガラパだが、川口が初めて長編の脚本を書き演出したのが甘棠館なのだとか。

「20年演劇をやってきて、こんなに年上ばかりの現場は初めて(笑)。経験豊富で芝居が上手な役者さんたちばかりなので、僕の役割は出演者の健康管理と、『セリフが覚えられない』という人のための上手なカンペの仕込み方を提案するくらいかもしれません(笑)。何もしなくても、勝手に面白くなりそうですが、僕としては皆さんの懐からどれだけのものを引き出せるか。このメンバーと一緒にやれることを存分に楽しみながら、演出したいと思っています」。(川口)

気になる出演者は、パブリックチャンネル・鶴賀皇史朗、元・劇団道化の緒方裕子、万能グローブガラパゴスダイナモス・椎木樹人、仲谷とはテアトルハカタ時代の先輩後輩である小渕友加里、imagina-l・山下晶、ギンギラ太陽’sでもおなじみ上田裕子、グレコローマンスタイル・岡本ヒロミツ、劇団ショーマンシップの原岡梨絵子と東沙耶香、そして飛ぶ劇場・寺田剛史。全員、仲谷が「一緒に仕事をしてみたいと思った」役者にひとりずつ声をかけていったそう。

音楽は、博多出身の3人組バンドTHE LOVEのヴォーカル、平義隆が担当。記者発表の最後には、平が書き下ろし、THE LOVEとしてリリース予定の主題歌「セツなハイボール」も披露された。

「本作のようなプロデュース作品を通して、『甘棠館』=良質な芝居を観られる小劇場というブランディングを行ない、当館で公演を行なった福岡の演劇人が全国的にも注目されるきっかけになれば」と語る仲谷の言葉どおり、泊脚本と川口演出から生まれる人間喜劇は、笑って泣ける傑作になりそうな予感大。福岡屈指の実力派俳優が結集して放つ舞台で、小劇場ならではの臨場感と、福岡演劇人の“本気”をたっぷり体感してみては。

甘棠館Show劇場プロデュース2025
滑落、我ら第八食産登山部

■チケット情報
https://t.pia.jp/pia/event/event.do?eventBundleCd=b2559048

8月27日(水)~31日(日)
甘棠館Show劇場

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