昨年、岩手山を望むツガワ未来館アピオ 岩手産業文化センター野外特設会場でスタートした、『CHAGU CHAGU ROCK FESTIVAL』が今年2度目の開催を迎えた。開局55周年を迎えたテレビ岩手が主催し、“岩手に音を、活気を、熱を。”と掲げ、岩手が世界に誇る伝統行事チャグチャグ馬コのように長く愛されるイベント、文化を創り上げていきたいと立ち上げたフェスであり、今年こうして歴史を刻むことができた意義はとても大きい。岩手初のロックフェスとして、観客はたくさんの新たな音楽と出会う2日間だ。今年は2日間で17組のアーティストが登場するほか、フェスの名の由来にもなったチャグチャグ馬コが会場ゲートで観客を出迎え、地元の民謡もステージを彩る。1日目となった6月7日は『令和6年度民謡民舞全国大会』の最高部門・内閣総理大臣賞を受賞した雫石郷土芸能伝承活動細川会がその音色を響かせた。岩手県での今年いちばんの暑さを記録した1日目だったが、どこよりも熱いスポットがここ『CHAGU CHAGU ROCK FESTIVAL』となった。
昨年、新体制となったGENERATIONSが生バンドを率いて登場。意外だが岩手県でのライブはこれが初。その記念すべきステージに、GENERATIONSのライブの旨みを凝縮した最強のセットリストで臨んだ。「最高の思い出を作っていきましょう」と新体制でバージョンアップした「Evergreen 2.0」でライブを幕開けると、序盤からフルスロットルで「Diamonds」や「Hard Knock Days」等、GENERATIONSのライブを形作ってきたアンセムを連投する。それぞれの個性を持ったボーカルとダイナミックな身体表現で曲を鮮やかにするパフォーマーとの掛け算で、全方位で楽しませるステージに、観客の興奮は上昇一方だ。現在各メンバーのプロデュースによる曲を連続配信しているが、その第5弾「Magic Hour」(佐野玲於プロデュース)を初披露するスペシャル感でも、会場内の歓喜のボルテージを上げる。さらにラストのスカパンク・チューン「Now or NEVER」では元気なライブキッズをステージに上げてメンバーと肩を組み歌い、騒ぐパンクバンドのようなステージに。近年、フェス出演でファンの裾野を広げているGENERATIONS。初の岩手でのライブで、がっちりと観客のハートを掴んだ。
18:00~ 倖田來未
倖田來未
序盤の「キューティーハニー」から早くも髪を乱しメガネを吹っ飛ばす激しいパフォーマンスで、会場を歓喜と興奮で包んでいったのは倖田來未。岩手でのライブは8年ぶりだという。ダンサーと揃いの超ミニマムな衣装について「刺激が強いんじゃないかと協議があったんですけど。42歳、ほっぽり出してきました」とお茶目に語ったかと思うと、「Butterfly」、「WIND」また「Someday」といったヒット曲を最新形のライブナンバーとして魅せる。25周年イヤーを迎えなおストイックに進化を続け、キレッキレのパフォーマンスとパワフルなボーカル(と、キャッチーなトーク)に、いつの間にか観客たちも踊っている。「WON’T BE LONG」等カバー曲で盛り上げたほか、「Poppin’ love cocktail」では観客とともにぐるぐるとタオルを振り、ラストは昨年リリースしたテンション爆アゲのダンスナンバー「Vroom」でライブの総仕上げ。ど迫力のダンスで会場内の興奮をマックスにしたところで、「飛べ!」と観客を一斉にジャンプさせていく。全員を昇天させるようなエンドレスのジャンプに、観客は汗だくになりながらも笑顔だ。「また会おうね。岩手、帰ってくるからね」という言葉に大きな歓声が巻き起こった。
19:00~ 氣志團
氣志團
灼熱の日中から一転、夕暮れとともに涼しさを増していった『CHAGU CHAGU ROCK FESTIVAL 2025』。その美しい光景にダイナミックなドラムビートが響き、さらに豪快にアクセルをふかしながら、真っ赤な単車にまたがった綾小路翔がステージに乗り込んでくる──氣志團の登場だ。まずはサポートドラム・叶 亜樹良と音でタイマンを張るようにビートとアクセル音をぶつけ合い、メンバー登場とともに「喧嘩上等」のアンサンブルを轟かせる。トリにふさわしいド派手で、ドラマティックなはじまりに観客が沸いて、続くアンセム「房総魂」では会場にシンガロングが広がり、「スウィンギン・ニッポン」や「萌え萌えROCK’N’ROLL」でメンバーとともに踊る。卓越したプレイと、初見でも楽しめる遊び心とショーマンシップに則ったライブは、まさに氣志團の真骨頂。いつにも増して力が入っているようにも見えるのは、綾小路翔曰くどうしても出たいフェスだったからだという。氣志團の地元といえば曲にもあるように房総だが、綾小路翔の両親は岩手県遠野市の出身。幼い頃から夏休みを岩手で過ごし、初めてライブハウスに行ったのも盛岡だった。ツアーでなかなか来られなかったこのゆかりの地に、フェスのトリとして立つエモさにトークが止まらない状態だったが、その思いを曲に乗せて「落陽」をじっくりと歌い上げた。お馴染みの「One Night Carnival」から、みんなで踊ろう!とドラム以外のメンバーも楽器を置いて、某パークのキャラクターたちのようにダンスする「One Night Jamboree」で『CHAGU CHAGU ROCK FESTIVAL 2025』の1日目を、楽しく、明るく締めくくった。さらにこの日は、普段のツアーではやらないアンコールにも応え、「MY WAY」「ゆかいな仲間たち」を第二の故郷にプレゼントした。
■BALLISTIK BOYZ from EXILE TRIBE
M1.We never die
M2.テンハネ -1000%-
M3.Meant to be feat. F.HERO & BOOM BOOM CASH
M4.ラストダンスに BYE BYE
M5.Animal
M6.360°
M7.SUMMER HYPE
M8.SAY IT
M9.PASION
■Rei
M1.Lonely Dance Club
M2.JUMP
M3.COCOA
M4.QUILT
M5.Heaven
M6.What Do You Want?
M7.BLACK BANANA
■GENERATIONS from EXILE TRIBE
M1.Evergreen 2.0
M2.Two Steps Back
M3.Diamonds
M4.Hard Knock Days
M5.Magic Hour
M6.SUMMER TIME LOVE
M7.AGEHA
M8.Y.M.C.A.
M9.Now or NEVER
■倖田來未
M1.BE MY BABY
M2.キューティーハニー
M3.Butterfly
M4.WIND
M5.someday
M6.愛のうた
M7.WON'T BE LONG
M8.め組のひと
M9.Poppin' love cocktail
M10.Vroom
■氣志團
M1.Drum Solo ~ Axel Call
M2.喧嘩上等
M3.房総魂
M4.スウィンギン・ニッポン
M5.萌え萌えROCK'N'ROLL
M6.汚れなきクソ野郎ども
M7.落陽
M8.One Night Carnival
M9.One Night Jamboree
EN1.MY WAY
EN2.ゆかいな仲間たち