Download on the App Store ANDROID APP ON Google Play
Download on the App Store ANDROID APP ON Google Play
ぴあ 総合TOP > ぴあ映画 > 実は“映画ファン必見作” 映画を愛し、音楽を愛するひとへ。 映画『366日』配信開始記念特集

実は“映画ファン必見作” 映画を愛し、音楽を愛するひとへ。
映画『366日』配信開始記念特集

今年1月に公開され、大ヒットを記録した映画『366日』のデジタル配信が始まり、ブルーレイとDVDも発売になっている。本作は男女の20年にわたる恋愛を描いた感動作で、作品の随所に映画ファンを唸らせる展開や表現が光る。映画館で涙した人も、まだ本作に出会っていない人も、このタイミングで改めて本作の魅力に気づいてほしい。

高評価続出で異例の大ヒット

2000年に結成された沖縄出身のバンド・HYは数多くのヒット曲、名曲を生み出しているが、その中でも屈指の人気を誇るのが、2008年に発表された「366日」だ。叶わぬ恋を歌った美しくも切ないバラードで、現在も愛され続けている。

本作は同曲から誕生したラブストーリーで、主人公は沖縄で暮らす青年・真喜屋湊だ。

病気で母を失い、何もかもがどうでもよくなっていた湊はある日、後輩の玉城美海と出会い、彼女の笑顔、真っすぐな想いに惹かれていく。美海の「いつか湊先輩の作った曲、聴きたいです」という言葉に力をもらった湊は、大学進学を機に上京し、美海も2年後に東京に向かう。同じ部屋で暮らし、湊は音楽の道へ、美海は通訳になる夢を追う。幸福な日々はずっと続くはずだった。

しかしある日、湊は突然、別れを告げて美海のもとを去ってしまう。理由もわからず混乱する美海は、自分が妊娠していることに気づくが、悲しみを抱えたまま沖縄に戻り、娘を出産する。

湊と美海、ふたりは別々の人生を歩んだはずだった。しかし、長い時を経て、ふたりの人生は大きく動き出し、あの日、あの時、伝えられなかった想いが明らかになる。

■発売と配信開始を記念して本編冒頭約5分が公開中!

本作は公開されると口コミで動員を増やし続け、公開4週目の週末に、観客動員ランキング1位に急上昇。その後もSNSを中心に絶賛が相次ぎ、興行収入は25億円を突破。台湾、タイなど日本以外の国でもヒットを記録し、ついには大手映画スタジオのコロンビア・ピクチャーズが本作の英語版リメイク権を獲得。作品の持つパワーと観客の熱い声が広がって、異例の大ヒットを記録した作品となった。

全員が“ハマり役”! 豪華キャストの共演

そんな本作を支えているのが、全キャスト“ハマり役”と言いたくなる俳優陣だ。

主人公の湊を演じたのは赤楚衛二。近年は映画、ドラマと出演作の続く実力派だが、本作では彼の繊細な演技が作品と役に見事にマッチした。湊はクラスの多数を惹きつける魅力を持ちながら、どこか孤独で人を寄せ付けない孤高の青年として登場する。しかし、美海と出会った彼は少しずつ自身の殻とバリアを解除し、さらには“ある理由”から彼女に別れを告げる。

通常のラブストーリーよりも遥かに長い期間を題材に、いくつもの転換点を迎える主人公を、赤楚は“なだらかなグラデーション”で丁寧に描き出す。置かれる状況は大きく変わっても“湊としての芯”は通っている。本作は俳優・赤楚衛二の代表作のひとつになった。

そんな湊と恋に落ちるヒロイン美海を演じたのは、上白石萌歌。赤楚とは2度目の共演だが、本作では20年にわたるふたりの状況の変化にあわせて多彩な表情を見せる。元気いっぱいの学生時代から、夢と不安を抱えた上京時、すべてを失っても前を向いて生きようとする姿など、美海の演技は起伏に満ちており、彼女の演技の幅広さを感じられる。

また、美海の幼なじみで、彼女を想い続ける嘉陽田琉晴を中島裕翔が演じる。真っ直ぐに美海を想い、支え続ける琉晴は本作の中でも屈指の人気キャラクター。劇場公開時、彼の想いや行動に心を掴まれた観客も多かったようだ。

そして湊と同じ大学で音楽サークルに所属する望月香澄を玉城ティナが演じた。本作の香澄は、湊を想い続け、やがて彼と親友になっていく複雑な役どころ。玉城のさりげなくも的確な表現に注目だ。

さらに湊の母を石田ひかり、美海の両親を杉本哲太と国仲涼子という実力派が脇を固め、美海の娘・陽葵を稲垣来泉、彼女と行動をともにする金城琥太郎を齋藤潤が演じている。今後の映画界を担う若手ふたりからも目が離せない。

映画ファンだから“刺さる”本作の注目ポイント

本作は人気曲が題材になっており、日本映画史に繰り返し登場してきた「歌謡曲映画」の系譜に連なる作品だ。元になる楽曲にストーリー性がある場合は、そのまま映画化される場合もあるし、過去には歌手が劇中で楽曲を歌うだけでストーリーは曲とまったく関係がない、というケースもあった。

本作『366日』は元になった楽曲の世界観や切なさをしっかりと継承しながら、映画でしか描くことのできないドラマが描かれる。

HYの「366日」は、叶わない恋について歌った“失恋ソング”で、離れてしまった相手を今も想い続ける主人公の心象風景が描かれる。映画は楽曲の描く感情をしっかりとストーリーに落とし込み、“365日じゃ足りないくらい、あなたを愛しています”というフレーズが登場するだけでなく、美海の誕生日を2月29日(うるう年=366日の年にしか来ない日)に設定することで、時間経過や、4年に1度しか訪れない特別な日に起こるドラマをドラマティックに描き出す。

物語は2024年の東京から始まって、過去の沖縄に時間は戻り、やがて物語は現在と過去を行き来しながら、湊と美海の本当の想いや出来事が少しずつ明らかになっていく。

安易な“泣かせ描写”に頼ることなく、新鋭脚本家の福田果歩による入念に描かれた脚本と少しずつ登場人物の想いが明らかになっていく構成・展開で、主人公とヒロインの20年にわたるドラマを描き切る。本作の最大の注目ポイントはここにあるのではないだろうか。

さらに映画ファンが見逃せないのは劇中の音楽だ。

本作にはもちろん、HYの「366日」や主題歌「恋をして」などが登場するが、その使われ方が考え抜かれており、単なるBGMではなく、登場人物が愛し、人生と共にある音楽として描かれる。湊と美海がお互いに好きな楽曲をMDに録音して交換しながら距離を縮めていく前半、ふたりの想いが時を超えてつながるクライマックス。いずれもHYの楽曲が重要な役割を果たす。

さらに劇中では音楽が、登場人物たちの好きなもの、映画音楽として登場するだけでなく“イヤフォンを通じて登場人物が聴いているもの”として描かれる。湊も美海もいくつかの場面でイヤフォンをして音楽を聴く。しかし、彼らの聴いている音は観客には聴こえない。彼らは何を耳にしているのか?

イヤフォンというアイテムが映画を一層盛り上げ、観客の想像力を掻き立てる。本作を配信やディスクでさらに深く繰り返し楽しむ際に是非注目してほしいポイントだ。

美海の娘・陽葵は劇中でイヤフォンをして母・美海のMDを聴いて、静かに涙を流す。なぜ、彼女は泣き出したのか? その謎は作品のクライマックスで明らかになるが、イヤフォンというアイテムが効果的に使われた名シーンではないだろうか。

本作は、上記のポイントだけでなく、沖縄の美しい自然や東京都の雑踏との対比のロケーションや、ふたりの夢に向かって悩みながらも前を向いて進んでいく姿なども大きな見どころとなっている。配信やディスクで何度もリピートすることで、より深く『366日』を楽しめる。

『366日』

■特別版Blu-ray(数量限定生産・2枚組)
※本編BD+特典DVD
価格:7,370円(税込)

◆映像特典
・メイキング
・イベント映像集
(最速試写会舞台挨拶、クリスマスツリー点灯式&完成披露舞台挨拶、
公開前夜祭、公開記念舞台挨拶、
大ヒット&バースデー記念!スペシャル舞台挨拶)
・映画366日の日 特別コンテンツ
・特報・予告

◆封入特典:チェキ風カード(3枚セット)

◆外装特典:特製スリーブケース

■DVD
本編DVD1枚
価格:4,620円(税込)

◆映像特典
特報・予告

https://www.shochiku.co.jp/dvd/366movie/

©2025映画「366日」製作委員会