「国宝」上海国際映画祭で公式上映、李相日が「さらば、わが愛/覇王別姫」に言及
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「国宝」上海国際映画祭での舞台挨拶に登壇した李相日
吉沢亮が主演を務める映画「国宝」が、第27回上海国際映画祭インターナショナル・パノラマ部門のカンヌ エクスプレスに正式出品。現地時間6月18日に中国・上海の大光明電影院で公式上映が行われ、監督の李相日が舞台挨拶に登壇した。
吉田修一の同名小説を映画化した本作は、任侠の一門に生まれながら歌舞伎役者の家に引き取られ、芸の道に人生を捧げる主人公・立花喜久雄の50年に及ぶ一代記をつづった物語。15歳で天涯孤独となった喜久雄を吉沢が演じ、歌舞伎界の御曹司・大垣俊介に横浜流星が扮した。
興行収入は公開2週目にして、前週比143.4%(土日)という伸びを記録。およそ3時間という長尺ながら、6月15日までの公開10日間で観客動員数85万人、興行収入11.9億円を突破している。
李は上海での上映に特別な思いがあるそうで、「学生時代にチェン・カイコー監督の『さらば、わが愛/覇王別姫』を観た衝撃から、いつかこんな映画を撮ってみたいという思いを持っていた。それが歌舞伎をテーマに映画を撮ってみたいという思いにつながっていました」と明かした。中国の伝統芸能である京劇の俳優を描いた同作は、「国宝」公開当初から比較する声が多く上がっている作品だ。
Q&Aでは「涙が出るほど感動した」という観客から、吉沢と横浜の起用理由を尋ねる質問も。李は「顔が美しいからです(笑)」と答えて笑いを誘いつつ、「喜久雄という人間を考えたときに、吉沢亮さんしか思い浮かばなかった。彼の中が見えないというか、いくら想像しても広い空間が空いているような感じがしました」と真摯に回答。横浜については「とても努力家。努力を惜しまない人で、歌舞伎役者をどこまでも演じられると思いました」と語った。
「国宝」は全国で公開中。
©吉田修一/朝日新聞出版 ©2025映画「国宝」製作委員会