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「この夏の星を見る」桜田ひより、リモートでの撮影に「本読みの熱量が基準になった」

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「この夏の星を見る」3都市同時 完成披露試写会の様子。左から、東京会場に登壇した山元環、黒川想矢、桜田ひより、星乃あんな

映画「この夏の星を見る」の3都市同時となる完成披露試写会が本日6月22日に東京のT・ジョイ PRINCE 品川ほかで行われ、東京会場にはキャストの桜田ひより、黒川想矢、星乃あんな、監督の山元環が登壇した。

辻村深月の同名小説をもとにした本作は、新型コロナウイルスが蔓延した2020年を舞台に、全国の中高生がリモート会議を駆使して同時に天体観測をする競技「スターキャッチコンテスト」に挑む物語。桜田が茨城県立砂浦第三高校の天文部員・溪本亜紗を演じ、黒川が東京に暮らす中学生・安藤真宙役、星乃が中井天音役で出演した。

桜田は「ついにこの日が来たかという気持ちです。去年の夏、みんなで力を合わせて最高の作品を作り上げました。ここからもっと盛り上げていきたい」と挨拶。黒川は脚本を読んだ当時を「すごく懐かしい気持ちになりました」と回想し、望遠鏡で星を探すシーンを挙げて「僕にとっては“祈り”に感じられる場面。ピントを合わせる行為は“先の見えない挑戦”のようにも思えて、映画を観たときに勇気をもらえました」と言葉に力を込める。そしてコロナ禍当時は小学生だったという星乃は「修学旅行が中止になってしまったり、その年はつらいイメージしかなかったんです。でも映画を観たら『こういう人たちもいたんだ。よかったな』と思えました」と笑顔を見せた。

撮影は原作のモデルとなった学校で行われたそうで、桜田は「エキストラとして出演していただいたり、全面協力を受けることができたんです。普段使われている教室には人の温もりがありましたし、“生きているもの”に囲まれて芝居することで気持ちが引き締まりました」と思い返す。続けて山元は、東京・茨城・長崎と順を追って撮影したことに触れ、「3カ所とも星空の色合いが全然違ったので、本当の星空を見れたことがよかったです」と充実した表情に。撮影では「Day for Night」という方法を採用したと明かし「日中の太陽光を月の光に見立てて夜の撮影を行ったんです。本当の星空をVFXで構成し、1つのビジュアルにしていくという部分にもこだわりました」と説明した。

茨城パートに出演した桜田は、東京パートに参加した黒川・星乃とは撮影で直接顔を合わせる機会がなかったという。黒川が桜田について「日本アカデミー賞の授賞式で初めて会って、ずっと雲の上の存在でした」と言うと、桜田は「いやいや、私は地上の人間です」と笑顔で訂正。黒川が「クランクイン前の本読みが2回目にお会いするタイミングでしたが、この時間があったからこそ、東京・茨城をつなぐリモート撮影がうまくできた」と切り出すと、桜田は「撮影中に交流がないから、あのとき(本読み)の熱量が基準になっていきましたよね」と振り返った。

イベントの中盤には、同時に舞台挨拶が行われている茨城・長崎の会場との中継も実施された。茨城・シネマサンシャイン土浦に登壇したのは、亜紗と同じ天文部の2年生・飯塚凛久役の水沢林太郎と3年生・山崎晴菜役の河村花。水沢は「高校生の方がまっすぐな感想を伝えてくれた」と声を弾ませ、河村の「穏やかな風が吹いています」という感想に「校長先生みたいなことを言わないで(笑)」とツッコミを入れる。そして長崎・福江総合福祉健康センターに向かったのは、五島にある泉水高校吹奏楽部に所属する佐々野円華役の中野有紗、福田小春役の早瀬憩だ。中野は「たくさんの方に観に来ていただけました。会場に入った瞬間、うれしい気持ちでいっぱいになりました」と、早瀬は「皆さんがすごく温かいです。地元に帰ってきた気分になりました」とそれぞれ伝えた。

最後に桜田は「コロナ禍の当時に学生だった人を含め、彼らを見守った親や先生世代にも刺さる映画になっています。人は誰しも試練や乗り越えなければいけない壁を抱えていると思いますが、たった1つの思考でこんなに運命が変わるんだと、皆さんの背中をたくさん押してくれる作品だと思います」と語りかけ、イベントの幕を引いた。

「この夏の星を見る」は7月4日より全国で公開される。

©2025「この夏の星を見る」製作委員会