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スリラー映画「ラビリンシア」予告公開、中西舞「迷宮の世界をタイトルに映しました」

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「LABYRINTHIA/ラビリンシア」キービジュアル

スリラーオムニバス映画「LABYRINTHIA/ラビリンシア」の予告編がYouTubeで公開。監督・中西舞のインタビューコメントも到着した。

本作は台湾・日本合作の第1話「SWALLOW」、韓国・日本合作の第2話「HANA」、日本制作の第3話「告解」という短編3本で構成されている作品。「SWALLOW」では若さと美貌を求める女優が、ある晩餐会で狂気の渦にのみ込まれていく姿、「HANA」では、大学生がベビーシッターとして訪れた高級マンションで不思議な現象に遭遇するさまが描かれる。また教会が舞台の「告解」は、ある若い女性の懺悔が神父の平穏を揺るがしていく様子をつづる物語だ。

中西は「『ラビリンシア』は、迷宮を意味するラビリンスから着想を得た造語です。私の作品は『一度足を踏み入れたら、抜け出せない迷路みたい』と言われたことがあります。迷路のように入り組み、夢の中のようにシュールで、そしてふとした瞬間に恐怖や危険が顔を覗かせる。そんな迷宮の世界を、そのままタイトルに映しました。また、ラテン語では語尾が『a』で終わる名詞に女性名詞が多く、その響きも含めて『ラビリンシア』という名にたどり着きました」と明かした。

「SWALLOW」は台湾の高雄市電影館が主催する助成プログラムの短編企画として選ばれ、高雄と台南で撮影された作品。中西は「(韓国)釡山のレジデンシーで出会った台湾人プロデューサーから短編企画のコンペの話をいただき、ちょうど同じタイミングで台湾の映画祭にも参加していたこともあって、現地でユニークな食文化に触れるなど、多くのインスピレーションを受けました。その結果、温存していた企画をベースに物語の舞台を台湾に移し、再構築することにしました」と明かす。また「SWALLOW」が持つメルヘンとしての魅力に話が及ぶと「私は特に“メルヘン”を意識して作品を作っているわけではありませんが、子供の頃からアンデルセンやペロー、グリム童話などに多く触れて育ってきたので、そうした世界観が無意識のうちに自分の中に刷り込まれているのだと思います。現実と非現実(あるいはシュール)の狭間にあるような世界観も、そうした影響の一部なのかもしれません」と伝えた。

「HANA」のインスピレーションはどこから得たのかという質問が飛ぶと、中西は「何かパーソナルな作品を作りたいと思っていた頃、釡山映画祭に参加する機会があり、滞在中によく海雲台(ヘウンデ)ビーチを訪れていました。海沿いにずらりと並ぶタワーマンションを眺めていると、ふと窓際に佇む『HANA』のような女の子の姿が頭に浮かびました。そのイメージが自分の記憶と重なり合い、この作品の始まりとなりました」と回想する。

「告解」では、教会に訪れた女性を和田光沙、神父を水澤紳吾が演じた。中西は「和田さんは『岬の兄妹』で拝見し、その生々しい演技に度肝を抜かれ、『本当にすごい女優さんだな』と強く印象に残っていました。詳しくお話しするとネタバレになってしまうのですが、本作では『声』がとても重要な要素になっており、その意味でも、和田さんが持つ深みと存在感が存分に活きていると感じています」と述べ、「水澤さんについては、神父役をどなたにお願いするかで非常に悩んでいた中、プロデューサーから推薦いただいたことがきっかけでした。初めてお会いした際は、ちょうど別の作品で“飢餓の時代”を描いた役作りに取り組んでいらして、まるで雪山で遭難した人のような雰囲気で少し驚きました(笑)。けれど、撮影前にはしっかりと体調を整えられ、神父らしい静かな威厳が全身からにじみ出ていて、さすがプロだと改めて感心しました」と振り返った。

「LABYRINTHIA/ラビリンシア」は8月15日より東京・テアトル新宿、大阪・テアトル梅田、京都・アップリンク京都ほか全国で順次公開される。

©SAWLLOW FILM PARTNERS. ©2018 HANA ©CONFESSION Film Partner.