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「激愛!ロリータ密猟」DVD発売、“ピンク四天王”佐藤寿保の監督デビュー作

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「激愛!ロリータ密猟」ビジュアル

“ピンク四天王”の1人として知られる佐藤寿保の監督デビュー作「激愛!ロリータ密猟(狂った触覚)」が、35mmオリジナルネガリマスターで初ソフト化。DVDが明日7月2日にDIGレーベルから発売される。

本作は女を暴行し風呂敷に包んでゴミ捨て場に放置する青年が、コンビニで万引きした少女を逃がしてやったことから始まるボーイ・ミーツ・ガール・ストーリー。1980年代の新宿でゲリラ撮影された本作は、内容の過激さからソフト化は不可能とされていた。都会の片隅で孤独に生きる少女を伊藤清美、唐草模様の風呂敷を手に拉致・監禁を続ける若者を渡剛敏が演じた。THE STALIN、じゃがたらの楽曲が使用された。

価格は税込4950円。佐藤と伊藤のインタビューが収録された小冊子、プレスシート縮小再編集版が封入特典として付く。DVD発売に際して、映画監督の滝田洋二郎は「つくづくアウトプット下手なれど、思いを打ちまけたデビュー作で見事に意気衝天! 観る側にもエネルギーを求める佐藤寿保映画の初号試写で感心したことを思い出した」とコメントを寄せている。このほか13名の推薦コメントは以下の通り。

※「激愛!ロリータ密猟」はR18+指定作品

滝田洋二郎(映画監督)コメント

あの男は満員の痴漢電車の乗客だった。車内エキストラのくせに「この後、撮影を見学してもいいですか?」と終日撮影にまとわりつき、いつの間にか獅子プロにもぐり込んでいた。普段はマジメで寡黙・が・酒が入ると訳のわからぬ大法螺吹きに大変身、失敗多数。つくづくアウトプット下手なれど、思いを打ちまけたデビュー作で見事に意気衝天! 観る側にもエネルギーを求める佐藤寿保映画の初号試写で感心したことを思い出した。

瀬々敬久(映画監督)コメント

20才代の頃、佐藤寿保さんの映画の助監督をつとめた。ツラかったが、なぜか嫌な思い出じゃない。どちらかというと自慢したい。佐藤寿保さんは変わらない。「止まっているってことと、変わらないってことは違うんだ」寿保さんのことを考えるといつも故PANTAさんの言葉を思い出す。羨ましいと思う。その原点である映画が新たに陽の目を見る。祝福です!

柳下毅一郎(映画評論家 / 翻訳家)コメント

ピンク映画はセックスではなく不能と鬱屈を描くものであり、鬱屈と暴力は若者の特権だ。「激愛!ロリータ密猟」の誰よりも深い絶望は、いまなお我らの胸をかきむしる。

根本敬(特殊漫画家)コメント

嫌な気持ちにさせてくれるディテール。しかし気づくとスッキリさせてくれる。ざっくりと言えば「ヒドイ」映画なのだが、この「激愛!ロリータ密猟」の場合それが最上級の褒め言葉にいつしか化けてしまう、とにかくヒドイ映画。必見!

小林良二(映画プロデューサー)コメント

この映画を観て映画制作を志したと云っても過言ではない名作中の名作。

宇川直宏(“現在”美術家 / DOMMUNE主宰)コメント

コンプラ遵守、ジェンダー平等、ハードコア・ポリコレな21世紀の現代に、時空の裂け目が生じ、20世紀の闇から堕ちてきたピンク色の歪な残像!!!!! こんな奇想の封印を解くなんて、不適切にも程がある!!!!!!!

遠藤倫子(映画zine「ORGARM」発行人)コメント

陰鬱とした狂気が棲む地下の部屋。新宿の強烈な眩しさ。赤いハイヒールに流れる血。シャッターを切り自ら脱ぐ伊藤清美さんに全身をぶち抜かれた。この作品を見たばっかりに、佐藤寿保作品を求めいまだ亡霊のように彷徨い続けている。

シブヤメグミ(バー浮かぶ・二代目店主)コメント

私には「死んだら棺桶に入れるものリスト」がある。そこにこの映画のタイトルを記す夢が叶った。だからもう、いつ死んでもいい。

中原昌也(ミュージシャン / 文筆家 / 映画評論家)コメント

淫乱と暴力と初期衝動! ノイズやパンク、ロックに造詣が深いところにも衝撃を受けました。そんな寿保監督のデビュー作が家で観られるなんて!

高橋ヨシキ(アートディレクター / 映画評論家 / サタニスト)コメント

孤独で混乱した精神の前に、無邪気な人々が行き交う雑踏のどれほど残酷なことか。1985年、バブル直前の新宿に、決して救われ得ない2つの魂が交錯するとき、血と淫欲が〈イノセンス〉を塗り潰す! 身を立て! 名をあげ! やよ励めよ! 真の解放はいつも、血まみれのイニシエーションの先にしか残されていないのだから。

古市コータロー(ミュージシャン)コメント

私が20歳だった頃の新宿が舞台。毎日のように新宿にいた頃。観ているうちに当時の頭の中をのぞいているような気分になった。不安と根拠のない自信のカオス。ラスト近くのヒロインが不思議な美しさだった。

松永天馬(ミュージシャン アーバンギャルド / 松永天馬のA研!)コメント

かつてピンク映画館なるものが街中にあった頃、青少年たちは自分の内に秘めた性衝動を、暴力を、妄想を、青暗いスクリーンの中に投影させていた。じっとり湿ったシートを、男女のまぐわいを照らし出すぼんやりとした映写機の明かりを、そのやりきれなさを。すべて爆発させるために、パンクするしかなかった。映画館を、新宿を、狂った触覚がパンクする。

宙也(ミュージシャン アレルギー / De-LAX / LOOPUS)コメント

薄暗闇が終始美しい映画だった。裸電球と炬燵の光に晒される素肌と陰影。ココロとカラダを温めあうのが下手くそ過ぎる悲しい人間たち。誰もいない夜明けの新宿通りのカットはハタチの時の自分の視線ではないかと錯覚した。

真魚八重子(映画評論家)コメント

デビュー作にして、すでに寿保度数120%の傑作! 瑞々しいボーイミーツガールの物語を、問答無用の過激な暴力と流れ落ちる血の鮮烈さが彩る。ゲリラ撮影の80年代新宿の、人が溢れながらも冷ややかな光景が最高!

©東映