白寿記念公演「かたき同志」に向け、石井ふく子「心と心のドラマを作っていきたい」
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石井ふく子 白寿記念公演「かたき同志」記者発表会より。
8月から9月にかけて大阪・新歌舞伎座で上演される石井ふく子 白寿記念公演「かたき同志」の記者発表会が、昨日7月2日に大阪府内で行われた。
%img_2631196_float%「かたき同志」は作劇を橋田壽賀子、演出を石井ふく子が手がけ、1985年に初演された作品。今回は、石井が9月1日に白寿を迎えることを記念して公演が行われる。江戸下町の飲み屋の女将・かめと、呉服問屋を切り盛りする女主人・お鶴。育った環境も気質も異なる2人が、息子と娘の結婚を巡って大げんかを繰り広げ……。会見には石井のほか、かめ役を演じる藤山直美、お鶴役の高島礼子、さらに熊谷真実、金子昇、木戸邑弥、込山榛香が登壇した。
公演中の9月1日に白寿を迎える石井は「こういう状況になるとは思ってなかった。自分では年を取った気持ちがないです」と話しつつ、作品について「この席に橋田さんがいらっしゃらないのが非常に寂しいです。橋田さんとは年中ケンカしながらいろいろと舞台やテレビドラマを作ってまいりました。橋田さんは家族の話、心と心がどのように通じ合うかを大事にされていましたので、今回も心と心のドラマを作っていきたいなと思っています」と意気込みを語る。さらに出演者に向けて、「『かたき同志』はすごく動きます。体力が大変だと思いますが、皆さん一生懸命やってくださる方ばかりなので、うれしいです」と信頼を寄せた。
%img_2631190_float%2013年にも本作に出演した藤山は「石井先生の白寿記念公演ということで、何が何でも参加させていただきたいと思いまして、その夢がかない、今ここにいさせていただいております。私の母は石井先生と同い年なのですが、母には『先生も現役でがんばっていらっしゃるんだよ』と伝えており、母もがんばってくれています。先生の存在の大きさに感謝しております」と話す。さらに、「この作品はいい意味で親離れ子離れをしていく人たちの物語。温かいドラマになればいいなと思っています」と語った。
%img_2631192_float%2013年の上演を観ていると言う高島は「当時お鶴役を演じられていた三田佳子さんが、直美さんとワーワー闘っている姿に嫉妬して、『私も三田さんのようなキャラをやってみたい!』と思っていたら、まさかの二代目を務めさせていただくことになり……どこまでできるのか、自分との挑戦です」と話す。また「私たち世代は、子育てや仕事が一段落してちょっと寂しさを感じる年代。でも一歩踏み出してみると、その後の人生を一緒に歩むべき同志ができることもあり、この作品はそういったエールやパワーを送ってくださる作品に思えます」と話した。
%img_2631170_float%また藤山は大阪で開催中の「大阪・関西万博」に言及し、「大盛況の万博ですが、私たち“『かたき同志』パビリオン”といたしましては、館長の石井先生を先頭にお客様に劇場に足を運んでいただくためにがんばりますので、よろしくお願いいたします!」と話して、会場を笑いで包んだ。石井ふく子 白寿記念公演「かたき同志」は8月30日から9月21日まで上演される。
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