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映画「野火」戦後80年の今年もアンコール上映、塚本晋也「肌感覚で戦争を思い出して」

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「野火」場面写真

塚本晋也が監督・脚本・撮影・編集・製作・主演を担った映画「野火」のアンコール上映が、戦後80年を迎えた2025年も東京・ユーロスペースほか全国で行われる。配給は新日本映画社が手がける。

大岡昇平の小説をもとにした「野火」では、第2次世界大戦末期のフィリピン・レイテ島を舞台に、結核を患って部隊を追い出された兵士・田村が、飢えや孤独、恐怖に苛まれながら果てなき原野をさまよう姿が描かれる。田村役の塚本に加えてリリー・フランキー、中村達也、森優作らもキャストに名を連ねた。

同作は、塚本が構想から20年の歳月を費やして完成させたもの。2014年の第71回ヴェネツィア国際映画祭メインコンペティション部門への出品を経て、2015年に全国83館で劇場公開された。「『野火』を毎年終戦記念日に上映されるような映画にしたい」という塚本の思いに共感した劇場でアンコール上映が重ねられ、初年度からの劇場・自主上映含む総観客数は10万人を突破した。

今年は7月4日時点で36館での上映が決まり、一部の劇場ではトークイベントや、塚本が池松壮亮や蒼井優とタッグを組んだ「斬、」、趣里をはじめ塚尾桜雅、森山未來らが出演した「ほかげ」の上映も行われる予定だ。詳細は各劇場および「野火」の公式サイト、SNSで随時アナウンスされる。

塚本は「戦争をわれわれ一般人の目線で描いた『野火』、これからご覧になる方も、すでにご覧になった方も、肌感覚で戦争を思い出していただきたく、ぜひ劇場でこの映画を体験していただきたいと思います」とコメントする。さらに「今年でいったんこれまでの形での上映は終了しますが、今の世界の状況にあって、『野火』の上映自体は今後も続けたく、あらたな場を求めていきたいと思っています」ともつづった。

※塚本晋也の塚は旧字体が正式表記

塚本晋也 コメント

10年目の「野火」を超え、11年目、戦後80年の「野火」になります。
10年もの間、毎年終戦記念日のころに上映を続けてくださった映画館の皆さま、そして劇場にお越しくださった皆さまに心より感謝を申し上げます。
戦後70年の年は、日本が戦争に近づいているという恐怖心があり、上映を始めましたが、それから10年、今は世界が恐ろしい事態に近づいているのでは、と心配です。
戦争をわれわれ一般人の目線で描いた「野火」、これからご覧になる方も、すでにご覧になった方も、肌感覚で戦争を思い出していただきたく、ぜひ劇場でこの映画を体験していただきたいと思います。
今年でいったんこれまでの形での上映は終了しますが、今の世界の状況にあって、「野火」の上映自体は今後も続けたく、あらたな場を求めていきたいと思っています。もちろんこれまでお世話になった劇場さんも状況が許されるとき引き続きお願いしたい所存です。
ここまでほんとうにありがとうございました。
それでは戦後80年の「野火」、よろしくお願いします。

©SHINYA TSUKAMOTO / KAIJYU THEATER ©2023 SINYA TSUKAMOTO/KAIJYU THEATER