八代目尾上菊五郎、大阪松竹座初登場の菊之助と“親子リレー”「七月大歌舞伎」開幕
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「土蜘」より、八代目尾上菊五郎。
「尾上菊之助改め八代目尾上菊五郎襲名披露 尾上丑之助改め六代目尾上菊之助襲名披露『七月大歌舞伎』関西・歌舞伎を愛する会 第三十三回」が、7月5日に大阪・大阪松竹座で開幕した。
これは尾上菊之助改め八代目尾上菊五郎、尾上丑之助改め六代目尾上菊之助の襲名披露興行。六代目菊之助が大阪松竹座に立つのは初となる。昼の部は「新版歌祭文 野崎村」でスタートし、中村壱太郎、中村隼人、中村扇雀、中村鴈治郎らにより、子を思う親心と、若い3人の切ない恋の行方が描かれた。続く「羽根の禿」「うかれ坊主」は、いずれも六代目菊五郎の工夫によって人気舞踊となった作品で、今回は襲名披露狂言として六代目菊之助と八代目菊五郎が“親子リレー”形式で勤めた。昼の部のラストは、八代目菊五郎が父の七代目に憧れ、関西で初めて勤める音羽屋所縁の演目「梅雨小袖昔八丈 髪結新三」。坂東彌十郎演じる家主の長兵衛とのおかしみのあるやりとりは客席の笑いを誘い、中村錦之助演じる弥太五郎源七との立廻りには大きな拍手が起こった。
夜の部の幕開けを飾る「熊谷陣屋」は、Aプロ・Bプロの一部Wキャスト制で上演される。Aプロでは片岡仁左衛門、Bプロでは錦之助が熊谷次郎直実に扮し、忠義のためにわが子を身代わりにした苦衷を表現する。続いては襲名披露「口上」。八代目菊五郎は「初代、二代目の菊五郎は上方で生まれ活躍しました。歴代の菊五郎が大事にしてきた伝統と革新の精神にのっとり努力してまいります」と宣言し、六代目菊之助は「菊五郎の家にとって大切な名跡を襲名できることに感謝申し上げると共に、立派な歌舞伎役者になれるよう、なお一層、精進します」と決意を述べた。そして、幕引きの「土蜘」では、菊之助が侍女胡蝶、八代目菊五郎が叡山の僧智籌実は土蜘の精を勤めた。
公演は7月24日まで行われる。
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