結成15周年の記念イヤーを迎えたNMB48の特別連載。塩月希依音&坂下真心インタビュー【後編】
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左から、坂下真心、塩月希依音 撮影:福家信哉
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すべて見る取材・文:田辺ユウキ
結成15周年の節目を迎えたNMB48。2025年は「大阪から世界へ」を合言葉に、さらに多岐にわたる活動をみせている。そんなNMB48が、Zepp Osaka Bayside(大阪)にて7月24日(木)に『NMB48 天使のユートピア公演 2025 with BAND』、25日(金)に『NMB48 ここにだって天使はいる公演 2025』、8月31日(木)にはLINE CUBE SHIBUYA(東京)にて両公演をおこなう。その公演開催を記念して、全4回の特別連載を実施!
今回は、塩月希依音、坂下真心のインタビュー後半。『天使のユートピア公演 2025』『ここにだって天使はいる公演 2025』について話を聞いた。
★塩月希依音、坂下真心のインタビュー前半はこちら
――『天使のユートピア』は2024年、NMB48にとって10年ぶり2作目のオリジナル公演として披露されました。幕が開いた瞬間、塩月さんがまず登場。そしてそのまま公演のセンターとしてパフォーマンスされましたね。
塩月 あの登場シーンは、信じられないくらいの気持ちの良さがありました。1曲目で披露した「OUR STORY」(2024年)のレッスン時、歌割りをいただいたら最初に塩月という名前があったんです。でもそのときは「歌い出しを自分が担当するのかな、ありがたいな」という気持ちでした。ただそこに演出がついていって、「幕が開いたら、塩月がまずひとりで立っていて…」と言われ、「えっ、どういうことですか?」って。そこでようやく事態を飲み込めて、「この曲の、この公演のセンターに自分が立つんだ」と実感が出てきました。
――楽曲や公演のセンターに立つのは、すべてのメンバーの目標ですよね。
塩月 私は2018年のチームBIIの公演『恋愛禁止条例』で劇場公演デビューしたのですが、その公演がまさにひとりで登場する演出だったんです。それを見ていたこともあり、まったく同じような設定で、自分がまず登場してから公演がスタートしたことが信じられなくて、「7年、劇場に立ち続けてきてついにここへたどり着いたんや」と感慨深い気持ちがありました。そして、ここからNMB48のメンバーとしての自分の新しい幕開けのように感じました。
――塩月さんは、NMB48の新たな時代の象徴的存在のひとり。そんな塩月さんのことを、グループ加入時「気になる先輩」として挙げていたのが坂下さんですよね。
塩月 えっ、本当に? 初めて聞いた!
坂下 そうなんです。希依音さんと私は同い年。でもNMB48に加入する前から希依音さんのことを見ていて、パワフルで、フレッシュで、堂々とパフォーマンスされていらっしゃった。「こんなにしっかりしている同い年は見たことがない」と驚きました。NMB48に入ってから、希依音さんがグループを引っ張っている姿を格好良く思い、「この人に付いていきたい」って。しかも希依音さんはいろんな人にたくさん話しかけてくれて、誰もひとりぼっちにしないんです。そういう姿勢に温かさを感じました。

――そんな塩月さんが2024年の『天使のユートピア』でセンターに立ち、公演自体を引っ張っていかれた。坂下さんも嬉しかったのではないですか。
坂下 幕が開いた瞬間に希依音さんが立っていたとき、安心感と立ち姿の格好良さを感じました。あらためて「この先輩に付いていけば、間違いない」と。絶対的な安心感がありました。
――そういえば塩月さんは12歳(2018年)のとき、福岡で開催された公演に急きょ出演されましたよね。そこで堂々としたパフォーマンスを披露され、当時のエースだった山本彩さんがTwitter(現X)で「恐るべし12歳」と絶賛の投稿をされてましたね。
塩月 本当にありがたかったです。でも実は、当時は12歳でだったこともあり、事の重大さに気づいていませんでした。「えー、彩さんがこんなこと言ってくれたぁ。うれしー!」「私が彩さんのTwitterに載ってる!」と無邪気に喜んでいて(笑)。
――もしかすると、公演に急きょ出演してパフォーマンスをすることも、当時はそこまで重圧を感じずにやれていたのですか?
塩月 おっしゃる通りだと思います。12歳だったから、あまり深く考え込まずに「やったー! 公演に出られるんや」って。でも振り返ってみると、先輩方がレッスンのときも毎日付きっきりで教えてくださったんです。先輩方のおかげで「やったー!」が出来上がっていました。大変だったのは先輩方でしたし、そういう姿を知っているから、今の自分も後輩に対してそうやって接して成長させていかなきゃって思います。
――坂下さんら8期生が中心となり、9、10期生と出演する『ここにだって天使はいる』は、2014年に初演が披露されたグループ初のオリジナル公演ですね。
坂下 伝統ある公演であり、各48グループにも受け継がれて上演されている作品。そういった公演を、8、9、10期生で挑むことに対するプレッシャーは大きいです。以前から『ここ天』をご覧になってきたファンのみなさまの期待に応えられるのか、そして自分たちのカラーをどうやって作り上げられるのか、いろんな不安があります。
――公演の表題曲「ここにだって天使はいる」には曲の主人公の焦り、模索が描かれています。そういった繊細な曲を坂下さんはどのように表現されますか。
坂下 自分の実体験を重ねたいと考えています。NMB48に入ったときの心境、初めて後輩ができたときの気持ち。その時々の「どうしていこう」という葛藤を曲に落とし込みたいです。自分はまだ一人前の立場ではありません。でも公演のレッスンなどを通し、人になにかを教えたり、後輩を引っ張っていったり、そういう意識を持ち、もっと周りから慕われる人間になっていきたいです。
塩月 まこちは責任感がすごくあって、しっかり者。きっといろんな人に頼られるはず。私たち先輩メンバーからしたら、まこちは安心して何事も任せられるんです。逆に責任感が強すぎるので、「大丈夫? そこまで背負い込まなくてもいいんだよ」と声をかけたくなります。だけど、真面目な性格だし、スポーツもやっていたから負けず嫌いで“やってやる精神”もある。めちゃくちゃ熱い気持ちでみんなを引っ張ってくれる気がします。
坂下 今回の『ここ天』に出演する、8、9、10期生は、初演時のメンバーだった1期生さんたちと活動期間が重なっていません。自分たちが伝統ある『ここ天』を引き継ぐ責任感はありますが、1期生さんたちと活動期間が重なっていないからこそ、自分たちのオリジナルの色を出し、新たなNMB48への期待を持ってもらえるものにしたい。「いい公演だったね」だけで終わるのではなく、「8、9、10期生には期待できるぞ」という爪あとを残し、ファンのみなさんの心を動かすパフォーマンスをお見せしたいです。

――大阪では2日に渡り、そして東京では同日、『天使のユートピア』と『ここにだって天使』が披露されます。両公演がどのような関連性を持っているのかもよく分かるはず。
塩月 両公演を対比して見ていただけると思います。『天使のユートピア公演』は特に、『ここ天』を意識している要素が強くあります。続けてご覧いただくと、そのリンクをより深く感じてもらえるのではないでしょうか。あと『ここ天』は10年以上前の公演でありながら一切色褪せることなく、むしろ年々熱量を増して披露されてきました。『ここ天』がそれだけすごかったからこそ、『天使のユートピア』はもっとすごいものにしたいという気持ちが膨らみます。
――今のNMB48を象徴する公演でもありますよね。
塩月 『天使のユートピア』は初演時、ちっひー(川上千尋)さん以外のメンバーにとって初めていただけたオリジナル公演。今までは先輩方が歌ってきた楽曲を受け継いで、パフォーマンスしてきました。でも『天使のユートピア』の各曲や衣装は、今のNMB48のメンバーの当てがきのような形で制作していただきました。その分、私たちにとっても強い思い入れがあります。
――そしておそらく両公演後には、11期生のオーディションも大詰めを迎えているのではないでしょうか。
坂下 私は人生に刺激がほしくてNMB48のオーディションを受けました。メンバーになって、楽しいことだけではなく、悔しいこともたくさんあります。だからこそ刺激も得られますし、新しい自分にも出会えます。私はNMB48のメンバーとして活動しているからこそ、たとえばサッカー選手のみなさんのお話を聞く企画などに携わらせていただけています。以前の自分に「今はこういう仕事をしているよ」と伝えたら、きっとびっくりするはず。NMB48は、「好き」を仕事に繋げられる場所。私はスポーツが好きなので、いずれはスポーツ番組の『SASUKE』に出たい。そして、出るからには全ステージをクリアしたい。それを目指して活動しています。
塩月 私は小さいとき、自分が何になりたいのか分かりませんでした。幼いながらに「私ってつまらない人間だな」と感じていたんです。でもNMB48に入ることで、自分らしさが少しずつ見えてきました。自分は何が好きなのか、どんなことが向いているのか。そして、そうやって「好き」を見つけたら、とことんまで突き詰められる場所。私は活動するなかで「こんなにボケたがりな人間なんや」と気づいて(笑)。自分はやっぱり、楽しいことが大好き。これからNMB48に加入するみなさんも、この場所で夢を見つけてほしいです。

<公演情報>
「天使のユートピア公演 2025 with BAND」
【大阪公演】7月24日(木) Zepp Osaka Bayside
【東京公演】8月31日(日) LINE CUBE SHIBUYA
「ここにだって天使はいる公演 2025」
【大阪公演】7月25日(金) Zepp Osaka Bayside
【東京公演】8月31日(日) LINE CUBE SHIBUYA
「山本望叶 卒業コンサート」
【大阪公演】7月26日(土) Zepp Osaka Bayside
「ここにだって天使はいる公演 2025」
【東京公演】8月31日(日) LINE CUBE SHIBUYA
チケット情報:
https://t.pia.jp/pia/artist/artists.do?artistsCd=AA280001
公式サイト:
http://www.nmb48.com/
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