宝生流第20代宗家・宝生和英が一子相伝の秘曲「草紙洗 乱拍子」に挑む
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「宝生会特別公演 ―秘曲を観る会―」チラシ表
「宝生会特別公演 ―秘曲を観る会―」が7月21日に東京・宝生能楽堂で開催される。
本公演では、宝生流家元にのみ伝承される秘曲「草紙洗 乱拍子」が、第20代宗家・宝生和英によって27年ぶりに披露される。「草紙洗 乱拍子」は、「朝長懺法」に並び宝生流家元家にしか上演が許されていない一子相伝の曲。今回は、家元の和英が本面・節木増(ふしきぞう)を用い、“最初で最後の上演のつもりで”勤める。なお本曲は、かつて将軍から「宗家以外舞ってはならぬ」と命じられたという伝承が残っている。さらに、子方として寳生知永が出演する。
当日は舞囃子「養老」、仕舞「飛鳥川」「千引」、野村萬による狂言「才宝」も上演される。和英は「『草紙洗乱拍子』は、宝生家に代々伝わる一子相伝の秘曲のひとつです。後シテは緋色の長袴に唐織の壷折姿で出、物着で舞衣に着替えて乱拍子となり、途中からめでたい文句を謡いながら舞い続けます。この小書は宝生流にしかありません。本曲の大きな見どころは、舞の中に白拍子の舞法である『乱拍子』が取り入れられ、留拍子から舞へと移行する、その流れの妙にあります。とりわけ、乱拍子から本舞に移り、さらに盤渉調へと展開していく優美な変化は、観る者を圧倒する魅力があります。『乱拍子』といえば『道成寺』が著名ですが、もとは各流儀が独自の乱拍子を有しており、宝生流においてはこの『草紙洗』こそが専用曲にあたります」と、見どころを説明した。
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