これからがわたしの怪談元年 「稲川淳二の怪談ナイト」取材会レポ
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9月14日(日) に広島市・JMSアステールプラザ大ホールにて「MYSTERY NIGHT TOUR 2025 稲川淳二の怪談ナイト」広島公演が開催される。それに先立ち、稲川淳二が来広し、テレビ新広島本社にて取材会が行われた。
広島カープがお好きだという稲川は、このたびのPR活動に併せて、カープの試合を観戦。広島愛溢れる口上に始まり、今年の怪談ナイトの魅力を語った。
爺さんの怪談を語りたい
「怪談の一番よいところは、身分の区別がないんですよ。偉い人も弱い人も無いんです。みな平等にこわい。そして、怪談の語り手は欲があってはいけない。だから老人が語るのが一番いいんです。」と笑いを誘った。「わたしも78になりますから、爺さんの怪談を語れたらいいと思います。これからがわたしの怪談元年。少しずつ人間の論理から離れられる年になるから」
今年33年目となる本ツアー。続けてきたのは、稲川氏はひとえにファンのおかげだという。「ファンの皆さんがいるからやっている。本番が一番楽しいもんな。怪談が好きな人は心が穏やかで、豊かな人が多い」とかみしめるように語った。
ホラーと同じではない、怪談の面白さ
「わたしはミステリーを夢中で読んだし、ホラー映画も好きなんです。でも怪談の面白いところは、因縁とか恨みだけではなく、なんというか“ぬくもり”があるんですよ。往々にして、人情が絡むんですよね。ホラーだとか、ただ怖いだけのものと一緒くたにして、怪談を“そういうもの”だと思い込んでいる人が多い」
怪談の特性を理解せず、怪談をただ怖いものとして一括りにされている現状を嘆いた。「相撲とプロレスは違うし、おにぎりとサンドイッチも違う。絶対、内容や味がそれぞれ違うんですよね。怪談の楽しさを知ってほしい。そして、私の話を聞いてくれた人がまた誰かに話してくれたらいいなと思います」
今年の怪談は、去年より86倍絶対面白い!
「今年は角度を変えると異なるものが見えてくる話を用意しています。懐かしさや味わいもある、バランスが良い怪談が多いから、今年が最高ではないかな。」いつもはだいたいバランスが悪いから、と再度会場を笑わせた。恒例の心霊写真コーナーは、古いフィルムの写真で良いものが入手できたため、今年は内容が一新するという。「平面図を書いて、位置関係を明らかにしながら、心霊かどうか分析するんですよ」と明かした。稲川は全国の人々とやり取りをしながら心霊写真を収集するだけではなく、分析も自らの手で行う。
すべて納得したことを話す
「わたしは難しい言葉や事務的な言葉を使わないし、ストーリーを文章で覚えていないんですよ。どうしているかっていうと、景色・状況を紙芝居のように頭に浮かべて話している。その瞬間、その状況を」と語る。
「歩いている場面だったらわたしも一緒に歩いていくし、海の前だったら、海の音を聞きながらその状況をしゃべっているんですね。その方が臨場感が出るし、納得できる」その語りの特性から、話の内容が公演を重ねるなかで変化することもよくあるという。今日見えなかったものが明日には見えてくることから、どんどんお話のボリュームが増えていき、時間の都合でカットされる話が出てくることも。
「状況の『説明』をしてしまうと面白くないし、押し付けているようになってしまう。しかし絵を見ながら話すことは難しい、50年はかかりました」とツアー33年目となる稲川は冗談を交えて語り、場を和ませた。
リハーサルなし、ぶっつけ本番の舞台
今年の舞台装置は、昭和の時代から今も続いている下町の駄菓子屋をイメージしたセットとなる予定。「わたしも初日まではセットを見ないんです。他のスタッフさんも私の怪談を聞くのは公演初日。これすごいでしょう」全貌が分からないなかでリハーサルもせずに本番を迎えられるのは、稲川を支えるスタッフと稲川の信頼関係があってのことだ。
常に変化を繰り返す稲川淳二の「怪談ナイト」。中国地方では広島県だけではなく、岡山県、島根県、山口県でも公演予定だ。2025年、33年目の稲川の挑戦は終わらない。
MYSTERY NIGHT TOUR 2025
稲川淳二の怪談ナイト 広島公演
チケット情報
https://t.pia.jp/pia/event/event.do?eventBundleCd=b2558085
9月14日(日) 17:00開演
広島JMSアステールプラザ 大ホール
出演 稲川淳二
全席指定 前売 6600円(税込)
問い合わせ:TSSイベント事務局 TEL082-253-1010(平日10:00~17:30)
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