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ディズニー&ピクサー最新作『星つなぎのエリオ』を
“大人の観客”にオススメしたい理由

映画
PR 2025年7月17日
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これまでに数々の名作を手がけてきたディズニー&ピクサーの最新作『星つなぎのエリオ』が、8月1日(金)から公開になる。本作は、孤独な少年エリオの冒険が描かれるが、そこにあるドラマは大人もハマる、いや、“大人だからこそ”感動できる内容だ。観ると心の深い部分にしっかりと響く、観客の“特別な一作”になる作品だ。

ピクサー最新作は“やさしい奇跡”を描く感動作

本作の主人公エリオ・ソリースは事故で両親を失い、現在は叔母のオルガと共に暮らしているが、心に孤独を抱え、自分の居場所が見つからない日々を過ごしている。自分のいるべき場所は、ここなのだろうか? 自分は周囲から必要とされていないのではないだろうか?

そんなある日、エリオはオルガに連れられて航空宇宙博物館に行き、ボイジャー計画について知る。1977年に打ち上げられたボイジャー号には宇宙のどこかで暮らす未知の生命体にむけたメッセージが搭載されており、私たちの声が届く日を待っている。エリオは思う。ここには僕の居場所はない。でも、宇宙のどこかに自分が自分のままでいられる本当の居場所があるはず。

それからエリオは毎日、無線機を使って宇宙に向かって「僕を迎えにきて」とメッセージを送り続ける。するとその声は本当に……宇宙に届いた! ある日、エリオに迎えがやってきたのだ!

エリオが招かれたのは、星々の代表が集まる美しい夢の空間“コミュニバース”で、彼は“地球の代表”と勘違いされて招かれたらしい。チャンスを逃したくないエリオは自分が地球の代表だと嘘をつくが、結果として、物事を力で解決しようとする戦闘種族の冷酷なリーダー・グライゴンとの交渉に代表として出るハメに。

そこでエリオはグライゴンの息子グロードンに出会う。父とは違い、気弱で心やさしいグロードンは、エリオと同じように孤独とさみしさを抱えていた。似たもの同士のふたりは、すぐに仲良くなり、お互いを理解し、親友になっていく。

しかしふたりは、銀河を、そして地球を揺るがす壮大な事件に巻き込まれてしまう。自分の居場所がわからない。自分が必要とされるのかわからない。孤独を感じ、迷い続けるエリオとグロードンは、このトラブルにどう立ち向かうのか? そしてふたりがこの冒険を経て見つけたものとは?

主人公は少年。しかし大人に“刺さる”物語がある!

エリオはまだ少年だ。しかし、本作では大人の観客に“刺さる”感情が描かれる。

両親を亡くしたエリオが抱えている悩みは、単に周囲に人がいない、という意味での孤独ではない。彼は叔母のオルガと暮らしていて、オルガはその愛情を惜しみなくエリオに注いでいる。たくさん友達がいるタイプではないが、宇宙にメッセージを送ることに夢中の日々で、毎日はアッという間に過ぎていく。

でも、エリオは孤独だ。彼は思う。自分の居場所は本当にここで良いのだろうか? 自分が自分のままで満足できる場所、自分のままで必要とされる場所はないのだろうか? そんな場所がきっとある。いつの日か、この願いが誰かに届き、自分らしくいられる場所に行ける日が来る。

この想いは子どもでなくても感じるのではないだろうか? いや、年齢を重ねれば重ねるほどに感じる人が多いのではないだろうか? 周囲に人がいても、モノに囲まれても、予定がたくさんつまっていても、なぜか少しさみしい。何か“大事なつながり”が足りない気がする。

本作では誰もが抱えている、でも映画などで表現される機会の少なかった感情が見事に描かれる。だから映画を観ていると、心の一番奥深い部分に本作の物語が入り込んでくるのを感じるはずだ。

また、エリオに寄り添う叔母オルガの物語も大人の観客にはグッとくるはずだ。空軍で働く彼女は長年にわたって宇宙飛行士を目指してキャリアを積み、基地で真面目に勤務していた。

ところがエリオの両親が事故でこの世を去ったのをきっかけに、オルガは何の準備もなく、突然、エリオの“親代わり”を務めることになった。彼女はエリオを心から愛している。両親を亡くしたエリオの悲しみや孤独も理解したいと思っているし、可能な限り寄り添いたいとも思っている。しかし、オルガはエリオの気持ちがわからない。どうすればエリオが前を向いてくれるのか答えが見つからない。そして、自分のキャリアや“宇宙飛行士になる”という夢と、エリオとの生活をどう両立すれば良いのか、これからの自分とエリオにどう向き合えばいいのかわからない。

本作は主人公エリオだけでなく、叔母のオルガや、エリオと友情を築くグロードン、その父親のグライゴンなど、登場するすべてのキャラクターのバックグラウンドにドラマがあり、深い感情があり、観客が心を掴まれる悩みや問題が描かれている。

映画館で最初に楽しむ時はエリオの冒険やドラマを存分に楽しんでほしい。でも、帰り道に少しだけ観た映画を振り返ると、エリオの隣にいたオルガやグロードンにもエリオと同じぐらいの奥行きのあるドラマがあったことに気づくはずだ。

鑑賞後にじっくり振り返ってもいい、一緒に行った人と話し合ってもいい、リピート鑑賞して違った視点から改めて映画を楽しんでもいい。本作は大人の観客が時間をかけて、さまざまな角度から物語に入り込んで楽しめる感情が詰まっている。

年齢は関係なく『星つなぎのエリオ』が心に響く理由

映画の良いところは、時間が経ってから見返すと新たな発見があるところ。子どもの頃に観た映画を年齢を重ねてから観ると、意外な発見があったり、当時は気づかなかった感情やドラマに心を掴まれることがある。

『星つなぎのエリオ』も繰り返し観ては、改めて感動できる作品だ。本作はエリオが自分の居場所を探して、自分が自分のままでいられる環境を求めて冒険する物語だが、その根底に “成長と変化”が描かれているからだ。

例えば誰かに“あなたはあなたのままで良いのですよ”と言われることはとても心地よい。自分が苦しい立場や環境に置かれている時などは、誰かにそう言ってほしいのではないだろうか。しかし、人はひとりで生きているわけではない。自分が自分らしく生きるために、誰かが傷ついたり、イヤな想いをしたとしたら元も子もない。

本作の主人公エリオは、自分が自分のままで輝ける場所を目指しているが、いつも周囲の人の話を聞き、状況をよく観て、誰かのために行動したり、相手の気持ちをくみとったりする。

偶然に出会ったグロードンと行動を共にすることになったエリオは、彼が自分と同じような悩みを抱えていることに気づき、親友になり、気がつくと自分の想いや悩みを打ち明け、グロードンのために行動しようとする。

さらに自分の孤独に向き合うことに精一杯で、時には“叔母のオルガは自分を愛していないのではないか?”と想うことすらあったエリオは、オルガの本当の想いを知り、自分の心の内側を彼女に打ち明ける。本作が大人の観客にグッと刺さりまくるのは

自分のままでいるためには、大切な人との“つながり”を得て、自分も変化しなければならない

というドラマが説得力を持って描かれるからだ。

自分は何もしないけど、周囲が自分を認めてくれて、優しくしてくれる世界があったら最高だ。しかし、そんな世界は存在しないことを私たちは知っている。しかし、自分のまわりにいる人たちとの“つながり”を大切にして、その想いを知り、自分が思っていることを伝える中で“無理なく”自分が変化していくことができたら……

映画『星つなぎのエリオ』は、どんな環境にいる人も、何歳の人も持ち続けている“自分のままでいるために変わり続けることの大切さ”を描いている。

宇宙を舞台にしたワクワクする大冒険の果てに、あなたはこの物語が“じぶんの話”でもあることに気づくはずだ。あなたは、泣けた、とか、感動した、を超える“心の深い部分に響く”感覚を映画館で体験できるだろう。そして、この映画はライフステージが変わっても繰り返し観る、特別な映画になっていることに気づくはずだ。

『星つなぎのエリオ』

8月1日(金) 全国劇場公開 (C)2025 Disney/Pixar. All Rights Reserved.