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『バンブルビー』ヘイリー・スタインフェルドに聞く、ティーンの役がハマるわけ

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 『トランスフォーマー』シリーズ最新作『バンブルビー』が3月22日より公開されている。本作は、マイケル・ベイが手がけてきた世界的ヒットシリーズ『トランスフォーマー』の人気キャラクター、バンブルビーの知られざる秘密を描いた物語。第89回アカデミー賞で長編アニメーション賞にノミネートされた『KUBO/クボ 二本の弦の秘密』のトラヴィス・ナイトが、本作で実写映画監督デビューを果たした。

参考:『バンブルビー』トラヴィス・ナイト監督が語る、アニメーターとしての経験が実写映画に活きたこと

 今回リアルサウンド映画部では、バンブルビーと心を通わせることになる少女チャーリー役で主演を務めたヘイリー・スタインフェルドにインタビュー。本作を通して伝えたかった思いや、ティーンの役を演じることなどについて話を聞いた。

ーー世界的大ヒットシリーズの新たなスタートを切る重要作でもある本作には、どのような経緯で関わることになったのでしょう?

ヘイリー・スタインフェルド(以下、スタインフェルド):最初はエージェントからこの話を聞いて、面白そうだと思ってとても興味を惹かれたの。そこから話が進んでいって、トラヴィス・ナイト監督と会って、いろいろ話をしたんだけど、「バンブルビーとチャーリーの関係を極力リアルに描きたい」というトラヴィスの発想がとても素晴らしくてワクワクした。それに、『トランスフォーマー』シリーズと言っても、あなたが言ったように“新しいスタートを切る”作品であることは私にとっても大きいポイントだった。

ーーこれほどの大作で主演を務めるプレッシャーはありませんでしたか?

スタインフェルド:もちろん多少のプレッシャーはあったけれど、私たちにはこれまでとは違う、独自の物語を伝えたいという強い思いがあった。とはいえ、これだけの人気シリーズだから熱心なファンがたくさんいることももちろん把握していたわ。だからファンの人たちに納得してもらえる作品にすることも重要だったの。ファンの人たちがこのシリーズで大好きな要素を含めながら、また違った形で新しい命を吹き込む。その両立が大事で、実際にそういう作品に仕上がったと自信を持っているわ。

ーーちなみに過去作は観ていましたか?

スタインフェルド:過去作は新作が公開される度に観ていたわ。最も印象に残っているのは、2007年に公開された1作目の『トランスフォーマー』。当時、兄と一緒に観たんだけど、彼はレースカードライバーでメカニックだから、昔から車にとても関心があったの。2人で楽しく映画を観ながら、そこで絆も深まったという思い出がある。私と兄はそれぞれ違う理由で楽しめたんだけど、2人が一緒に楽しめる映画はあまりなかったからすごく印象に残ってる(笑)。視覚的な映像表現も見事だったし、まさに劇場で体感する作品だったと思う。『バンブルビー』も同じようにアクション満載でありながらも、ハートウォーミングで感動できる作品になっているの。

ーー脚本にはあなたが主演を務めた『スウィート17モンスター』のケリー・フレモン・クレイグも参加していますね。そういう背景もあってか、どこか『スウィート17モンスター』の延長線上にある作品になっていると感じました。

スタインフェルド:確かにそうね。ケリーが参加する前からクリスティーナ(・ホドソン)が素晴らしい物語を書いてくれていたの。10代の悩める気持ちだったり、自分を見失っている混乱だったりという要素をね。そこからケリーが加わって、セリフなど細かい部分を磨き上げてくれて、この作品に特別なタッチを与えてくれたわ。2人の女性の声が混ざって、魔法が生まれたということね。

ーー2人の女性によって書かれた脚本だったのもあなたにとって大きかったと。

スタインフェルド:彼女たち女性によって物語が描かれていることは、より本作を特別なものにしてくれていると思う。特に、今回のように若くて強い女の子を演じるにあたって、脚本を手がけたのが実際に女性だったということは、彼女たちの感性や理解が作品に反映されているということでもあるから、私にとっても心強かった。男性だったら理解できないところもあると思うしね。クリスティーナとケリーは、“80年代の女の子”であるチャーリーをピンポイントで見事に捉えていたんじゃないかしら。

ーー今回の作品の舞台となった80年代の印象は?

スタインフェルド:私はもともと音楽が大好きなんだけど、80年代は素晴らしい音楽をたくさん生み出した時代でもある。作品の中でも、80年代の音楽はとても重要な役割を担っているの。そういった音楽とストーリーの繋がりは脚本の中でもきちんと描かれていたし、私もそういった楽曲を聞くだけで『バンブルビー』の世界に入り込むことができた。衣装やヘアメイクなども同様にね。

ーー『スウィート17モンスター』もそうでしたが、アメリカのティーンの役を演じさせたらあなたの右に出る者はいないように感じます。

スタインフェルド:ありがとう、嬉しい言葉だわ(笑)。何よりもまずそれぞれの作品の脚本がとてもよく書かれているからだと思う。面白いことに、私が20歳になったとき、「もう私はティーンじゃない! 大人になったからティーンの役はもう卒業」と思ったのと同時に、「いや、まだできる!」とも思って、できるうちにやっておこうという考え方をしたの。正直、あの時期、あの年代というのは誰しもが通る道であって、悲しくなったり悩んだりという感情や経験は、私自身未だに経験することでもあるから、すごく理解できるし共感できるところもある。演じるのは簡単ではないけれど、共感するのは簡単なの。

ーー20歳を超えてもティーンの役を演じることに抵抗はない?

スタインフェルド:そうね。『スウィート17モンスター』も『バンブルビー』も物語が10代であることがとても重要だったから。私はまだ22歳だから、そこまで年齢がかけ離れているわけではなかった。仮に私が25歳になってまだティーンの役をやっていたら、もしかしたら抵抗が生まれるかもしれないわね(笑)。今後、歳を取ることによって演じる役柄の幅が広がると思うし、今回のようにとても強いメッセージ性のある作品で特定の年齢の役を演じることができるのも、役者としてとても幸せなことだと思う。

ーー歌手としても活動しているあなたは、今回主題歌も担当していますね。さらにモデルなど多岐にわたる活躍をしていますが、それぞれの活動はお互いどのように影響を与え合っていますか?

スタインフェルド:役者も歌手もモデルも、全てがクリエイティブな場所だと私は思っている。全てが私の気持ちを開放できるもので、それぞれがお互いに有益なものになっているの。例えば今回のように、あるキャラクターを演じた結果が、楽曲として還元されるようにね。それが私だけではなく、他の人にも意味のあるものになってくれたら、とても嬉しいことだわ。(取材・文・写真=宮川翔)