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戸田恵梨香、有村架純、松本穂香、徳永えり……時代を席巻する「フラーム」の女優たち

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リアルサウンド

 戸田恵梨香、有村架純、松本穂香ーー現在、映画・ドラマ界を席巻する彼女たちは、同じ「フラーム」という事務所に所属する女優たちだ。決して多くはない人数で構成されたこの芸能事務所は、さしあたり、“女優の精鋭部隊”と呼べるものだろう。

【写真】「フラーム」女優たちの近年の出演作

 この「フラーム」を牽引するのは、やはり戸田と有村のツートップではないだろうか。両者ともここ数年、出演する作品ではことごとく主役級のポジションを得ている。公開中の『あの日のオルガン』で、逞しさと脆さを同居させた女性を演じている戸田は、大ヒットシリーズ『コード・ブルー』(フジテレビ系)の、満を持しての劇場版での好演も記憶に新しい。思い返せば彼女はこのほかに、『LIAR GAME』(フジテレビ系)や『SPEC』(TBS系)などのシリーズで主演。数々の“シリーズもの”で大役を務めている。シリーズ化に際し、作品自体が優れているというのは大前提だが、それを支え、また同時にその顔ともなるような存在が必要である。戸田とはまさに、そんな存在なのだ。

 有村も、いまや見かけぬ日はないほどの活躍ぶりである。彼女が若手世代の中でも抜きん出た存在であることは、その出演作を並べてみれば明らかだ。昨年は『コーヒーが冷めないうちに』と『かぞくいろ RAILWAYS わたしたちの出発』の2作品、そして今年はすでに『フォルトゥナの瞳』が公開されている。いずれも演じるのはヒロインだが、過去や秘密を抱えるものから、若くして未亡人となった女性の奮闘記まで、その振れ幅は目を見張るものがある。一筋縄ではいかないヒロイン像に、絶えずトライしているのだ。

 また、戸田と有村には、“NHKの朝ドラヒロイン”という共通項がある。戸田はこの2019年後期放送の『スカーレット』で、そして有村は2017年の『ひよっこ』でヒロインを務め、現在はその続編『ひよっこ2』が放送中だ。異例ともいえる朝ドラのシリーズ化に、有村もまた、戸田と同じような素質を持っていることがうかがえる。

 そんな一時代を築く、戸田、有村に後続する存在として、いま多方から熱い注目を浴びているのが松本だろう。昨年は『この世界の片隅に』(TBS系)のオーディションで主役を射止め、同作は彼女の代表作となったが、それ以外の作品では脇から支える立ち位置を担っていた。だが今年は、『おいしい家族』で長編映画初主演を飾り、『酔うと化け物になる父がつらい』と、主演作の公開が続く。さらには『きみと、波にのれたら』で声優に初挑戦。作品の顔になることや、声だけの表現の世界に踏み込んでいくことで、彼女の力量が試されることとなりそうだ。

 さて、「フラーム」といえば、彼女たちの少し上の世代もかなり手強い布陣となっている。“ヒロスエブーム”という、文字通り一時代を築き上げた広末涼子に、昨年『ブラックスキャンダル』(読売テレビ・日本テレビ系)で満を持してドラマ初主演を務めた山口紗弥加、このところ少し活動が落ち着いた印象もあるが、登場すれば必ずや場をさらう吉瀬美智子といった存在が顔を揃えているのだ。数多くの作品において、彼女たちがバイプレーヤー的なはたらきをすることは、優秀な若手輩出の一翼を担う側面もあるだろう。

 さらに、気鋭の映画監督・二宮健による挑戦的な全編アドリブ映画『疑惑とダンス』に出演した徳永えり、福田麻由子も「フラーム」の女優だ。作品そのものもそうだが、配給を「フラーム」が担当しているとあって、上映は連日華やかなお祭りの様相を呈していた。徳永は昨年夏季クールの『恋のツキ』(テレビ東京系)で連ドラ初主演をしており、子役出身で若くして長い芸歴を誇る福田は、間もなく公開の映画『ラ』でヒロインを務め、『スカーレット』への出演も決まっている。彼女たちからも目が離せない。

 そして、『寝ても覚めても』(2018)と『覚悟はいいかそこの女子。』(2018)という、まったくタイプの異なる作品でヒロインを演じ、大舞台へ登場することとなった唐田えりかの存在も大きな話題を呼んでいる。新たなる時代の到来を予感させるオムバス映画『21世紀の女の子』において、その指揮を執る山戸結希の監督作『離ればなれの花々へ』に出演したことは、彼女が新時代の映画界のミューズであることを決定づけたように思える。

 最後に、『中学聖日記』(2018・TBS系)に生徒役で出演し、主演であり「フラーム」の先輩でもある有村と堂々と渡り合った小野莉奈も要注目だ。今年は舞台作品への参加も決まっており、技を磨く大きな転機となりそうである。

 次々と新たな時代のヒロイン像、ひいては女性像を打ち立てている「フラーム」の女優たち。一般的に固定化された、“女優さん”というイメージに収まらない存在ばかりだ。時代を席巻する彼女たちの姿に、ときに翻弄され、ときに背を押されながら、この精鋭部隊全体の動向を追っていきたいものである。

(折田侑駿)