水谷豊と寺脇康文が「相棒」劇場版1作目を語る、合言葉は「いつも今を生きていこう」
映画
ニュース

左から杉下右京役の水谷豊、亀山薫役の寺脇康文
「さよなら 丸の内TOEI」の一環として上映される映画「相棒-劇場版-絶体絶命!42.195km 東京ビッグシティマラソン」の舞台挨拶が本日7月24日に東京・丸の内TOEIで開催。キャストの水谷豊と寺脇康文が、それぞれ杉下右京と亀山薫の役衣装で登壇し、ファンを沸かせた。
「相棒」は2000年にテレビ朝日・東映のタッグで始まった刑事ドラマシリーズ。2002年からの連続ドラマ放送を皮切りに国民的ドラマとして定着し、これまでに劇場版4作品、シリーズ関連映画2作品が製作された。「相棒-劇場版-絶体絶命!42.195km 東京ビッグシティマラソン」は2008年5月1日に公開された劇場版第1作。「東京ビッグマラソン」に参加する3万人のランナーと15万人の観客を巻き込む事件を阻止すべく、警視庁特命係の右京と薫が活躍する物語だ。監督を和泉聖治、脚本を戸田山雅司が担当し、興行収入44.4億円のヒットを記録した。
水谷の「ようこそ、『相棒』ワールドへ」という挨拶から始まった本イベント。おなじみの衣装に身を包んだ2人を見て、MCの荘口彰久が「大変な事件に巻き込まれるんじゃないか……」と不安を口にすると、寺脇は観客に向け「(会場から)出ないでくださいよ。事情聴取してから!」とおちゃめに応える。17年前の公開時、丸の内TOEIで舞台挨拶を行ったことを思い返しながら、水谷は「シリーズが始まったときから、映画を作りたいという思いがあったんです。ここに立ったとき、夢が実現したんだ、と思いましたね」、寺脇は「大きいスクリーンで観られたのは本当に感動しました」と語った。
撮影時のエピソードを問われると、寺脇は「隅田川に飛び込むシーンがあったんですが、寒くてぶるぶる震えて。そのあと暖房の効いた車の中でお昼ごはんを食べようとしたんですけど、寒すぎて割り箸が割れなかった!」と述懐する。続けて「豊さんは、爆発シーンで……」と話そうとすると、水谷は「それ以上は(言わないように)」と、この日初めて観る来場者のためにネタバレを阻止していた。
本作には、2024年10月に死去した西田敏行も出演している。寺脇は「西田さんと豊さんの2人のシーンがすっごくよかった。撮影を見に行ったのですが、セットから出てきた豊さんが『いい世界に行けた』とおっしゃっていましたね」と当時を振り返る。水谷は「この劇場版で初めて2人でお芝居をしました。ご一緒できてよかったですし、今日皆さんに観ていただけるのがうれしいですね」とほほえんだ。
「相棒」シリーズが単発ドラマとして始まった当初に話題が及ぶと、水谷は「大人がテレビを観なくなったと言われた時代だった。大人を振り向かせるためには、まず社会的であること、そしてエンタテインメントであること(を意識した)。そのために『いつも今を生きていこう』と2人で話していたのを覚えています」と、扱う題材や小物など各時代を反映してきたことに言及する。また水谷は、今や定番となったドラマでの前・後編について「始まった頃はものすごいひんしゅくを買ったんです。ロケ中に出会った方に『この間観てたらさ、続きだって言うじゃない。ずるいよ、やり方が!』なんて言われて(笑)。でもだんだん、そのやり方も楽しみにしてくれる方が増えました」と視聴者の声の変化についても口にした。
最後に寺脇は「この劇場版が公開されてから、1人でこっそり丸の内TOEIに観に来たことがあります。そんな思い出のある劇場で最後に観ていただけるということで、今日は最後までゆっくりお楽しみください」と呼びかける。水谷は「丸の内TOEI、そして『相棒』が、皆さんの記録よりも記憶に残っていただければと思っています」とコメントし、イベントを締めくくった。
提供:東映株式会社