これまでとこれからが交錯、林慎一郎「タイムズ」を劇団不労社・西田悠哉が演出
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西田悠哉 / 劇団不労社「タイムズ」チラシ表
西田悠哉 / 劇団不労社「タイムズ」が8月22日から25日まで京都・京都芸術センター フリースペースにて上演される。
これは、京都芸術センターが開館以来行っている、劇作家・演出家の育成や演劇作品の創作・発表の支援を目指したプログラム「KAC Performing Arts Program」として上演されるもの。「タイムズ」は2013年に初演された極東退屈道場・林慎一郎の戯曲で、今回は劇団不労社の演出家と俳優を中心としつつ、オーディションによって選出された俳優たちが出演するほか、音楽をin the blue shirtが担う。上演に向けて演出を手がける劇団不労社の西田悠哉は「『タイムズ』との出会いはちょうど約10年前、2015年の4月。伊丹のAI・HALLで佐藤信さんが演出されている公演を見ました。大学3回生になりたてのタイミングであり、劇団不労社の旗揚げ公演を行った翌月のことでした」「あの観劇から10年。当然ではありますが、劇団を旗揚げしてからも10年が経ったこととなります。2000年に開設された京都芸術センターの25周年を記念した公演の演出を打診され、あの時受け取った『わかる!』という感覚を確かめるべく、この戯曲を上演したいと申し出ました。奇しくも大学時代に足繁く通ったAI・HALLは来年で閉館となります。様々な節目が重なる年に、『これまで』と『これから』が交錯し、複数の『時間』が渦巻く公演にしたいと思います」とコメントした。
出演者には劇団不労社の荷車ケンシロウ、むらたちあきのほか、田川徳子、青年団の知念史麻と永井秀樹、夏目れみ、円盤に乗る派の日和下駄、ブルーエゴナクの増田知就、松永檀、喜劇結社バキュン!ズの吉田真知子が名を連ねた。
西田悠哉 コメント
タイムズとの出会いはちょうど約10年前、2015年の4月。伊丹のAI・HALLで佐藤信さんが演出されている公演を見ました。大学3回生になりたてのタイミングであり、劇団不労社の旗揚げ公演を行った翌月のことでした。太陽から大洋へ、原子から電子へ、bitからbitchへ、ワールド・ワイド・ウェブからワイルド・ワイルド・ウェストへ、そしてコインパーキングから「時」の世界へ...... といった具合に、ダジャレのような言葉遊びから、次から次へとイメージがザッピングされ、下ネタから存在論まで、ミクロとマクロの世界を目くるめく自在に行き来する、劇世界のあまりの自由さに興奮と感動を覚えました。膨大な台詞から発せられる圧倒的な情報量により、話の筋を捉えることも困難で、何を見たか他人に説明するのさえ難しいのですが、とにかく本能的に「わかる!」と思いました。この「わかる!」は、「理解した!」というより、人生で数回訪れる「自分のための劇だ!」という不遜な思い込みです。あの観劇から10年。当然ではありますが、劇団を旗揚げしてからも10年が経ったこととなります。2000年に開設された京都芸術センターの25周年を記念した公演の演出を打診され、あの時受け取った「わかる!」という感覚を確かめるべく、この戯曲を上演したいと申し出ました。奇しくも大学時代に足繁く通ったAI・HALLは来年で閉館となります。様々な節目が重なる年に、「これまで」と「これから」が交錯し、複数の「時間」が渦巻く公演にしたいと思います。
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