「カタシロ」には人間性が出る、東京公演初日で患者役の加藤シゲアキが面白さ語る
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パルコ・プロデュース2025「カタシロ~Relive vol.2~」より。(撮影:宮川舞子)
パルコ・プロデュース2025「カタシロ~Relive vol.2~」が昨日8月2日に東京・PARCO劇場にて開幕した。
ディズム作による「カタシロ」は、今年8月にシナリオ誕生5周年を迎える人気TRPG(テーブルトークロールプレイングゲーム)。昨年末、PARCO GAMESとPARCO劇場がタッグを組み、「カタシロ」初の有観客舞台、パルコ・プロデュース2024 PARCO 劇場スペシャル版「カタシロ~Relive vol.1~」が上演された。舞台上では、まだ「カタシロ」をプレイしたことのないキャストが、記憶を失った“患者”役となり、“医者”役と対話しながら、自身の内面と向き合うストーリーを紡いでいく。
このたび、東京公演初日の患者役として出演した加藤シゲアキと、ディズムのアフタートークコメントと写真が到着した。加藤は「(台本もなく作品の全容を知らないで臨むので)役として演じるものなのか、ほぼ本人として自然体でやるものなのか解らなかったのですが、ディズムさんからも『自然体でやるのがいいと思いますよ』と言われたので、肩の荷が下りて、もう身を委ねるだけだと思いました」とコメント。また「対話しながらも考えなければならないし、選択を迫られたときには、かなり逡巡しました。全貌が解らないまま話していたことを最後に突きつけられて、自己矛盾の中でどう決断していくのか、とてもいい経験をしました。それまでは、没入していてラフな感じで質問に対して回答していましたが、最後だけ自分の言葉で語らなくてはならなくて、逆にお芝居っぽいというか、フィクションの中でエモーショナルにぶつけられたので、その瞬間がとても楽しかったです」と話す。
さらに「『カタシロ』はとても人間性が出ますね。いろんな気持ちにもなるし、本当に面白かったです。こういうときにこういう風に言うんだな俺って思ったし、自分の芝居と本当の自分、フィクションとドキュメンタリーがとても重なるので、自分自身の物語を紡いだ感じがしました。ネット上で始まったと聞いていますが、舞台ならではの面白さがあるし、強烈ですね。最後の決断をするときに作家人格も少し出てきて、『どっちが面白いかな』、『主人公は楽じゃない方を引き受けるかな』と考えていました。小説を当事者のつもりで書いていましたが、やはり他者で、初めて自分で主人公を体験した気もしました」と実感を述べた。
ディズムは「加藤さんが、とても楽しんでいらっしゃったように思いました。もっと話したくて、最後に普段はしないような質問をしてしまいましたが、加藤さんの答えに、思っていた以上の現実を突きつけられて、絶句して、思わず正気に戻ってしまいました」と話す。また「開始直後から、加藤さんの答えには、社会全体とか、人間ってそうじゃないよねというような俯瞰した大きな視点を感じていました。ぜひ、次回は加藤さんに医者役をやってほしいですし、できると思いました。僕もお芝居は大好きですし、台本があり稽古して洗練されたものというのは、当然それでしか見られない良さがあると思っているのですが、本音でしゃべるという即興性があるからこそ、『カタシロ』ではその人なりの真実がみえてくると思っています。それでしか得られない誠の言葉というものが、皆さんに届いているといいなと思います。医者が変われば、あるいはもう一人の患者役が変われば、そして患者役が変われば全く別の物語になり得るので、ぜひ見比べてほしいと思います」と語った。
東京公演は8月7日まで。本公演はその後、16・17日に大阪・森ノ宮ピロティオール、23・24日に大阪・COOL JAPAN PARK OSAKA WWホールにて上演される。
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