ウェールズ2連戦で得た秋シリーズの強化ポイント、ラグビー日本代表ジョーンズHC「それは4つある」
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エディー・ジョーンズHC
『パシフィックネーションズカップ(PNC)2025』に向けての活動を前にした8月7日、ラグビー日本代表エディー・ジョーンズHCがメディアブリーフィングを行った。まず『リポビタンDチャレンジカップ2025』ウェールズ2連戦を総括し、『PNC』、さらに秋シリーズの強化ポイントをコメントした。
「ウェールズ戦で何を学んだか。それは4つある。ひとつめ感情的なスキルをトレーニングしないといけない。2戦目に向けてどう感情的に持っていくか。若手は2戦目に照準を合わすのは簡単ではないし、訓練が必要。
ふたつ目はアタックのバランス。近年のラグビーでは空中のコンテストがある。1試合で30回空中のコンテストがある。我々は超速を掲げているが、キックのバランスを取っていきながらアタッキングラグビーをしていかないといけない。『PNC』で発展させていきたい。
次にディフェンスの安定。もうすぐ発表されるが、新しいディフェンスコーチのもと、容赦ないディフェンススタイルを構築したい。
最後はリーダーシップのところ。ウェールズ戦はリーチ(マイケル)が戻って来て、素晴らしいリーダーシップを発揮してくれた。でも彼もキャリア終盤、毎回今回が最後という心づもりで参加している。『PNC』は彼がいなくなった時のリーダーシップを育成する絶好のチャンス」
ジョーンズHCはキックの向上にも継続的に取り組んでいくと言う。
「『PNC』でもピアーズ・フランシス(アシスタントコーチ)に参加してもらう。本当は『リーグワン』でキック力を上げてほしい。インターナショナルレベルでは新たなスキルを育成するのは難しい。我々はタクティクスで秀でていないといけない。今、試行錯誤している。
これは持論だが、ポジティブポゼッションとネガティブポゼッションがあると考えている。ポジティブポゼッションではボールをキープしたい。ネガティブポゼッションでは2回ラックを重ねるとディフェンスがセットされ、ディフェンス側が有利になる。タクティクスとしてはネガティブポゼッションの時にはキックを使い、新たなコンテストを経て、次のアタックにつなげていきたい。選手が集まったら、いろいろ試したいと思っている」
ラック周りでも改善が必要だと指揮官は言及した。
「基本的に良かったが、ファーストフェーズのブレイクダウンの精度が悪かった。ウェールズとの2戦目では、ファーストフェーズで4回ターンオーバーされた。問題は、ストラクチャーでのオーガナイズ、そこを整備しないといけない。ブレイクダウンでのスキルは上達している。ただ2戦目はウェールズのダブルジャッカルに対応できなかった。インサイドプレイヤーがもっと早くボールに寄らないといけないし、ボールキャリーもハードワークしないといけない」
「ブライトンの奇跡」から10年、今秋南アフリカとのテストマッチ実現に動いていると言われている中、ジョーンズHCも対戦を熱望した。
「世界のベストチームと試合をすると学ぶことができる。それ以上のものはない。時間もスペースもなく、フィジカル的にも圧倒されるのはわかっている。でも経験しないとわからないこともある。世界のベストチームに対して自分たちはどこにいるのか、ベンチマークになるだろう。南アフリカはパワーゲームの進化系を見せているし、我々はパワーゲームと対極のゲームをしないといけない。素晴らしいチャンスなので、私は南アフリカとのゲームを望んでいる」
強豪との対戦が続く秋シリーズでの目標を問われると?
「テストマッチごとに成長すること。相手に対してジャパンらしく攻める、ジャパンらしく戦うこと。各テストマッチで長い時間できるようにしたい。『PNC』の後には素晴らしいツアーが待っている。オーストラリアとやって、アイルランド、ウェールズ、ジョージアと戦う。これほど素晴らしいツアーはない。我々の若手がさまざまなフィールド、さまざまな天候、どれだけフィットできるか。短い時間でフィットしていかなければならない」
オーストラリアでの『ラグビーワールドカップ2027』への展望を質問されると、ジョーンズHCはこのように返答した。
「私はハーフなので、完璧な状況。自分の血の半分は日本人。故郷に戻って、ジャパンが活躍する大会にしていきたい。2015年と2019年の『RWC』ではジャパンが注目された。世界中の人がジャパンの試合を見たいと思った。『RWC』初戦の前日までに、そう思ってもらえるチームを実現したい」
日本代表は8月14日(木)に合宿に参加するメンバーを発表予定。8月30日(土)・ユアテックスタジアム仙台での『パシフィックネーションズカップ2025』プールB・カナダ戦、9月6日(土)・アメリカサクラメントでのプールB・アメリカ戦を経て、14日(日)・デンバー、20日(土)・ソルトレイクシティでのファイナルシリーズを実施。その後、10月25日(土)・国立競技場での『リポビタンDチャレンジカップ2025』オーストラリア戦を挟んで、欧州遠征の『リポビタンDツアー2025』へ突入。11月8日(土)・アビバスタジアムにてアイルランド戦、15日(土)・ミレニアムスタジアムにてウェールズ戦、22日(土)・場所未定にてジョージア戦がラインナップされている。
パシフィックネーションズカップ2025 日本代表vsカナダ代表のチケット情報
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