Download on the App Store ANDROID APP ON Google Play
Download on the App Store ANDROID APP ON Google Play
ぴあ 総合TOP > ぴあ映画 > 「まだまだ勉強の途中」鈴鹿央士が挑戦した声の演技の難しさとやりがい

「まだまだ勉強の途中」鈴鹿央士が挑戦した声の演技の難しさとやりがい

映画

インタビュー

ぴあ

鈴鹿央士 (撮影/米玉利朋子)

続きを読む

フォトギャラリー(17件)

すべて見る

アンデルセンの童話「人魚姫」をモチーフにしたボーイ・ミーツ・ガールなアニメーション映画『ChaO』がこの夏、誕生した。純粋でまっすぐな人魚のプリンセスと普通の青年が出会って恋に落ちる物語は、カラフルな色彩とファンタジーかつパワフルな映像美で描かれるのが魅力。そして、プリンセスと恋を紡ぐちょっと地味な青年・ステファンの優し気な声も魅力だ。その声を務めるのは、鈴鹿央士。どこにでもいそうな青年という普通すぎて逆に難しい役どころに瑞々しくリアルに命を吹き込んだ彼が感じた本作の素晴らしさとは?

好きなことにまっすぐなステファンを素敵だなと思いました

鈴鹿央士が初めて声優を務めたのは、2022年の「夏へのトンネル、さよならの出口」。心に葛藤を抱える港町に住む高校生のカオル役で飯豊まりえとW主演で声優デビューした。今年公開の「ドラえもん のび太の絵世界物語」でもゲスト声優を務め、話題になったばかり。3度目の声のお芝居となった映画「ChaO」では、山田杏奈とW主演でアンデルセンが生んだおとぎ話「人魚姫」の物語をベースにしたオリジナルアニメーションに挑んだ。

「オファーをいただいた時は、またこうしてアニメ作品に参加できるとは思っていなかったので、嬉しさと同時に身が引き締まる思いがありました。頑張らなきゃなっていうプレッシャーもありました。初めて『ChaO』の絵コンテを見せていただいた時、個性的なキャラクターデザインや未来感のある街並みの絵が独特で可愛い世界観だなと感じてワクワクしました。アフレコをするのが一気に楽しみになりました」

鈴鹿が演じるのは、船舶を作る会社で働くサラリーマンのステファン。船が大好きで、仕事に対して情熱を持っているキャラクターだ。過去のある出来事から海の生物を傷つけないスクリューの開発に勤しむ青年。キラキラした王子様でもなく、特別カッコいいわけでもない。ごくごく普通のサラリーマンが人魚王国のお姫さまに見初められたことから、平凡だった人生が大きく変わっていく。

「ステファンは、一見、どこか締まらない頼りげのない青年ですよね。ちょっと抜けていて、おっちょこちょいなところがあるけど、『いい船を作りたい』というその熱い想いは本物。エンジンの開発をしていて、自分のやりたいこと、好きなことに関しては、まっすぐな姿勢が魅力的なキャラクターだと思います。チャオと出会ってアプローチをされた最初の頃は『だって、魚じゃん!?』みたいな感じでしたが、チャオの一途な想いに触れてどんどん心の内が変わっていきます。心が揺れているのがすごくリアルに伝わってくるステファンは、すごく人間らしいキャラクターで好きですね」

ステファンは子供の頃の思い出から来る想いから、エンジンの開発に熱がこもるキャラクターだが、やりたいことに対して情熱的な部分が、鈴鹿が素敵だなと思うポイントだという。

「僕自身は、結構多趣味というか、いろいろなところに目がいっちゃう人なので……、ステファンの一途さは見習いたいくらいです(笑)。何か自分の好きなことを続けるとか、まっすぐ向き合うっていうのは素敵なことだなと、ステファンから改めて学びました。そんなステファンを演じる時、スタッフさんがよく褒めて下さって、僕もノリノリになりながら、楽しくアフレコできました」

チャオにはずっとキュンキュンしっぱなし

今作は、人間と人魚が共存する未来社会が舞台。ひょんなことからステファンが人魚王国のお姫さま・チャオに求婚されることから始まる。前代未聞の求婚は、世界中で知られるくらい有名になり、人間と人魚の友好関係を樹立できると騒ぎ立てられることに。ステファンはなぜチャオに求婚されたのか理由が分からないまま、一緒になる。ステファンとチャオの種族を超えたふたりの関係性を鈴鹿は、どのように思ったのだろうか。

「とても素敵な関係性だと思いました。とにかくステファンに一途なチャオが可愛らしいじゃないですか。自分から人間の世界に飛び込んで、慣れない中、人間の慣習や生活に溶け込もうとする姿が本当にけなげで、すごく愛おしいんです。そんな姿を見ていたら、ステファンもチャオに惹かれていくだろうなと思いました。僕はステファンがチャオに振り回されながらも、ふたりが寄り添う姿を見て、いいなと思いました」

チャオは、素直で純粋な性格。ステファンへの愛情にあふれている。人間界に来たばかりで不安な気持ちの時は魚の姿になり、心を許した相手の前だと人魚の姿になる。もちろんステファンと一緒にいる時は、人魚の姿になる時も……。ステファンを喜ばせようと電気ウナギの料理を作って驚かせてしまったりと、とにかくチャーミングなキャラクターだ。

「チャオには、ずっとキュンキュンしっぱなし。素直ですごく真っすぐ向き合ってくれる姿にときめきました。大きな瞳でステファンのことを見つめている姿がとてもチャーミングですよね。チャオの守りたくなるような可愛らしさは、山田杏奈さんが声で表現して下さいました。強さを感じられるところもあって、とても魅力的なキャラクターになったと思います」

覚悟を決めたあと、大人になったステファンの声に注目してほしい

本作の青木康浩監督によればステファンのキャスティングでは、「情けなさ」と「成長性」がポイントだったという。鈴鹿を抜擢した理由については、「ステファンの情けない一面を表現できる声が欲しかったのですが、単にそれだけでは彼の成長は描けません。鈴鹿さんの声には純粋さがありつつも、カッコよさとの切り替えがとても上手でした」と鈴鹿の声の表現を絶賛している。

「ドラマや映画では、台本を読んでいて役の声を掴めるようになっていくのですが、今回は声だけの表現なので、どうしていいか分からなくて。声のお芝居のテクニックがないので、難しかったです。監督さんからは、ステファンの青年期の声と大人になってからの声、年齢の幅があるので、そこはちょっと違いを出したいという指示をいただきました。最初はいきなりチャオから求婚されて戸惑っていたステファンが、“チャオと共に生きよう”と覚悟を決めてから、ちょっと大人になるというところを意識して声をあてました。最初からだんだん変化していくキャラクターなので、雰囲気が変わったのが伝わればいいなと思います」

繊細な声だけの表現は3度目の経験となるが、キャラクターの感情を身振り手振りのアクションなく、声だけで表現するのは難しかったと語る。

「声のお芝居と普段のお芝居、何が違うんだろう……。普段のお芝居は、アクションとか、そういうのでも感情表現できたりすると思うんですけど、声だけだとやっぱり伝わる要素が少ないから難しさがあるんですかね。でも、絵ではちゃんとステファンの表情を表現してくれているので、観る人の情報量は少なくはないですし。走るシーンなら実際ちょっとだけ身体を動かしながら声を出してみたり、臨場感を出すように工夫してみました。毎回アニメ作品に参加させていただくときは、監督さんから『大げさにやってみましょう』と言われます。映像作品をやっている感じだと、アニメの画に乗った時にもの足りないから、大げさにして欲しいというオーダーをもらうんです。そこは普段のお芝居との違いを感じる部分ではあります」

ちょっぴり情けなく、どこか脱力感あるステファンの声を魅力的なキャラクターとして活き活きと声をあてた鈴鹿。声のお芝居をもっと追求してみたい気持ちが芽生えたか尋ねると…。ビックリするくらい謙虚な答えが返ってきた。

「最初に初めて参加した作品の時からそうなんですけど。声のお芝居は、本当に奥が深いです。正直、やればやるほど分からなくなるというか、正解が分からない。アフレコ本番までに自分なりにこうしようという演技プランを準備していくんです。何も勉強せずにアフレコ前の練習に挑むのは不安なので。自分なりに調べていってから、実践の前の練習の中で、ちょっとずつ、掴んでいくみたいな感じでした。声優に限らず、映像でもまだまだ普段お芝居していても分からないことだらけ。勉強の日々です」

人見知りはするけれど、相手は“敵ではない”と思うと構えずにいられるように

人間の世界に慣れないチャオとの生活は、ドキドキハラハラ、ハプニングの連続。生活スタイルや食事もまるで違うふたりの共同生活ではトラブルが発生してしまうことも……。それでも、ステファンと一緒にいたい一心で日々の生活に奮闘するチャオ。人間の環境に順応しようと頑張るチャオのように、鈴鹿自身も環境が変わった時は、どのように慣れようと奮闘するタイプなのか気になるところだ。

「新しい環境というか、僕も撮影現場で新しい座組でやっていくということは、日常かもしれません。映画もドラマも慣れた頃にまた新たな作品で新たな共演者、スタッフの皆さんと一緒にお仕事をしていくという、その繰り返しですから。初めての顔合わせの時やクランクイン初日は、いまだにやっぱり緊張しちゃうんですけど。一緒に作品を作る人たちは、皆さんいい作品を作ろうと共に戦う大切な仲間であって、決して敵ではないですからね(笑)。皆さんチームの一員だと思って現場に入ると、緊張はしていても、最近では構えすぎずにいられるようになりました」

インタビューでは、ときおり人懐こい笑顔を覗かせつつ、終始穏やかな空気感を纏っていた鈴鹿。じつは人見知りだそうで、新しい現場に溶け込むときは、あまり無理をしないそう。

「共演者の方には頑張って話しかけようと意識せず、無理しない程度に話しかけています。『山か海どっちが好きですか?』とか、本当に他愛もない、そういう質問をするようにしています(笑)。正直、話すのは、そんなに得意じゃないので。でも、毎回クランクアップする頃には、チームの皆さんと離れるのが名残惜しいなと思いますね」

最近は自分好みのワインを探すのが楽しいです

今作は、世界が変わるようなミラクルな運命の出会いを描くストーリー。最近の運命的な出会いのエピソードを聞いてみると、ちょっぴり大人な返答が……!?

「最近、お仕事で海外へ行く機会があって、それが白ワインの有名なところだったんです。僕は普段あまりお酒を飲まないのですが、美味しい白ワインがたくさんあるということで、せっかくだから飲んでみようとスタッフさんたちと少しいただいたんです。そしたら、口あたりもよくて、本当に美味しくて、大感動……! これはお土産に買って帰ろうと思って、ワインの専門店に足を運びました。そこでは、僕の生まれ年の2000年のワインが置いてあったので、迷わず購入して。いつか節目というか、何か大事なタイミングがあったら飲もうと思って買って日本に帰りました。以来、ちょっとずつ白ワインを飲むようになってきたので、自分の気持ちを豊かにしてくれる、いい出会いだったなぁと。普段、自分の食事を作ることはないのでご飯に合うワインというのは意識してないですが、最近は自分の好みのワインをいろいろ探すのが楽しいです」

企画始動は9年前で、構成は約7年。誰も見たことのない新しいアニメーション映画を届けたいという想いで作られた本作。最高にハッピーでミラクルなラブストーリーのキャラクターに命を吹き込んだ鈴鹿が今届けたい想いとは?

「人魚と人間が共存する世界が舞台っていうその設定からユニークですよね。ちょっとアジア感と未来感が感じられる街の雰囲気も、見ているだけで楽しい映像に完成しています。チャオとステファンを取り巻くキャラクターたちも個性的で魅力的なキャラクターばかり。ステファンとチャオがどう出会って、どうやって愛を深めていくか、ぜひ見守っていただきたいですし、キュンキュンしながらいろんな感情をもらえるストーリーになっているので、楽しんでもらえると思います。魚の世界や海も描かれるので、ダイナミックに水が跳ねるようなアクション描写もいっぱい。その迫力がすごいので、ぜひ劇場の大きなクリーンで体感して下さい」

★「BOYSぴあ編集部」Xアカウントをフォロー&リポストで、鈴鹿さんのサイン入りポラを1名様にプレゼント!

【応募方法】
①BOYSぴあ編集部(@boys__pia)のXアカウントをフォロー。
②該当ポストを応募締め切りまでにリポストしてください。

【応募締め切り】
2025年8月27日(水) 23:59まで

【注意事項】
※当選者の方には8月28日(木) 以降にXアカウントよりDMにてご連絡いたします。やむを得ない事情によりご連絡や発送が遅れる場合もございますのであらかじめご了承ください。
※当選後、お送り先メールアドレスについてご連絡頂ける方のみご応募ください。個人情報につきましては、プレゼントの発送以外には使用いたしません。


<作品情報>
映画『ChaO』

2025年8⽉15⽇(⾦) より全国公開

声の出演:鈴⿅央⼠ ⼭⽥杏奈
シシド・カフカ 梅原裕⼀郎 / 三宅健太 / 太⽥駿静 ⼟屋アンナ
くっきー! ⼭⾥亮太
監督:⻘⽊康浩
キャラクターデザイン・総作画監督:⼩島⼤和
美術監督:滝⼝⽐呂志
⾳楽:村松崇継
アニメーション制作:STUDIO4°C
配給:東映
©2025「ChaO」製作委員会
《映画公式ホームページ》:chao-movie.com
《映画公式 X(旧 Twitter)》《映画公式 Instagram》:@ChaOmovie

【STORY】
⼈間と⼈⿂が共存する未来社会。
船舶をつくる会社で働くサラリーマンのステファンは、ある⽇突然、⼈⿂王国のお姫さま・チャオに求婚される!! ステファンは訳も分からないまま、チャオと⼀緒に⽣活することに!? 純粋で真っすぐなチャオの愛情を受けて、ステファンは少しずつチャオに惹かれていく――。2⼈の恋の⾏⽅はどうなる!?


撮影/米玉利朋子、取材・文/福田恵子

フォトギャラリー(17件)

すべて見る