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森昌子、引退会見で歌手人生を振り返る 「第2……第3の青春を取り戻していきたい」

音楽

ニュース

リアルサウンド

 森昌子が、本日3月28日にキングレコード株式会社にて引退会見を開いた。

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 森は、3月25日に2019年をもって芸能界から引退することを公式ホームページにて発表。記者陣の前に姿を見せた森は、「2度目の引退ですので、本来はこのような記者会見というのは非常に恥ずかしいのですが、3度目はございませんので、どうぞよろしくお願い致します」と笑みを浮かべながら挨拶をした。

 引退を決めた理由については、昨年の秋に還暦を迎えたことを挙げ、「『私も60歳になるんだ』とふと考えてしまうようになりました。これから自分の残された人生はあとどれくらいあるのかなと、なぜか真剣に考えるようになってしまったんです」と振り返り、「どうしても一つのことを終えてからでないと前に進めないというのがありましたので、引退を選択させていただきました」と引退の意思を述べる。

 13歳でデビューした森は、幼少期から自身の時間も少なく、決して思い出も多くなかった。会見終わりに記者陣に配られた手紙の中には、「私自身は幼少の頃からいじめられっ子で心も弱く、周りの助け無くして、還暦を迎える今の姿は考えられなかった」ともある。「芸能活動以外に時間をかけて、これからの自分の人生を大いに楽しんでいけるように」と森は引退後の人生に期待を膨らませた。

 引退については一番初めに母へ伝えたという。「母が3月13日に87歳の誕生日を迎えたんです。その時久しぶりに、母と2人で食事をしました。その時に母に『私ね。今年で辞めるの』と報告をしました。母はなんでもお見通しなので、『昌子、よく頑張ってくれたね。ありがとうね』と言ってくれました」と森は感慨深い表情を浮かべる。記者から引退を迎えての母への思いを聞かれると、「母がいなければ、子供を育てることも出来ませんでした。母がいてくれて、一生懸命教えてくださったから……」と言葉を詰まらせ、涙を拭く場面も見られた。

 長男はONE OK ROCKのTaka、三男はMY FIRST STORYのHiroとして国内のみならず、世界を股にかけ活躍しており、「子供達にも、今はお互いに忙しいので。1年に会えるかという状態の中で、メールで言いました。そうしましたら、同じように『お疲れ様でした』という返信が戻ってまいりました」と家族とのやりとりを明かす。記者から「海外へライブを観に行かれることも?」と聞かれると、「どうでしょうか。ないと思いますー!」とおどけて答えた後に、「子供達もおかげさまで皆様のお力で好きなことをやらせていただいておりますので。私も2度ほど観ておりますので、その成長は子供達が自信を持ってやってくれておりますので。……遠いし(笑)」と恥ずかしそうに答えていた。

 また、会見が開かれた3月28日は2006年に亡くなった父・常夫の命日でもある。「私は13年前の今日、『もう一度歌を歌わせていただきます』という記者会見をやらせていただき、その日の夕方に父が亡くなりました。また、本日3月28日にこのような引退の記者会見を行えたということも、父が天国で見ているのかな。こんな偶然ってあるのかなと思いました」と天を仰ぎ頬に涙を伝わせた。

 森は、一度結婚のため引退という道を選んではいるが、歌手人生47年という長きに渡り芸能界、歌謡界の現役であり続けた。「ファンの皆様、関係者の皆様にも恵まれた歌手人生だったと思います。でも、残念ながら私の力不足で、それがなかなか皆様にお伝えすることができない曲が……たくさんいい曲があるんです。ですから、そういう歌をこれから歌い継いでいっていただけたら嬉しいなという気持ちはあります」と森は明かしながらも、「私の中でも何かやりきった感って言いましょうかね。歌い手として、自分のやりたいことをやれてこれたことには本当に感謝しています」と歌手人生に悔いはないことを示す。引退時期については、12月中旬。現在開催されているコンサートツアー『森昌子㊗還暦コンサート~爆笑!コントで綴る昭和歌謡パート3~』がラストだと森は示唆する。前半50分のコントは変わらず継続し、最後は歌手として森昌子を創ってくれたデビュー曲「せんせい」で締めたいと宣言した。出場が期待される『NHK紅白歌合戦』(NHK総合)には「誘われないんじゃないですかね」とし、引退後は「一夜限りの復活」もないと明言。

 2度目の引退になったことには「今回の方が申し訳ない気持ちでいっぱいです……。1度目の引退の時はご報告というか、今回も違いはないんですけども、これだけ時間が経って、またこれから第2……第3の青春を取り戻していきたいと思います」と笑顔で表明した。会見終了後には、記者陣に向けて笑顔で両手を大きく振る。涙あり、笑いありの森昌子の人柄が滲み出る温かな引退会見となった。(渡辺彰浩)