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「リンダ リンダ リンダ」で得たのは“永遠の友達” ペ・ドゥナ、前田亜季、香椎由宇、関根史織が再集結して感じたこと

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「リンダ リンダ リンダ 4K」合同取材会の様子。左から前田亜季、香椎由宇、関根史織、ペ・ドゥナ

映画「リンダ リンダ リンダ 4K」の合同取材会が公開日の8月22日に東京都内で開催され、キャストのペ・ドゥナ、前田亜季、香椎由宇、関根史織(Base Ball Bear)が出席。20年ぶりに4人で集まった心境や、当時の思い出を語り合った。

2005年に封切られた山下敦弘の監督作「リンダ リンダ リンダ」は、文化祭直前にバンドを組んだ高校生たちが、THE BLUE HEARTSの楽曲をコピーすると決め、3日後の本番に向けて練習する様子を描いた青春映画。ペ・ドゥナが韓国からの留学生でボーカルのソン、前田がドラムの山田響子、香椎がギターの立花恵、関根がベースの白河望を演じた。

ペ・ドゥナ「舞台挨拶では、胸が張り裂けそうでした」

8月21日に行われた前夜祭舞台挨拶で20年ぶりに集結した4人。「再会する前は緊張していました」と明かすペ・ドゥナは、「4人でこうやって集まって、監督にもお会いできて、夢のような舞台挨拶でした。泣きそうになりましたし、胸が張り裂けそうでした」と語る。香椎は「(再会時は)私たち3人はメイク中だったんですけど、『ソンちゃん来たよー!』って言われて、メイクはちょっと置いておいていいですか?って(笑)。舞台挨拶の最後、はけるときにドゥナがドアにぶつかったんです。それを見たときに変わってないなと思って、ほっとしちゃって(笑)。再会した日は夢心地のような気分で過ごしていました」と回想。前田も「こうやって再会できたことが何よりもうれしいですし、20年経って、もう一度あんなに大きなスクリーンで観られるなんて、こんな幸せなことってなかなかないと思います。会場も満員で、お客さんから“待っていました!”という思いが伝わってきて、本当にうれしかったです」と口にし、関根は「私も緊張していたんですけど、会ったら3人とも変わっていなくて。すごくうれしかったですし、楽しい時間を過ごしています」と伝えた。

この20年間、お互いの活動が励みになっていたそうで、香椎が「次はどんな作品やるのかな? 今はどこで撮っているんだろう? どこでライブやるんだろう?って気になっていましたね」と言うと、前田と関根は「応援していましたね。同級生の友達という感じなんです」「そうだね」と同意。ペ・ドゥナも「この作品で永遠の友達を得た、永遠の同僚を得たような気持ちなんです」と続いた。

香椎由宇「何をやるにしても楽しかった」

4人は当時、カメラが回っていないところでも常に一緒にいたそう。関根が「4Kの公開にあたって『リンダ リンダ リンダ』のパネル展をやっていて、メンバーで撮り合った写真が飾られているんです。それを見返すと、みんな自然に抱き合ってる(笑)」と言うと、前田も「そう! ベタベタしてた」と笑う。ペ・ドゥナは「当時、みんな10代、20代前半だったと思うんですけど、3人がプロフェッショナルだったことが何より印象的でした。ライブをやり遂げるんだって、カメラが回っていないときも必ず練習していたんです。完璧にやるんだって!ってとにかく練習をしていました。不平不満を言わないこの3人のおかげで、現場での立ち居振る舞いの基準が上がってしまいましたね」と振り返る。

これに「おそれ多い!(笑)」と恐縮した香椎は「私たちが基準というか、『リンダ リンダ リンダ』の現場が基準になっていると感じます。デビューしてから、この作品が私にとって3作目なんですが、あの頃は香椎由宇としてできあがっていない頃。そんな中で、韓国からペ・ドゥナさんが来るし、さらに亜季ちゃんは前田亜季としてできあがっているし、史織ちゃんはプロのミュージシャンだし。私はどの立ち位置でいればいいんだろう?って。でも現場に入ったらそんなの気にならないぐらい楽しくて。ホテルではそれぞれの部屋があるのに、キムチや豆腐を持ち寄って、誰かの部屋に集まっていました。もう何やるにしても楽しかったですね。当時、私は高校生だったんですが、こっちの学校生活のほうが楽しかったし、出席してました(笑)」と暴露し、3人を笑わせる。

前田も「リハーサルしていても楽しかったし、空き時間にのんちゃん(関根)が練習に行ったら、みんなつられて演奏しだしたり。そういういい空気でした」と回想。ペ・ドゥナが「音楽が私たちにいい効果をもたらしてくれたと思います」と言うと、前田もうなずき「音楽が私たちをつないでくれましたね。スタジオで初めてみんなで合わせたとき、すごく楽しかったんです。私たちの演奏が曲になった!ってうれしくて。あのときのことは今でも覚えてます」と笑みをこぼした。

関根史織「得体の知れないエネルギーが込もった作品」

取材会では4人が「なぜ20年経った今でも、作品が愛され続けているのか?」について語り合う場面も。ペ・ドゥナは「コピーバンドが登場して、音楽が題材の青春ストーリーというのはこれまでもたくさん作られています。そんな中、この作品にはTHE BLUE HEARTSが伝えようとしているメッセージが盛り込まれている。また世界各国、それぞれ文化に差がありますが、この映画にはそういったものを超えて伝わるユーモアがあると思うんです。『リンダ リンダ リンダ』は老若男女問わず、笑わずにはいられない作品。さらに映画の中で描かれるストーリー、感情、感性は誰でも共感できるものだと感じます」と述べる。

香椎は「10代が持っているリズムってあると思うんです。大人になると1日が短く感じるけれど、高校生の頃はとても長く感じることがあった。彼女たちのリズムで過ごした時間を本当にそのまま映画に残してくれたので、同じように過ごした人に共感してもらえるのではないかと思います」と分析。前田は「等身大で、何者でもない4人がそこにいる。観る人たちも、彼女たちを観ながら、自分が過ごしてきた日々を思い返せる。とても物語に入りやすい作品だと思います。あとはやっぱり山下監督独特の低めのテンションが作品にぴったり。監督すごいです!」と口にする。関根は「この映画はすごく面白いけれど、いわゆる大衆に向けて作られた映画ではないと思うんです。だから、なぜこんなに評価されるんだろうって、出演している自分でもわからない。でも、キャスティングや監督の演出など、いろんなことが本当にうまくいったと思います。そこに何かマジックがある。ちょっと得体の知れないエネルギーが込もった作品だと思いますね」と言及した。

前田亜季「『リンダ リンダ リンダ』には魔法が掛かっている」

20年間、何度も見返しているファンがいるという話題になると、前田が「ここ2人は観てないんですよ!(笑)」とペ・ドゥナと香椎を見やり、4人は声を上げて笑う。ペ・ドゥナは「私は自分が出演した作品をなかなか見返せないんです。現場で100%が出せたと感じても、どうしても足りない部分があるんじゃないかと思ってしまって。モニタも観られないですし、試写で観ても気に入らない部分が気になってしまう。でも前夜祭の日に20年ぶりに『リンダ リンダ リンダ』を観て、なかなかうまくやってるじゃないか!って思えました」と伝えた。

何度も観返しているというのは前田と関根。前田は「すごく好きな作品なのでふとした瞬間に観たくなります。あとは自信がないときに観て、私はこんないい時間を過ごしたんだ!って励まされます」と明かす。関根は「本職で音楽をやっているので、フェスに行ったりするんですが、いろんなところで、“『リンダ リンダ リンダ』の人だ! すごい好きなんです!”って声を掛けられるんです。そのたびにすごい熱量で愛情を伝えてくれるので、そんないい映画だった?って観返します」と笑う。

観られない派の香椎が「この映画を好きだって言われたら、ドゥナと私はたぶんうまく返せないです」と話すと、ペ・ドゥナも「うん、逃げたくなっちゃう(笑)」と同意。香椎が「自分でも、今回4Kの試写によく行ったなって思います」と言うと、前田は「私もこれだけですよ。ほかの映画は観返したりできないけど、これだけは観返したくなる。『リンダ リンダ リンダ』には魔法が掛かっているんです」と語った。

「リンダ リンダ リンダ 4K」は東京・新宿ピカデリーほか全国で公開中。三村恭代、湯川潮音、山崎優子(新月灯花 / RABIRABI)、甲本雅裕、松山ケンイチ、小林且弥らも出演し、向井康介、宮下和雅子、山下が脚本を手がけた。

ヘアメイク(前田亜季、香椎由宇、関根史織)

坂本志穂(グラスロフト)

スタイリスト (前田亜季、香椎由宇、関根史織)

大園蓮珠

ヘアメイク(ペ・ドゥナ)

SADA ITO

衣装クレジット

香椎由宇

トップス:6万4900円
パンツ:7万400円
シューズ:6万8200円(TOGA PULLA / TOGA原宿店 03-6419-8136)
リング:2万5300円(VV / rhodes showroom 03-6416-1995)

前田亜季

シャツ:6万9300円
パンツ:7万9200円(Y's / ワイズプレスルーム 03-5463-1540)
リング:2万2000円 (tsugumi iwamoto / rhodes showroom 03-6416-1995)
その他スタイリスト私物

関根史織

ジャケット:8万4700円
パンツ:8万8000円
ブラウス:4万8400円
ブーツ:10万3400円(Y's / ワイズプレスルーム 03-5463-1540)
イヤカフ:1万6500円(VV /rhodes showroom 03-6416-1995)

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