ウルトラ寿司ふぁいやーインタビュー【アルバム編】。6人での新体制初のニューアルバム、リリース!「バラエティに富んだ楽曲が詰まったアルバムです」
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インタビュー

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すべて見る取材・文:かわむら あみり
オリジナリティあふれる個性豊かな音楽を届けている6人組エンタメバンド「ウルトラ寿司ふぁいやー」。アカペラ出身者とロックバンド出身者が出会って結成され、確かな技術で“誰がいつ見ても楽C(たのしー)”ライブを展開している彼らは、9月8日(月)にニューアルバム『NEW鰓(ERA)』をリリースする。さらに9月13日(土)からは全国ツアー「秋の味覚大満足ツアー『極上6貫にニューアルバムを添えて』」を開催。メンバーの脱退を経て、新体制となった彼らが最新作に込めた思いとは? メンバー全員にインタビュー。【ツアー】(https://lp.p.pia.jp/article/news/436542/index.html)と【アルバム】について、二度にわたってお届けする。
――2025年9月8日(月)に5枚目のアルバム『NEW鰓』をリリースされます。アルバムタイトルはいつもメンバーのみなさんで決めているのですか。
Jぺい 気づけば、全作、僕がタイトルを付けていますね。
翼 毎回、その時の心情や身の丈を考えて、どういうふうにしていきたいかというバンドの実情をJぺい(Vox,司会)が反映しているのかなと。
Jぺい アルバムのタイトルに込めたコンセプトとしては、自分たちが6人になって初めて出す音源のすなわち「ここからが新しいひとつの時代である」という意味での『NEW鰓』です。
――「エラ」の英語表記は「ERA」で「時代」という意味を含んでいるということですね。毎回タイトルには漢字が入るのですか?
Jぺい そうなんです。1stアルバム『In鮪ダクション』の「トロ」は漢字の「鮪」だったり、2ndアルバムの『What We 貫』の「キャン」は「貫」になっていたり。僕らのバンド名が「ウルトラ寿司ふぁいやー」なので、タイトルにも何か寿司や魚に関連する漢字を入れさせていただいています。
――楽曲制作はいつもどなたが中心で進行されていますか?
Jぺい だいたい加部ちゃん(Gt,Cho)ですね。
――レコーディングはいつ頃から?
翼 今年の4月頃から「作ろう」と、みんなで話していました。
Jぺい 春から準備運動し始めた感じです。
尚也 9月から始まる全国ツアーが決まったので、それまでにアルバムを作ることになりました。
――では、今作の収録曲からいくつかお聞きします。軽やかなポップソングの「しょーがねーじゃん」の曲作りで意識した点は?
まじくん この曲に関しては、Jぺいのアイデアからスタートしました。スタイリッシュなラップが出てくるのですが、どちらかというとマイナーな雰囲気のダークな楽曲にチャレンジしようという意見があって。これまではハッピーな楽曲が多いので、今回はそういった意見をもとに加部ちゃんが作ってきたトラックを改変しながら完成まで持っていって、プロデューサーの近田潔人さんにも少し関わっていただき仕上げていきました。
――いつもみなさんで意見を出しあって曲を仕上げているのですか?
加部 いろいろな形があります。入り口は無限で、例えば初期の頃は、セッションで集まってできた曲もあれば、完全に個人で完結して「これでいこう」と決めてみんなで仕上げていくものもあって。この「しょーがねーじゃん」は、Jぺいが案を出し、最初はまじくん(Sax,Key,Perc,Vox)と僕で話し合って、持ち帰って僕が曲を作ってきて。そこからまた話し合いながら肉付けしていきましたが、曲によって作り方は変わりますね。
Jぺい 今回初めてだったのは、3人が対面で曲の種作りから行ったこと。僕の家に集まって、ああでもないこうでもないと言いながら、メロディを考えていって。
まじくん 確かに初めての試みだった。一番チャレンジしたのは、この曲だね。
加部 サウンド面も今までにないアプローチが多くて。歌詞は今までのウルトラ寿司ふぁいやーの“元気・ハッピー・ちょっとトンチキ”みたいな路線にはなっています。
――「パルプンテ」は賑やかで疾走感のある曲ですね。
Jぺい 昨年の8月にライブで初出しした曲です。加部ちゃんに「ラップやりたい」と言って作ってもらったトラックの上に、歌詞とメロディを僕がのせました。今回、元SOUL’d OUTのShinnosukeさんにトラックメイクをアレンジしていただいて、「パルプンテ」はドラゴンクエストの呪文の名前なんですが、その着想を引き継いでくださっています。ゲームの効果音のようなものをサウンドとして入れ込んでくださったり、途中に出てくる「運命」のジャジャジャジャーンというフレーズを入れてくださったり。遊び心を持って制作を進めてくださったので、納得のいく楽曲になりました。
尚也 最初はめちゃくちゃ簡素なものだったんですよ。
翼 そう、尚也(B,Cho)の言うように、バンドサウンドに少し鍵盤がのる曲だったんです。
まじくん バンドの形ではひとつの完成形はあって、ライブではそれでやってきていて。
加部 あれはあれでいいよね?
まじくん そうだね。トラックメイカーの方にかっちりとトラックメイクをしていただくと、派手に変わって世界観が出たなと。
尚也 面白くてまた違ういい曲になった。
加部 カッコいいよね。
――「実家暮らしのバンドマン」はゆったりとした大人のラブソングですね。
Jぺい タイトルからは想像つかない曲になっていますね。これは加部ちゃんが昔作っていたデモがあって、今年の初めに新曲を作っていこうと話していた時に、いろいろな曲を掘り起こしていたら発見して、「この曲歌ってみたい!」となって。4割ぐらいは当時の面影が残っているんですが、ライブで歌ってみてもどこかふわっとした曲だったんです。先ほどの「パルプンテ」と同じく、この曲の場合はSkoop On Somebodyさんにご協力いただくことができたら、面白い形で仕上がるんじゃないかな……と、お願いするとSkoop On Somebody のKO-ICHIROさんとKO-HEYさんがアレンジを引き受けてくださって「うわ、いいぞ!」という曲になりました。
まじくん すごく気持ちいい曲になって、アグレッシブになって。バンドでライブをする時にテンションが上がります。
加部 キメがすごいよ。
まじくん コードもおしゃれで、複雑なキメがいっぱい出てくるから、めちゃくちゃカッコいい。
翼 本物に教えてもらったという感じがします。AORというジャンルを僕らの中で消化するのではなく、プロのど真ん中の人に教えていただいたら、こんなすごい曲になった。
Jぺい ライブで披露してふわっとしていたと先ほどお話ししたのですが、僕は「いい曲だな」と思っていたものの、バンドメンバーが演奏のテンション感にしっくりきていないところがあって。それがSkoop On Somebodyさんからアレンジが来たタイミングと、ボーカルのTAKEさんが「バラードじゃなくてスロージャムな感じ」とおっしゃって、その言葉ですごくみんなが「そうだ!」と腑に落ちた瞬間があって、すごく印象的でした。
加部 スロージャム、いい言葉ですよ。
Jぺい うん。TAKEさんが歌詞も面倒見てくださって、「これがいいよ」「このJぺいの感じが面白いから歌詞にしなよ」と後押ししてくれて。僕が昔TAKEさんと飲んでいた時にポロっと言った「女医の紐になりたい」っていう言葉を覚えていてくれて、「絶対入れたほうがいいよ」と。だから、「女医とエンジョイ」という歌詞が入っています。

――「ベベルギア」は、ギターが耳に飛び込む爽快なロックサウンドですね。
翼 一番好きなジャンルを好きなように入れさせてもらった曲です。
まじくん 「明日へゴー!!」という曲も収録されているんですが、翼が作った「ベベルギア」や「明日へGO!!」のようなテイストの曲は、ライブで必ず活躍する曲になるんです。
Jぺい そういう曲があったらいいよね、とよく話すわりに誰も作らないという(笑)。
加部 本当にそう。翼(Ds,Cho)はギタリストよりもギタリストっぽい曲を作るんですよ。逆に僕はあまりギタリストっぽい曲を作らないんです。
Jぺい 確かにね。
加部 深く考えなかったけど、ギターに頼らないですごい曲を作ろうって、もしかして自分に枷をしているのかもしれません。
――そうして新体制になられて完成した『NEW鰓』は、ユーモアがちりばめられたキャッチーなメロディと独創性にあふれた世界観が堪能できる作品になっていますね。この新しいアルバムをどのようにみなさんに聴いてほしいですか?
Jぺい 新しいことをやっているので、もしかしたらお気に召さない曲もあるかもしれませんが、バラエティに富んだ楽曲が詰まったアルバムになっています。きっと好きになっていただける曲があるはず。
翼 バイキングみたいなアルバムだよね?
Jぺい そう! 今回、さまざまな方の力を貸していただいたり、メンバー間でもお互いに表現に関して踏み込むようなことも率直に伝え合ったり。当初、新しいアルバムを作るにあたって、「自分たちらしさみたいなものは残るんだろうか?」と、僕は不安視していたところがあって。新体制になるという大きな変化はありましたが、昔からのファンの方が受け入れがたい結果にはならない作品ができて安心しているところです。現状、聴いている限りは、「全然僕たちらしいな」って。
尚也 どんなアルバムになっているのかな、と心配しなくて大丈夫。普通に「6人の音源が楽しみ!」というテンションで聴いてくださったら、きっと受け入れていただける作品にはなっていると思います。
翼 メンバー6人が一番好きなジャンルはそれぞれ異なるのですが、僕自身が「そのジャンルはあまり聴かないかな」と好きな曲ばかりを作っていくと、新しい音楽に触れる機会もなくなりますよね。でも、僕らにはさまざまなテイストの曲があるから、あらめて「そういうジャンルってカッコいいな」「このテイストのこういうドラムって叩いていて面白い」といった気づきもあるんです。
今回、バラエティに富んでいるアルバムになっているので、とくに新たな発見が多かったです。ファンの方も、いろいろな楽曲のジャンルが今回の10曲の中にあって、普段は聴かない曲も聴いてみると意外と「けっこう好きかも」という発見があるかもしれない。僕はあったので、そういう聴き方をしていただいてもうれしいですね。バンドの愛情がたくさん詰まっている楽曲たちなので、すごく僕ららしさが詰まっているアルバムになっています。
――いろいろなお話をありがとうございました。では最後に、今後の抱負をお聞かせください。
Jぺい 締めの言葉は、なめちゃん(Pf,Cho)からお願いします!
なめちゃん わかった(微笑)! これからツアーも始まりまして、バンドとして初めて行く土地も多いので、ウルトラ寿司ふぁいやーのライブを初めて見てくださる方もいらっしゃると思います。そういう方からすると、アルバム以外の曲も新曲になりますが、今までの曲も聴いてほしいですね。そして、新しくなった6人のサウンドもたくさん聴いていただいて、今までの“ウル寿司”とこれからの“ウル寿司”、全部好きになってもらえるように僕らも頑張ります!
<リリース情報>
5thアルバム『NEW鰓』

2025年9月8日(月)発売
【通常盤】3000円(税込)
【特典DVD付き】4500円(税込)
<公演情報>
秋の味覚大満足ツアー ~極上6貫にニューアルバムを添えて~
【熊本公演】9月13日(土) 熊本Django
【福岡公演】9月14日(日) INSA
【広島公演】9月15日(月・祝) 広島Cave-Be
【岡山公演】9月17日(水) CRAZYMAMA 2nd Room
【奈良公演】9月19日(金) NEVERLAND
【大阪公演】9月22日(月) Yogibo META VALLEY
【愛知公演】9月23日(火・祝) ell.FITS ALL
【宮城公演】9月28日(日) LIVE HOUSE enn 2nd
【茨城公演】10月5日(日) club SONIC mito
【千葉公演】10月12日(日) 千葉LOOK
【埼玉公演】10月19日(日) 浦和ナルシス
【神奈川公演】11月2日(日) 横浜ReNY beta
チケット情報:
https://t.pia.jp/pia/event/event.do?eventBundleCd=b2560223
公式サイト:
https://www.ultrasushifire.com/
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