主演舞台『炎の風景』開幕!辰巳雄大が苦悩と葛藤を抱えたエンジニアを熱演!
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(左から)小宮有紗、波岡一喜、辰巳雄大、須賀貴匡
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すべて見る辰巳雄大が主演を務める舞台『炎の風景』が9月12日、よみうり大手町ホールで開幕した。イギリスの劇作家ジョー・ペンホールが2007年に発表した「Landscape with Weapon」を、小川絵梨子の翻訳、松森望宏の演出で舞台化。辰巳をはじめ、共演する須賀貴匡、小宮有紗、波岡一喜が意気込みを語った。
“平和のための抑止力”という名目のもと、新型無人航空機開発のため、政府プロジェクトの一員となった航空技術エンジニアの苦悩と葛藤を描いた人間ドラマ。航空力学の研究者・ネッド(辰巳)は、世界各国の政府的な思惑によって、自らが開発したドローンが軍需産業に取り込まれ、取り返しのつかない事態になっていく様に恐怖を感じる。
辰巳は「苦悩と葛藤、そして希望を詰め込んで、ネッドとしての人生をまっとうしたい。ドラマであり、ドキュメンタリーのような時間もお届けできる、勝負できる作品です」と強い意気込み。軍事開発を題材にした内容だが、同時に「人との関わりや家族愛が描かれていて、そこにものすごいエネルギーが凝縮されている」といい、「登場人物それぞれが、舞台上で“炎の風景”を描くと思うので、ぜひ劇場で生の演劇を味わっていただきたいです」と作品の深淵な魅力をアピールした。

台詞には専門用語が多く盛り込まれており、「自分がいただいた役のなかで過去一番の台詞量ではないかと。台本の奥の奥まで理解するところから始めましたし、翻訳劇ですから、理解できない習慣が出てくれば原作に立ち返り、濃密に向き合った」と振り返る。「スマホを触らずに終わる日があるほど。休憩中も台本を読んで、また共演の皆さんとも絆を深めていきました」(辰巳)
波岡は、ネッドを非難しつつも、心配している兄のダン役。「お客様の目線にも立ちながら、ああじゃないか、こうじゃないかとネッドに意見したり、アドバイスしたり。心優しきお兄ちゃんを演じさせていただいている」と自身の役どころを説明。「完全なる会話劇なので、台本の解釈や本読みに長い時間を費やしました。あとは舞台上で会話するだけなので、何の心配もなく、僕らの会話を楽しんでいただければ」と見どころを語った。
兄弟を演じるにあたっては、「顔合わせの日に、LINEを交換しようって言ってくださって。劇中でもそうですけど、普段も自然と“兄貴”と呼ばせていただいています」(辰巳)、「特別に何か意識せず兄弟でいさせてくれる。子犬のように来てくれるんで(笑)、関係性は作りやすかったですね。忍耐力とパワーがすごくて、しんどいとか一切弱音を言わない」(波岡)と、自然な形で絆が結ばれたと明かした。

政府側の人間で、ネッドにシステム売却と使用権譲渡を持ちかけるロスを演じる小宮は、「凛とした女性として、舞台に立てれば」と抱負を語り、秘密情報局のブルックス役を勤める須賀は「一人だけスーツをパリっと着こなし、兄弟を、あの手この手で追い詰める役です(笑)」と不敵な笑みを浮かべた。
共演する辰巳については、「悩みや苦悩を抱えた役で、一つひとつのシーンが重いのに、楽しそうに稽古場にいらっしゃる。作品、そして演劇への強い思いを感じました」(小宮)、「とてもしなやかで、羨ましいと思うほど。本当に素敵で、久しぶりに稽古中、涙が出そうになりました」(須賀)と称賛の声を送っていた。
取材・文・撮影/内田 涼
<公演概要>
『炎の風景』
[東京公演]
日程:2025年9月12日(金)~21日(日)
会場:よみうり大手町ホール
[兵庫公演]
日程:2025年9月27日(土)~9月28日(日)
会場:神戸朝日ホール
[作] ジョー・ペンホール(原題:Landscape with Weapon)
[翻訳] 小川絵梨子
[演出] 松森望宏
[出演] 辰巳雄大 / 須賀貴匡 / 小宮有紗 / 波岡一喜
チケット情報:
https://w.pia.jp/t/landscapewithweapon/
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