“絶望の静寂”を表現した「ラスト・ブレス」サウンドデザイナーのコメント到着
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「ラスト・ブレス」場面写真
2012年にスコットランド沖で発生した最悪の潜水事故をリアルに描いたサバイバルスリラー「ラスト・ブレス」。このたび、本作のサウンドデザイナーであるベン・ベアードのコメントが到着した。
「ラスト・ブレス」では、北海のガス・パイプライン補修のため水深91mの海底で作業を行っている最中、母船が荒波に流され、深海に投げ出されてしまった飽和潜水士の姿が描かれる。もっとも危険を伴う職業の1つと言われる飽和潜水士。彼らは海底に張り巡らされたパイプラインや通信ケーブルのメンテナンスなどのため、水深300mもの海底に潜ることもあるという。
ベアードは「ダイナミックな音と静寂のバランスをどう取り入れるか、何度も議論を重ねました」と制作を振り返る。また「テレビのドキュメンタリーはチャンネルを変えられるかもしれないという不安を抱えながら制作されますが、映画の場合は観客が自ら選んで観に来ているので、よりダイナミックと静寂の緩急をつけた表現に挑戦できるんです」と語った。
その「挑戦」は、フィン・コール扮する新米ダイバーのクリス・レモンズが水深90m地点で事故に巻き込まれ、彼の命綱が無残に引きちぎられる場面に反映されている。ベアードは「クリスの命綱が切断された瞬間、命の保証はもちろん、『ほかの登場人物たちから完全に切り離された』ことをより印象強くするため、切断シーンの音楽も含めてすべてをカットしました」と、“絶望の静寂”を表現したことを明かす。該当のシーンは「映画『ラスト・ブレス』“極限潜水”立体音響予告編(イヤホン推奨)」でも確認できる。
アレックス・パーキンソン監督作「ラスト・ブレス」は、9月26日より東京・新宿バルト9ほか全国で公開。ウディ・ハレルソン、シム・リウ、クリフ・カーティスらも出演した。
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