Download on the App Store ANDROID APP ON Google Play
Download on the App Store ANDROID APP ON Google Play
ぴあ 総合TOP > 小沢真珠×川久保拓司にインタビュー 「世に生まれた朗読劇で1番面白い!」 VISIONARY READING『三島由紀夫レター教室』開幕へ

小沢真珠×川久保拓司にインタビュー 「世に生まれた朗読劇で1番面白い!」 VISIONARY READING『三島由紀夫レター教室』開幕へ

ステージ

インタビュー

チケットぴあ

(左から)小沢真珠、川久保拓司

続きを読む

フォトギャラリー(7件)

すべて見る

三島由紀夫の同名長編小説を原作とした、VISIONARY READING『三島由紀夫レター教室』が2025年10月7日(火)から12日(日)まで、東京・紀伊國屋ホール(東京都新宿区)で上演される。
本作は、ただ物語を「読む」だけでなく、「映像で、朗読劇が、物語が、動き出す。」をコンセプトに、従来の朗読劇の概念を覆す、革新的な舞台体験ができるコンテンツをお届けする新感覚の朗読劇シリーズ「VISIONARY READING」の第一作目。AOI Pro.が長年培ってきた映像制作のノウハウを最大限に活用し、朗読×アニメーションというまったく新しいスタイルで舞台化する。
公演期間中さまざまなキャストが回替わりで登場するが、今回、出演する小沢真珠と川久保拓司にインタビュー。三島由紀夫作品に対する思いや、初の“朗読劇”に対する意気込みを聞いた(小沢と川久保は10月9日(木)13時回で共演。小沢は9日(木)19時回、10日(金)13時回にも出演する)。

「奇跡的な時間になるのでは」

――脚本を読んだ感想を教えてください。

小沢真珠(以下、小沢) ひと言で言うと、本当に面白かったです。朗読劇ですし、お手紙のやり取りが続くとなると、どうなんだろう……と思っていたのですが、読むだけで情景が目の前に広がる脚本でした。声だけで、私が最初に見えた景色をどれほどお客様に伝えられるかが勝負になるなと思いました。

川久保拓司(以下、川久保) まず1番最初に思ったのは、出てくるキャラクターが全員クセモノそろいだなと。それが本当に面白いですよね。そんな彼らが手紙をやり取りするわけです。今はメッセージアプリでも「送信取り消し」機能があったりしますけど、手紙は取り消せない。お相手に渡す前にいろいろなことを思って、試行錯誤して、文章を練りに練って、最後に「えいやっ!」と送る。クセモノたちが手紙を準備している姿もまた、想像して面白かったです。

――小沢さんは「英語塾を営む未亡人の氷ママ子」、川久保さんは「そのボーイフレンドで、服飾デザイナーの山トビ夫」を演じます。キャラクターに対する印象は?

川久保 僕のキャラクターは、最初は「どんな人間だよ!」とお客さま思われるかもしれませんが、僕自身がこの時代に生きていたら、意外と共感できるかもしれないと思っています。ひねくれているほど、純粋で、まっすぐに伝えたいことを伝えられなくて、ああいう言い方をしているのかな、と。詳しくは話しませんが、まさか最終的にこうなるなんて、ねぇ!

小沢 そうですね。でも、意外とこういうこともあるのかもと思いました。

川久保 ママ子もトビ夫も“めんどくさい”人なんですよね。お互いにその“めんどくさい”部分が気に入っているのでしょうね。

――今回はVISIONARY READINGということで、映像とのコラボレーションも楽しみです。

川久保 そうですね、どうなっていくんでしょうか?

小沢 私自身、まだ想像がつかないです。

川久保 お稽古するときに、その映像を見させていただくのか、それとも僕たちの芝居からインスパイアされたものが当日になって見られるのか……。

小沢 確かに客席で見たいですよね。

川久保 AOI Pro.による映像と、朗読が融合することで、新しいものが生まれそうだなという予感はあります。原作が書かれたのは1960年代で、その時代設定もあわせて考えると、それも面白い。何が起こるのか、ワクワクします。

小沢 告白するタイミングを逃してしまいましたが、私、朗読劇自体が初めてなんです。

川久保 え! 実は僕も朗読劇は初めてなんです。

小沢 本当ですか! 川久保さんについていこうと思っていたのに。(笑)

川久保 僕もです。お互いついていこうと思っていたんですね。(笑)

小沢 私はドラマに限らず、動きで気持ちを作るなど、動きありきのお芝居しかやってこなかったので、声だけでお芝居をするなんて……! まったくの未知への挑戦です。

川久保 まさに小沢さんが話されたとおり、動きが制限されている分、僕らの声と映像で多くのことを伝えなくてはいけませんからね。何かしらの工夫が必要なんでしょうが……それぞれ稽古はあれど、メンバーが一堂に会するのは当日しかないという緊張感がいい作用を生む気もしているんです。ちょっとした奇跡的な時間になるのではないかと思っています。

――今回はおふたりのように俳優チームもあれば、声優チームもあります。その点、いかがですか? 「負けられない」という思いなどはありますか?

川久保 同じ山を登っているんですけど、登る道は違いそうですね。僕、声優さんの朗読劇を拝見しに行ったことがあって、声だけで想像を掻き立てられる素晴らしい舞台だったんです。僕ら俳優はというと、大袈裟かもしれないけど、それぞれがこれまでの経験を乗せた朗読劇もまた特別なものになる気がしています。

小沢 そうですね。私自身は、動き出さないように気をつけなくてはですが(笑)、今までのお芝居の経験から作品を面白い方向に持って行ければいいなと思っています。

三島由紀夫作品なのに、ポップでコミカル!

――小沢さんはかなり久しぶりの舞台ですよね。

小沢 そうなんです! あえて舞台を避けていたわけではありませんが、子育てをしていることもあって、現実問題としてなかなか取り組むことができなくて。10年以上空いているので、本当に緊張します。川久保さん、いろいろよろしくお願いします。

川久保 いやいや、こちらこそお願いします。本当に勝手なイメージですけど、小沢さんはまったく緊張しなさそうなイメージを抱いていました。

小沢 とんでもない。すごく緊張してしまうので、本番前にめちゃくちゃ話しかけにいくと思います(笑)。「緊張する」と言い続けていると、楽になるタイプなので(笑)。

川久保 分かりました。その緊張が少しでもほぐれるようにしたいと思います(笑)。

小沢 ありがとうございます(笑)。でも舞台を観に行くのも楽しいですが、いざ自分が舞台に立つのも楽しいですよね。ドラマなどの映像とはまったく違って、お客さまの反応がすぐに返ってくるから、楽しいし、やりがいを感じます。

川久保 そうですね。映像作品は、失敗したらもう1回撮り直すことができるけれど、舞台作品は“ショー・マスト・ゴー・オン”の世界で、何があっても前に進んでいく。もちろん怖さもありますけど、逆に言ったら、何が起きてもいいという感覚もあるんです。
例えば誰かが舞台上で転んでしまったとする。イレギュラーなことが起きたときに、それをみんなでカバーしたり、むしろ特別な回になったりするわけです。僕はそういうところが舞台の醍醐味だと思います。

――三島由紀夫の生誕100周年です。何か三島由紀夫に対する印象や好きな作品などはありますか?

川久保 僕、初舞台が『黒蜥蜴』(2003年)だったんです。江戸川乱歩の原作を、三島由紀夫が戯曲化した作品で、美輪明宏さんが主演されました。今思うととんでもない舞台が初舞台だったと思いますが(笑)、その作品はとても文学的と言いますか、硬派な作品だったので、今回のようなポップな作品があることは知らなかったですし、驚きました。運命的なものを感じますし、嬉しいです。
きっとお客さまの中にも「三島由紀夫」という名前から、ファイティングポーズをとるというか、どこか覚悟を持たないと見られないのではと思う方もいると思います。でも、今回は三島作品といえども、気軽に見てもらえる、楽しい企画ですから。安心してほしいです。

小沢 私は学生のときに三島由紀夫の作品を読んだ記憶がありますが、今回の『三島由紀夫レター教室』のようなポップでコミカルな作品も書かれているとは知りませんでした。昔の設定なのに、全然古くない感じがしますよね。ちゃんと笑えるし、今の私たちの思いに通じるところもあるなと感じました。

世に生まれた朗読劇で1番面白い!?

――「レター教室」ということで、おふたりにとって忘れられないレターは?

小沢 決して長い手紙ではないんですけど、娘たちからもらった手紙ですね。「ママいつもありがとう」とか、ひと言ふた言書かれていたり、似顔絵が描かれていたりするんです。忙しい日であっても、私自身もお礼の手紙を娘たちに返すようにしています。その方が子どもたちも喜ぶかなと思って!

川久保 素敵なエピソード! 僕にも子どもがいますが、子どもからの手紙はすごくストレートに思いを書いてくれるから、すぐに感動しちゃうし、すぐに泣いちゃいますよね。
僕自身が忘れられない手紙は、とあるファンの方からいただいた手紙です。その方はちょうど困難な時期を過ごしていたときに、たまたま僕の出演していた『ウルトラマンネクサス』(2004〜2005年)を見てくださって、「川久保さんのおかげで生きることができました」と。僕はその手紙を受け取ってから、ああ、俳優は人の人生を動かすことのできる仕事なんだという気づきを得て、見える景色がガラッと変わりました。

――最後に観客の皆さまにメッセージをお願いします!

川久保 今まで世に生まれた朗読劇の中で1番面白いです! 僕自身初めての朗読劇なのに断言しちゃいます!(笑)。でもそれぐらい、世の中の皆さんが持っているであろう“三島由紀夫”というイメージからかけ離れた、華やかなものが待っている気がしているので、肩の力を抜いて、ただただ楽しんでほしいです。必ずや自分の人生の心のひだに触れるような、いろいろな要素が詰まっている芝居だと思います。本当に楽しみにしていてください。

小沢 本当に魅力的で個性的なものすごい方々がたくさん出てくる舞台なので、楽しんでいただきたいです。私自身、久しぶりの舞台で、初の朗読劇で、緊張しすぎて、どうなるか分かりませんが……それも含めて楽しみに来ていただけると嬉しいです。

取材・文/五月女菜穂

<公演情報>
VISIONARY READING『三島由紀夫レター教室』

日程:2025年10月7日(火)~12日(日)
会場:紀伊國屋ホール

[原作] 三島由紀夫 『三島由紀夫レター教室』
[脚本・演出] 大和田悟史

[各回出演者]
10月7日(火) 19:00 下屋則子 井上和彦 野中ここな 狩野翔 山口智広
10月8日(水) 13:00 美弥るりか 溜口佑太朗(ラブレターズ) 北野瑠華 田中雅功(Sakurashimeji) 中野周平(蛙亭)
10月8日(水) 19:00 中村繪里子 吉野裕行 佐々木琴子 比留間俊哉 益山武明
10月9日(木) 13:00 小沢真珠 川久保拓司 太田夢莉 田中雅功(Sakurashimeji) 森もり(破壊ありがとう)
10月9日(木) 19:00 小沢真珠 溜口佑太朗(ラブレターズ) 太田夢莉 高橋健介 中野周平(蛙亭)
10月10日(金) 13:00 小沢真珠 新木宏典 小栗有以(AKB48) 樋口裕太 三瓶
10月10日(金) 19:00 阿澄佳奈 岸尾だいすけ 月音こな 重松千晴 中澤まさとも
10月11日(土) 13:00 下田麻美 川田紳司 礒部花凜 畠中祐 増元拓也
10月11日(土) 19:00 椎名へきる 三宅健太 鬼頭明里 寺島惇太 山中真尋
10月12日(日) 12:30 井上麻里奈 神尾晋一郎 土屋李央 市川蒼 石谷春貴
10月12日(日) 18:00 井上麻里奈 高橋広樹 小泉萌香 土田玲央 小林竜之

[案内人(声の出演)] 津田健次郎

チケット情報:
https://w.pia.jp/t/mishima-letter/

フォトギャラリー(7件)

すべて見る