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『Cross-stage Vol.1: Aqua Timez × TOMOO』に向けて「どの時代にも色褪せない音楽を作ってきたという自負は、多分メンバーもあると思う」(Aqua Timez)

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Text:吉羽さおり Photo:笹原 清明、Kana Tarumi

MTVによる対バンライブイベント『Cross-stage』が、10月20日(月) 東京・豊洲PITで開催される。第1回となる今回の組み合わせは、デビュー20周年を迎え期間限定で再結成中のAqua Timezと、今年初の武道館公演を成功させ、さまざまなミュージシャン/クリエイターからも支持を得るシンガー・ソングライターのTOMOO。

Aqua Timezが再結成を発表した際、大森元貴(Mrs. GREEN APPLE)、Ayase(YOASOBI)など様々なアーティストがSNS等で喜びの声を上げたが、TOMOOもそのひとり。再結成後のツアーも各地で盛況で、音楽番組や人気YouTubeコンテンツ「THE FIRST TAKE」への出演も大きな話題となり、またライブだけにとどまらず新曲も多数リリースしてきた。

限られた時間のなかでも、現在進行形での今の5人、Aqua Timezを見せているのはファンにとってうれしいところだろう。その現在について、また「Cross-stage」を迎える思いを5人に語ってもらった。

──まずは『Cross-stage Vol.1』でTOMOOさんとの対バンが決まったときの思いから聞かせてください。

TASSHI(ds) TOMOOさんは太志が昔から知っていて、それきっかけでメンバーもTOMOOさんの音楽に触れていて、素敵な音楽を作る方だなというのがあったので。このタイミングでまさか、ご一緒できるなんてということで、いいイベントになりそうだなと思いましたね。

TASSHI(ds)

──TOMOOさんはAqua TimezについてSNSはじめいろんなところで影響を受けたことやリスペクトを公言していましたが、そのことはご存じでしたか。

太志(vo) そう言ってくれていたようなんですけど、僕はそういうことを何も知らずに5、6年前にSNSで見つけたんです。僕はバンドを解散してからTwitter(現・X)をやるようになったんですけど、そこでTOMOOちゃんが、自分の部屋でおでこに絆創膏を貼っつけてぬいぐるみを持ちながら歌っている動画があって。それで1コーラス聴いちゃって。

mayuko(key) ピアノも弾いてないの?

太志 弾いてない。で、当時でいうリツイートさせてもらったんですよね。僕らはスタジオでみんなで作って、ミックスをしてマスタリングをしてやっとその曲を人に届けるという世代ですけど。今の若い子って、こんなふうに部屋でポンと撮って、たった1曲で人を魅了するんだなって感銘を受けたんです。そこから他の曲も聴いてという感じだったから、まさかこうしてライブを一緒にする日が来るとは思っていなかったですね。

──みなさんはTOMOOさんというアーティストについてどう思っていますか。

OKP-STAR(b) じつは僕が知ったのはすごく最近で、ドラマのエンディング主題歌となった「エンドレス」だったんです。初めてあの声を聞いたとき、すぐに検索しました。これは誰だ!?って。それで初めて知って、へええって思っていたら、太志がよく聴いているアーティストだって言ってて。声だけであそこまで持っていけるというか、惹きつけるパワーがあるんだなっていう。久々に素晴らしい声の持ち主だなって思ったんですよね。

mayuko 最初に聴いたときびっくりしましたね、私たち世代も大好きって思うような質感と言ったらいいのかな。声質もすごくTOMOOちゃんにしか出せない声だから、素敵だなと思ったし。しかもAqua Timezの音楽を好きだと言ってくれていて、無人島に持っていきたい一枚に選んでくれてたと聞いて、私たちの音楽とは結構違うから意外だなっていうか。

太志 たしかに、TOMOOちゃんの音楽は都会的で。僕たちは全員田舎から出てきて、いなたさもあったから。畦道が思い浮かぶみたいな感じがあったけど。

mayuko TOMOOちゃんは都会のまっすぐな道の曲というかね(笑)。

大介(g) 曲調でいうと僕らの音楽とは結構違うので、きっとマインド的なところとかで影響を受けているのかなという気はしますね。でも、音楽ってまったく別のものがこうして対バンで一緒になったりするのが、面白いので。お互いに刺激し合えるようなライブになるだろうなと思っていますね。さっきもみんなでTOMOOさんの曲を聴いていたんですけど、まだ若いのになぜこんな洒落た音楽をやっているのかっていう。それを対バンのときに本人にも聞いてみたいです、なぜそんなふうに音楽をやれてるのかとか。

大介(g)

──TOMOOさん然り、Aqua Timezに影響を受けましたとか聴いていましたという若いアーティストやバンドたちが今こうして音楽シーンに出てきている状況については、どう感じているんですか。

太志 時の流れを感じますよね(笑)。

TASSHI それはほんとに。

太志 僕たちはリアルタイムで平成を生きてきて、そのときにTOMOOちゃんやMrs. GREEN APPLEの大森くんとかは、まだ小学生だったりしたわけで。この間Little Glee Monsterと音楽イベントで一緒になったんですけど、運動会の縄跳びのときに「虹」が流れていたんですと言っていて。ミセスは組体操のときだって言ってたかな。

mayuko みんな運動会で(笑)。

太志 そうやってあのとき体操服を着てた子たちが、今の令和の音楽シーンを作っている。それに、びっくりしちゃって(笑)。親と子くらい年齢が違う人たちと同じステージに立っていられる、そこまで音楽ができているかも、デビュー当時はわからなかったし、今最前線で道を進んで行っている人とステージを一緒にできるということ自体、いい緊張感がまた生まれるんじゃないかなと思っています。

──それはいい音楽、時代を経ても褪せない音楽を作ってきたからこその今じゃないですか。

太志 そう言ってもらえるとありがたいですよね。自己評価が低かったから(笑)。

TASSHI 他のメンバーはサウンドとかのアウトプットが違うみたいな表現はしてましたけど、僕はわりとTOMOOさんとAqua Timezの本質は一緒だなと思っていて。まさにおっしゃっていただいたような、どの時代にも色褪せない音楽をAqua Timezは作ってきたという自負は、多分メンバーもあると思うんです。TOMOOさんの音楽も最初に聴いたときに、例えば「LUCKY」という楽曲をラジオで聴いたとき驚いたんですよね。恥ずかしながらまさか令和の新曲と思わずに、70年代とか80年代の曲なのかなっていう、それくらい今の音楽のトレンドをいい意味で意識していなくて。彼女なりの楽曲で、歌メロもすごく余白がある作り方をされているので。我々も、20年前の楽曲をフェスでやったりもするんですが、そういう20年前の曲でも今聴いても色褪せないというところを、きっと魅力に感じてくれているのかなと思いますし。僕もTOMOOさんの音楽はこれから10年後、20年後も色褪せずに残っていくと思うので。今回のイベントでは、コラボステージもできるので、本当に光栄ですし楽しみだなと思います。

──そこはとても楽しみです。20周年で再結成を決めたときと、実際こうして約1年半活動やライブを回ってきて、実感していることや湧いてきている思いというのはありますか。

太志 ありがたいことに、こんなに忙しかったっけって思いましたね。Aqua Timezっていつも忙しい忙しいって自分たちで言ってたんだけど(笑)。

大介 (笑)。

太志 新曲も、僕たちが作りたいって言ったのもあるんですけどね。新曲を作ってリリースをして、スタッフの方も頑張ってくれて、MVやジャケットも全部、こだわりを持ってできたし。で、ツアーがあったり、テレビに出させてもらったり、こうして取材をオファーしてくれたりとか、目まぐるしくやってきた1年半で。個人的には曲も作っていたので、準備期間も入れると2年半くらいになるんですけど。実際に蓋を開けて今の活動期間としての1年半は、あっという間で、もう代々木まできてしまったなという。これは本当に悔いは残せないですし、自分たちとしては40代最後の青春をしているような感じがありますね(笑)。バンドって若者のものだって俺は思ってたし、音楽自体が若者が最先端なものを作っていくと思っていますけど。俺たちなりの青春をできていて、思ってもみなかった未来が、結構幸せな未来なので。本当に楽しかったですしね。いろんなことはあったけど、必死に取り組んできてよかったなと思います。

太志(vo)

──9月にはシングル「空いっぱいに奏でる祈り」がリリースとなりました。この20周年というタイミングで、ファンの方にとってはこのタイトルからしてたまらないものがあると思いますが、この曲はいつくらいから制作をはじめていたんですか。

太志 これは久々にみんなで入ったスタジオの時にはあったよね?なので、2年前にはあったのかもしれない。この「空いっぱいに奏でる祈り」というのは、インディーズ時代に出したミニ・アルバムのタイトルなんですけど。原点ということでもこの言葉は自分たちにとって大事なものだし、これをタイトルにした曲を作りたいということで作りはじめたんです。なんですけど、最初はアレンジを固め切らずに、一旦置いておいたんです。こういう曲ってそのままやろうと思うと、だらっと間伸びしていってしまう危険も孕んでいて。それこそいなたいものになってはいけないなって、別の曲に取り掛かったり、そこから別の曲のレコーディングやライブの準備をするなかで、5人の勘を取り戻しながら、それがこの「空いっぱいに奏でる祈り」にうまくはまっていった感じでしたね。本当に形になってよかったなと思いますね。

──みなさんはこの曲を最初に聴いたとき、どんな印象を持ちましたか。

TASSHI まさに太志節と言いますか、それこそTOMOOさんとも通じるところですが、時代に関係なくこれが太志の歌うメロディであり、これがAqua Timezの音楽だというど真ん中で。歌詞もずっと太志が表現してきている、生きる上での悩みや葛藤だったり、人と人との関係性だったりを歌っているので。これを2025年にAqua Timezで表現できるのはうれしいなというのはありましたね。

OKP-STAR Aqua Timezのど真ん中なのはそうなんですけど、昔だったら表現できないより懐が深い感じの演奏にできたこと、それを自分たちが納得できる状態で表現できたことっていうのがうれしかったですね。これは昔だったらできてないくらい、難しい表現なんですよね。それを、この20周年でできたという喜びがありましたね。

OKP-STAR(b)

──とても印象的だなと思うのが、最初は歌とピアノとSEのシンプルさでスタートして、どんどん音やコーラスが重なっていって包容力を増していく、曲が大きくなっていくのがサウンドでも表現されているのがいいですね。

mayuko この最後のコーラスを歌ってくれているのは、ソプラノ♪ 7ボーイズ とすずかけ児童合唱団のみなさんなんですけど、よかったですよねレコーディングも。

太志 まさにこのタイトル部分をね。20年前につけたタイトルだけど、あの子たちはその当時に生まれてないわけだからね。

OKP-STAR そうだね。

太志 不思議でしょうがないんですよね。当時、俺たちが必死に生きてて、にっちもさっちもいかない状態であのタイトルをつけたとき、あの子たちはまだ生を受けてなかったんだなって。TOMOOちゃんもそうだけど、音楽の前では世代を超えていけるっていうのを僕らがいちばん感じているんじゃないかなと思いますね。

──「空いっぱいに奏でる祈り」はインディーズ時代のミニ・アルバムのタイトルとしてつけられたものですが、Aqua Timezの音楽を象徴するような、印象的なフレーズだと思います。これまでこのタイトルで1曲作ってみようという発想はなかったんですか。

太志 なかったんですよね。もう次へ次へと作らなきゃという日々だったので、一回忘れちゃってたくらいで。でもその必死さがあったから、Aqua Timezを世の中に知ってもらえたと思うんです。このタイトル、自分たちのデビュー盤にこだわることなく新作を作り続けて、あのときにいい意味で苦しんだので。それがまさか今になって、生きてくるとは思わなかったですね。20周年のために作ったわけじゃないけど、20周年に向かっていろんな偶然が重なって生まれたし、5人で演奏ができて、ファンのみんなが歌ってくれたりという、歴史があってのことなので。これは本当に時の重みだなって思いますね。

──ここは変わらないなと思ったのは、単に幸せをみんなで分け合うっていうことじゃなくて、悔しさや悲しみを分け合って、それでみんなで一体になれる、いい涙を流せるという歌になっているのがAqua Timezですよね。

太志 そうですね、僕はそういう自分のあらゆる感情をこのバンドに作品に込めたいと思っていたし。この曲を書くときに野球、WBCの決勝を思い出してて。

mayuko 2023年の日本とアメリカの試合?

mayuko(key)

太志 そう、それがずっと浮かんでて。最後、大谷選手が投げて勝利が決まった瞬間、他の選手がうわーってグラウンドに走ってきて、めちゃくちゃ喜んでいて渦になってて。今はみんな大人だけど、元々野球少年だった選手たちが、子供みたいに喜んでいる姿に日本中が感動したわけじゃないですか。僕らも、何歳になっても、バンドでそういうふうになれたらいいなって思ったんですよね。きっかけとしてはスポーツからイメージをもらったけど、ああいうふうに感じたい気持ちはバンドマンもスポーツマンでも変わらないし。みんなでひとつになるまでは悔しい思いも絶対あるし、スポーツはもちろん音楽もそうで。なかなか混ざりあえない瞬間もあったりするけれども、ああいうふうでありたいなというのがあったので。12月の代々木第一体育館でのワンマンはとくに、こういう感情の渦が生まれるといいなと思っているんです。

──12月26日(金)、27日(土)に代々木第一体育館で開催となる『Aqua Timez  20 th Live -OLDROSE-』は20周年の集大成となるライブとなります。今、どのようなライブにしたいと考えていますか。

TASSHI 今まさにライブの構想を練っているところなんですけど、これぞAqua Timez、“This is Aqua Timez”という内容になっていると思いますし。ありがたいことに僕らがこの20年、世代を超えて愛してもらった音楽を、次の世代にというか。この先もずっと僕らの音楽が残っていくような1日にしたいと思っています。

mayuko 再結成するとなってから、おかげさまで全力疾走でここまできている感じなんですけど、ファンのみんなはファンのみんなで、私たちがやると決めたんだからと一緒に走ってくれているんですよね。だからこそみんなで最後の日、太志が言ったようなことになったらいいなとも思うし。前回のファイナルのライブ、2018年の横浜アリーナのライブ(『Aqua Timez FINAL LIVE“last dance”』)ときは、みんな悲しいけど笑顔で送ってもらったというのがあったかなと思うので。今回の代々木でのライブは、みんなで1年半走ってきたから、一緒に笑顔でゴールテープを切る日にしたいなと思っています。

<公演情報>
『Cross-stage Vol.1: Aqua Timez × TOMOO』

2025年10⽉20⽇(月) 東京・豊洲PIT
開場18:00 / 開演19:00
出演:Aqua Timez、TOMOO

【チケット情報】
オールスタンディング 6,600円(税込)
※ドリンク代別

▼プリセール2次受付:10月8日(水) 23:59まで
https://t.pia.jp/pia/event/event.do?eventBundleCd=b2561697

『Aqua Timez 20th Live -OLDROSE-』追加公演

2025年12月26日(金)・12月27日(土) 
国立代々木競技場 第一体育館

Aqua Timez 公式サイト:https://www.aquatimez.com

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