人生は毎日が“初めて”だ…「ヤンヤン 夏の想い出」岩井俊二が新たに演出した予告解禁
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「ヤンヤン 夏の想い出 4Kレストア版」新場面写真
「古嶺街(クーリンチェ)少年殺人事件」で知られるエドワード・ヤンが、2000年に発表した最後の長編監督作「ヤンヤン 夏の想い出」の4Kレストア版が12月19日に公開される。このたび、岩井俊二が新たに演出を手がけた予告編が到着した。
「ヤンヤン 夏の想い出」は、台北の高級マンションで家族と暮らす8歳の少年ヤンヤンを中心にした群像劇。親戚一同が集まった母の弟の結婚式を境に、一家の歯車が徐々に狂い始めるさまがつづられる。YouTubeで解禁された映像には、イッセー尾形演じるゲームデザイナー・大田の「なぜ私たちは“初めて”を恐れるのか。人生は毎日が“初めて”だ」というセリフなどが切り取られた。
2000年の公開時にも本作の予告編を手がけた岩井は「2007年。突然の訃報が舞い込んだ。奇遇なことに葬儀のあったウエストウッドの墓地のすぐ近くにいて、参列することができた。現場では気難しい時もあると聞いていたが、僕にはいつも笑顔で、僕もエドワードを兄のように思っていた。まさか『ヤンヤン』が最後の作品になるとは思わなかった。歳月は過ぎたが、エドワードの作品は今もまったく色褪せない」とコメントしている。
「ヤンヤン 夏の想い出 4Kレストア版」は、東京のBunkamuraル・シネマ 渋谷宮下、シネスイッチ銀座、109シネマズプレミアム新宿ほか全国で公開。
※「古嶺街少年殺人事件」の古は牛偏に古が正式表記
岩井俊二 コメント
エドワードと初めて会ったのは1996年の台湾。三人の監督がお互いの国で映画を撮影するという企画Y2Kプロジェクト構想を聞いた。結局は僕だけ挫折して申し訳ないことをした。実現していたら「リリイ・シュシュのすべて」の舞台は台湾だったはずだ。結局エドワードも若干の日本ロケを入れつつも台湾を主たる舞台に作品を作った。それが「ヤンヤン」だった。
2007年。突然の訃報が舞い込んだ。奇遇なことに葬儀のあったウエストウッドの墓地のすぐ近くにいて、参列することができた。現場では気難しい時もあると聞いていたが、僕にはいつも笑顔で、僕もエドワードを兄のように思っていた。まさか「ヤンヤン」が最後の作品になるとは思わなかった。歳月は過ぎたが、エドワードの作品は今もまったく色褪せない。
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