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ぴあ 総合TOP > 演劇集団キャラメルボックス 劇団創立40周年記念公演第2弾『トルネイド 北条雷太の終わらない旅』、2025年12月、大阪、新潟、東京で上演!

演劇集団キャラメルボックス 劇団創立40周年記念公演第2弾『トルネイド 北条雷太の終わらない旅』、2025年12月、大阪、新潟、東京で上演!

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(左から)成井豊、林貴子、鍛治本大樹、山本沙羅 (撮影/黒豆直樹)

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1995年に『レインディア・エクスプレス』というタイトルで初演。2003年に『彗星はいつも一人』として再演された作品が、キャストを一新、タイトルも新たに『トルネイド/北条雷太の終わらない旅』として上演される。作・演出の成井豊がこれまでに生み出した登場人物の中でも「一番好き」と語る主人公・北条雷太に扮するのは鍛治本大樹。物語に深く関わるふたりの女性を林貴子、山本沙羅が演じる本作。成井、鍛治本、山本、林がそれぞれに劇団創立40周年記念公演第2弾となる本作への意気込み、そしてキャラメルボックスへの思いを語り合った。

――不老不死となってしまった幕末の武士・北条雷太の文字通り“終わらない旅”を描く本作が40周年の締めとなります。意気込みを聞かせてください。

鍛治本 40周年記念公演ですが、キャラメルボックスにとってクリスマスの時期に行う公演は特別なものがあると思っています。今作もクリスマス色があって、一年に一度、大切な人への思いにあふれている作品ですから、みなさんと素敵なクリスマスが過ごせることに今からワクワクしています。

山本 鍛治本さん、林さんより劇団員としてのキャリアが短い私にとって、40周年の今年は特別な1年になりました。40周年最後の締めくくりとして、気を引き締めて頑張ります!

 キャラメルボックスにとって、クリスマス公演は本当に特別な公演です。お客さまにとってもそうだと思いますし、私たち劇団員にとってもすごく特別。40周年ということもありますけど、いつも通り誠意をもって、一生懸命お客さまにお届けしたいと思っています。

成井 クリスマス公演って第5回公演の「子の刻キッド」(1987)の初日がクリスマスだったから、「クリスマス公演」って無理やり銘打って始めただけで、それがこんなに続いちゃったんです(笑)。クリスマス公演だからサンタクロースやトナカイを題材にしてきて、この芝居も初演はトナカイをテーマにしようと思って『レインディア・エクスプレス』というタイトルにしたんですけど、書いてみたらトナカイが出てこなかった(苦笑)。それで再演の時にタイトルを『彗星はいつも一人』に変えたんですが、そこでアイテムをクリスマスケーキにしたんです。ある男がある女の子にクリスマスのケーキを届けに来る話にしようと。そして今回が3度目。新たな挑戦に自分も期待しています。

――最初に配役を聞かされた時の心境は?

鍛治本 北条雷太は劇団の大先輩、西川浩幸さんが担われていた役ということで、すごく大きいものを感じていますし、『彗星は〜』の映像を改めて見て、これまで演じたことのない役への挑戦になると思いました。正直、いまの段階では北条雷太が何を思って行動しているのか、まだ掴みきれてはいないという、これまで経験したことのない状態でなんですが、未知数な部分をどう血肉にしていくことができるのか、ある意味ワクワクしている自分がいます。

 私は朝倉ナオというおばあちゃんの役ですが、年齢設定が80歳なんです。初演と再演で、大先輩の坂口理恵さんが演じていらっしゃるということで、最初に配役をいただいたときは、ものすごいプレッシャーでした(苦笑)。でも、こんなおばあちゃんの役をやることもなかなかないですし、沙羅ちゃんが演じる若い女の子、しかも身内ではない女性の相棒。そういう関係性も含めて楽しみな役どころだと思っています。

山本 相棒のしずえです(笑)。キャラメルボックスの作品でよく登場する、お客さまと同じ目線で物語を理解していく役どころ、そのポジションに初めて就かせていただくということで、観客としてキャラメルボックスを追いかけていたことのある自分としては、「わぁ! 嬉しいな!」という気持ちもありつつ、プレッシャーもありました。でも、相棒が貴子さん。とても心強いです。

――物語についてどのような魅力を感じられましたか?

鍛治本 最初に思ったのは「群像劇だな」ということでした。北条雷太たち3人の武士の境遇が、物語のエンジンにはなっていますけど、そこから、さまざまな登場人物たちの関係性の物語が巻き起こる。そういう意味では、すごくキャラメルボックスらしい作品だと思いましたし、40周年の最後を劇団員で盛り上げるにはふさわしい作品だと思います。

 私は個人的に“3人組”というのが大好物なんです(笑)。今作で言うと雷太を含む年齢190歳のとんでもない3人組が出てくる――その面白さがたまらなく好きです。3人が会話しているシーンが面白い! 思いながら再演の映像を見返していました。

鍛治本 (雷太の仲間である遠山陣八と大岡騎一郎の)ふたりもすごくかわいいよね?

 そうなんです! すごく魅力的で憎めないんです。

山本 主人公が不老不死で、ともすれば、つらい題材になりそうなところですけど、不老不死の男の話だけでなく、(村越)大地くんとお父さんの話という、もうひとつの軸があるんですよね。どちらもつらい面がありながら、心強い周囲の登場人物や、パワフルなところ、おちゃめでかわいらしいところもいっぱい出てくるので、物語がつらくなり過ぎず、いろんな思いをお客さまに受け取っていただける作品になるのではないかなと思っています。

――成井さんは「北条雷太が大好き」とおっしゃっていますが、ご自身が生み出した数々の登場人物の中で、なぜそこまで雷太に惚れこんでいるんでしょうか?

成井 初演の脚本を書いたのが大昔なのであんまり覚えてないんですけど、たぶん、発想の原点は高橋留美子さんの「人魚」シリーズだと思います。人魚の肉を食べてしまって不老不死になった男の話ですね。不老不死って面白いなと思って考え始めました。あともうひとつのきっかけが映画『フォレスト・ガンプ』。僕は、この映画が自分の中でベスト3に入るぐらい大好きで、その影響は大きくて、映画を見たおかげで「ひとりの人間の人生を描くって面白いな」と思うようになって、その第一作がこれだったんです。

なぜ雷太が好きかというと、大元にフォレスト・ガンプがいるからだと思うんですけど、ひたすら愚直なんです。良い言い方をすると「誠実」。この上なく誠実です。でも、いやらしい言い方をすると「バカ」「不器用」。でも彼は、そういうふうにしか生きられない。彼の倫理観からすると、どうしても曲げられないし、現実に妥協できない。自分自身、愚直さが好きなのに愚直になりきれないで、つい妥協してしまう。楽に生きちゃう人間だからこそ、ひたすら愚直な雷太に憧れるんだと思います。

――キャラメルボックスの40年を率いてこられた成井さん。あらためて、今後の展望、描かれている未来を教えてください。

成井 今年64歳になるので、もうそろそろゴールが見えてきていて、この『トルネイド』はまさにそうですが、再演をするたびにそれが最後の再演になると思うので1本、1本、大切にやっていきたいです。私は、これまでにオリジナル新作を69本書いているんです。原作ものと合わせると百十数本になりますが、これからもできるだけ新作を書きたいです。100本は無理なことはわかっていますけど、最低でも2年に1本はオリジナル新作を書いて、もっと上手くなりたいです!

取材・文・撮影/黒豆直樹

<公演情報>
演劇集団キャラメルボックス 劇団創⽴40周年記念公演②
『トルネイド 北条雷太の終わらない旅』

【大阪公演】
日程:2025年12月6日(土)・7日(日)
会場:サンケイホールブリーゼ

【新潟公演】
日程:2025年12月13日(土)
会場:りゅーとぴあ 新潟市民芸術文化会館・劇場

【東京公演】
日程:2025年12月19日(金)〜25日(木)
会場:サンシャイン劇場

[脚本・演出] 成井 豊
[出演(予定)]
鍛治本大樹 林 貴子 山本沙羅 三浦 剛 阿部丈二 岡田さつき 関根翔太 南澤さくら 辻合直澄 斎藤雄大
[ダブルキャスト (予定)]
<風>伊藤ひろみ 滝田愛香 田中のぶと
<波>石川寛美 早海亜衣理 安田一基
[日替わりゲスト(東京公演のみ)]
大内厚雄 石原善暢 左東広之 多田直人

【STORY】
山口県下関市。市役所に勤める酒井しずえは、クリスマスイブの昼過ぎ、一人暮らしの老人・朝倉ナオの家を訪ねる。しずえは高校時代の友人で、今は東京で高校教師をしている朝倉ヒカリから、祖母の世話を頼まれていた。「今夜はふたりでクリスマス・パーティをしよう!」。料理の支度をしながら、ヒカリからの手紙を読み始めるふたり。そこには、ヒカリの前に現れた怪しい男・北条雷太の話が書かれていた。その名前を聞いて、ナオは知っている人だと言う。「うちの近所に住んじょった。今から55年前……」。

チケット情報:
https://w.pia.jp/t/caramelbox40th-2/

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