千葉県立美術館初の写真展『オランダ×千葉 撮る、物語る』11月15日から開催
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ダヴィット・ファン・デル・レーウ&サラ・ファン・ライ《2羽の鳩、ニューヨーク》 2022年 © David van der Leeuw & Sarah van Rij
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すべて見るアムステルダムとパリを拠点に活動する写真家サラ・ファン・ライ&ダヴィット・ファン・デル・レーウを日本で初めて紹介すると同時に、千葉を拠点に活動する写真家・小説家の清水裕貴(しみず ゆき)のアプローチを通じて、千葉ゆかりの古写真やコレクション作品を展観する展覧会が、11月15日(土)から2026年1月18日(日)まで、千葉県立美術館で開催される。オランダと千葉の文化交流の一環として開かれる展覧会だ。
抽象的な構図、反射、影の使い方、独特のフレーミングなどを特徴とするストリートフォトが注目を集めているこのオランダ出身のふたりは、自身の姿や物体が映り込んだ反射面などにより、歪められ、輪郭が曖昧にされた夢幻的な風景を映し出す。このふたりが「絵を描くように」捉えたイメージのなかに見え隠れする日常的で映画的な断片は、どこかノスタルジックな物語の余韻をも呼び起こす。今回は、「Metropolitan Melancholia(メトロポリタン・メランコリア)」と「Still Life(静物)」の2シリーズを中心に、約80点の日本初公開作品が紹介される。

一方、清水裕貴は千葉県生まれ。2007年に武蔵野美術大学映像学科を卒業し、写真家として活動するとともに、2018年に新潮社R18文学賞大賞を受賞して以来、小説家としても活躍している。その独自の創作スタイルは、写真と小説のふたつの表現手段を行き来しながら、土地の歴史や伝承のリサーチをベースにし、写真と言葉を組み合わせて架空の物語世界を紡ぎ上げるというもの。今回は、晩年に千葉県・松戸の戸定邸(とじょうてい)に隠居した水戸藩第11代藩主・徳川昭武が残した多数の古写真や日誌などの記録に注目し、過去の記録の集積がどのように未来に継承されるのかという問いを投げかけていく。

会場では、千葉ゆかりの古写真と清水自身が千葉の風景をとらえた写真計約80点を中心に、同館の絵画作品や関連資料も展示される。写真と絵画、そして清水が紡ぐテキストが一体となった、時空を超えた壮大なインスタレーションが見どころのひとつだ。
2024年に開館50周年を祝った同館にとって、今回は初の写真展となる。オランダの写真家ふたりの紹介と、千葉にまつわる写真の歴史にも注目した清水の試みを通じ、盛りだくさんの内容の写真展を楽しみたい。
<開催情報>
『オランダ×千葉 撮る、物語るーサラ・ファン・ライ&ダヴィット・ファン・デル・レーウ×清水裕貴』
会期:2025年11月15日(土)~2026年1月18日(日)
会場:千葉県立美術館
時間:9:00~16:30(入館は16:00まで)
休館日:月曜(11月24日、1月12日は開館)、11月25日(火)、12月28日(日)~1月4日(日)、1月13日(火)
料金:一般1,000円、大高500円
公式サイト:
https://www.chiba-muse.or.jp/ART/exhibition/events/event-8482/
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