Download on the App Store ANDROID APP ON Google Play
Download on the App Store ANDROID APP ON Google Play
ぴあ 総合TOP > ぴあ映画 > 山田洋次&倍賞千恵子の熱いハグ、木村拓哉の運転も 『TOKYOタクシー』撮影現場レポート到着

山田洋次&倍賞千恵子の熱いハグ、木村拓哉の運転も 『TOKYOタクシー』撮影現場レポート到着

映画

ニュース

ぴあ

(C)2025映画「TOKYOタクシー」製作委員会

続きを読む

フォトギャラリー(7件)

すべて見る

山田洋次監督の91本目となる最新作『TOKYOタクシー』が、11月21日(金)より公開される。この度、キャスト陣の舞台裏を写したメイキング写真と、山田監督のこだわりが詰まった撮影現場のレポートが到着した。

ある日、タクシー運転手の宇佐美浩二(木村拓哉)は、85歳の高野すみれ(倍賞千恵子)を東京・柴又から神奈川の葉山にある高齢者施設まで送ることになった。人生の終盤を迎えたすみれは「東京の見納めに、いくつか寄ってみたいところがある」と浩二に頼み、人生のターニングポイントとなった思い出の場所を寄り道することに。タクシーで旅を共にするうち次第に心を許したすみれは、初対面の浩二に壮絶な人生を語り始め、たった1日の旅がふたりの心と人生を大きく動かしていく──。

2025年2月にクランクインを迎えた本作では、柴又や横浜でのロケ撮影に加え、走行中のタクシー車内シーンの撮影には山田組初となる「バーチャルプロダクション」技術が活用された。この技法は、セットの中に置かれたタクシーの周りをLEDパネルで取り囲み、車窓の風景を映し出しながら撮影するものだ。

倍賞の初日撮影となった2月5日は、すみれが高齢者施設に向かうために家を出てくるシーンから始まった。「どことなく謎めいたお金持ちのマダム」という、これまでの山田組作品とは異なる役柄に強いこだわりを見せた倍賞は、2度の衣装合わせの末に決まった鮮やかな紫色のコートとサングラスを身にまとい、司法書士役の笹野高史との軽快なやりとりを繰り広げた。

同日午後には木村も合流し、柴又帝釈天の山門前でのシーン撮影が行われた。クランクイン前に実際の個人タクシー運転手から指導を受けて練習していた木村は、「最初のテスト撮影から運転してみてもいい?」と提案。颯爽と車に乗り込み、トランシーバーでやりとりしながら実際のコースを走行し、本番撮影も見事一発OKを決めた。

2月17日からは約2週間かけてバーチャルプロダクションスタジオでの撮影が実施された。木村は、LEDウォールに流れる車窓の風景に合わせてウィンカー操作やハンドル操作など、細部まで気を配りながらタクシー運転手役を演じた。製作発表会見で「木村くんの素の魅力を盗み撮りたい」と語っていた山田監督は、台本の書き直しや何度もテイクを重ねるなど、タクシー車内での会話シーンに並々ならぬこだわりを見せた。

撮影の合間には、倍賞と山田監督が昔話に花を咲かせ、木村も加わって和やかな時間が流れたという。長時間の撮影にも関わらず、ふたりは疲れた様子を見せず、撮影が進むにつれて倍賞と木村の距離も縮まり、3月頃には美味しい店を教え合うなど、打ち解けた関係になっていった。

若き日のすみれを演じる蒼井優とキムを演じるイ・ジュニョンによる過去パートの撮影では、山田監督はすみれの夫・小川(迫田孝也)のキャラクター造形に注力。知人の精神科医に話を聞くなど徹底した準備を行い、現代パートとは画調も撮り方も変えて臨んだ。

クランクアップとなる最後の撮影は、若き日のすみれとキムがダンスホールで踊るシーン。横浜の古いダンスホールを借りて行われ、ダンス指導の先生との練習を本番前に1日だけ設けてから当日を迎えたという。山田監督が「優ちゃんとのキスシーンもあるんだよ」と冗談めかして言うとジュニョンは照れながらも、撮影では真剣に臨んだ。

無事にオールアップを迎えた現場にはサプライズで倍賞と迫田が姿を現し、倍賞から山田監督へクランクアップの花束が贈られた。50年以上の付き合いになる倍賞と熱いハグを交わした山田監督は「今までいろんな映画を撮ってきたけど、今回はひとしおだね。無事にこの日を迎えられるか、クランクインの時は心配だった。だけど、スタッフの力でここまでたどり着くことができました。どうもありがとう」と帽子を取って頭を下げた。

クランクアップした倍賞は「もう撮影に来なくていいのか」という気持ちと「終わってしまって寂しい」という複雑な気持ちを語り、「久しぶりの手応えを感じる山田さんの演出で、素敵な山登りができた」と充実感を示した。木村は「宇佐美浩二というキャラクターの部分の区間を走りきって、次の走者にたすきを繋いだという気分」とコメントし、「他の作品はクランクアップのときに“終わった”という作品との決別のような、作業の終了をいつも感じるのですが、今回に関しては、たすきをつなげてよかったなという気持ち」と心境を明かした。

■倍賞千恵子 コメント全文
「もう撮影に来なくていいのか」という気持ちと、「終わってしまって寂しい」という複雑な気持ちで、わーい!という気持ちになかなかなれないのはとても不思議です。私はいつも、映画は照明さんやカメラマンさんなど全員が同じスタートラインに立って、「よーいスタート!」でひとつの山を登っていくことだと思っています。久しぶりの手応えを感じる山田さんの演出で、素敵な山登りができたと思っています。こんな素敵なスタッフの皆さんに会えることはなかなか無いと思います。

■木村拓哉 コメント全文
今回の作品での撮影現場での自分の役割や責務はひとまず終わりました。『TOKYOタクシー』という駅伝のコースがあったとしたならば、宇佐美浩二というキャラクターの部分の区間を走りきって、次の走者にたすきをつないだという気分です。他の作品はクランクアップのときに“終わった”という作品との決別のような、作業の終了をいつも感じるのですが、今回に関しては、たすきをつなげてよかったなという気持ちです。

<作品情報>
『TOKYOタクシー』

11月21日(金)公開

公式サイト:
https://movies.shochiku.co.jp/tokyotaxi-movie/

(C)2025映画「TOKYOタクシー」製作委員会

フォトギャラリー(7件)

すべて見る