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長尾謙杜×山田杏奈×Saucy Dog 石原慎也と考える恋心「恋は人を動かす」

映画 音楽

インタビュー

ぴあ

(撮影/梁瀬玉実)

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切なすぎるラスト4分。彼女の本心が明かされる──。長尾謙杜×山田杏奈がW主演する映画「恋に至る病」のラストを彩る楽曲がSaucy Dogの「奇跡を待ってたって」だ。抑えきれない純粋な想いと恋の闇を描く今作の主題歌を担当したSaucy Dogの石原慎也と盲目な危うい恋を演じた長尾、山田の3人の鼎談が実現。主人公の恋心に繊細に寄り添った3人が語る主題歌と作品の魅力とは──?

恋というものがどれだけ人を動かす力になるかがわかる作品

――初恋の美しさと、同級生の連続不審死の疑念を描く「恋に至る病」は、この秋最もピュアで刺激的なラブストーリーです。完成作をご覧になって、どんなところが魅力の作品だと思いましたか。

山田杏奈(以下、山田) 一途な初恋の想いが描かれますが、一筋縄にはいかないラブストーリーで、今までにないような映画かなと思いました。宮嶺と景のふたりの恋は、ピュアでまっすぐな愛情ゆえに色々なことが巻き起こってくるんですが、同級生の不審死というミステリー要素が絡んでくるところが衝撃的なストーリーになっています。

長尾謙杜(以下、長尾) 今言っていただいた通り、ミステリー要素もあって普通のラブストーリーではなく、皆さんが観たことがない作品に仕上がっています。恋というものがどれだけ人を動かす力になるのか感じてもらえるんじゃないかなと。宮嶺と景の想いを繊細に描いている作品なので、ふたりの空気感を観てほしいです。

石原慎也(以下、石原) 映画を観て、まずお二人の演技が素晴らしいと思いました。宮嶺と景を見て、恋愛感情にはいろんな側面があるなと感じました。もしも大切な人を傷つけられたら、許せなくて当たり前のこと。その許せない気持ちをどう対処していくかということは人それぞれですが、ひょっとしたら自分もこうなってたかもしれないぞっていうメッセージ性を感じて、自分ならどうするのかなと、とても考えさせられる映画になっています。

――長尾さんは内気な男子高校生の宮嶺、山田さんはクラスの中心的存在の景を演じました。二人の不器用な恋を体現したお二人は役を演じるにあたってどんなことを大切にされましたか。

長尾 宮嶺と景の二人が主人公ではあるんですが、内気で人との距離を取りがちな宮嶺に関してはあまり目立たず、あまり色がついていないような雰囲気を大切にしました。一緒に過ごす時間が増えていく中で景への想いを募らせていきますが、台本もシーンを重ねるごとに気持ちが強くなっていくように描かれてるので、それに助けられながら気持ち乗せて撮影することができたと思います。

山田 景にはカリスマ性があって、周りの人たちも景の言うことを聞きたくなってしまうと台本にも書いてあって、それ前提で話が進んでいきます。どうしたらこの人についていきたいと思うようなカリスマ性を持つことができて、人のことを自在に操れるのか、気になりましたね。そういう人たちの共通点や、どういう話し方するのか、心理学的なことも調べて演じました。

長尾 そうなんだ。確かにカリスマ性って出そうと思って、出すのは難しそう。

山田 そうですね。喋り方は宮嶺といるときは等身大で、景の本心がちょっと見えるように心掛けて。クラスメイトたちといる時は、声の出し方も万人受けするものにしたいと意識していたんですよね。

長尾 そうだったんだ。ふたりのシーンは、家で台本を読んでいてイメージが湧かなくても、景を前にすると自然と演じられる場面も多くて、山田さんのお芝居に助けられました。

――石原さんはお二人のお芝居を見て、どんなことを感じましたか。

石原 記憶に残るシーンはたくさんありますが、初めて景が宮嶺の家に行った時、サナギが蝶になるシーンとか、水族館でのデートシーンが印象深いですね。普通の恋人のような部分と、その裏の部分っていうのが見え隠れしていたように思います。そのシリアスさを主題歌にも入れていて、明るい普通のカップルみたいなところをサビのイメージに入れています。お二人のお芝居からインスピレーションを得ることができました。

主題歌「奇跡を待ってたって」制作秘話

――改めて、Saucy Dogが書下ろした主題歌「奇跡を待ってたって」についてお伺いしたいです。宮嶺と景の想いを代弁し、鑑賞後の心に深く染み入るような楽曲になっていますよね。

石原 この映画ありきの曲にしたいなっていうのは、まず1個ありました。映画のエンディングは切なすぎるラスト4分が描かれるんですが、風景も変わるところがあるんですよ。一番盛り上がる部分に合わせて、秒単位で計算して作りました。最初はさみしい感じのギターのリフトにして宮嶺の気持ちを代弁するつもりで、主人公になった気持ちで書いたんです。

長尾 そうだったんですね。主題歌を初めて聴いた時、バンドサウンドの中で石原さんの温かい声とハイトーンボイスが立ち上がってきてすごい素敵だなと思いました。あとは歌詞を見ると、映画の描写がふわっと浮かぶ気がして。映画をより素敵なものにしてくださっていますし、僕たちの気持ちも表現してくださっていて、救われました。早くストリーミングで聴きたいですね。

山田 その気持ち、分かります! 以前よりSaucy Dogさんの楽曲は、表現するのが難しい気持ちだったり、気づいてなかった気持ちを繊細に表現して下さる印象があって。感情に訴えかけられるような曲がすごく素敵だなと思って聴いていました。この映画のために作ってくださった曲は、本当にこの作品そのものを体現しているなと思います。演じていた時よりも景と宮嶺をぐっと近い距離で感じられました。一言で言い表せない景ですが、景のお芝居はこれで良かったんだなと石原さんの歌声にどこか肯定してもらったような気がして、救われた気持ちになりましたね。

――長尾さんも山田さんも「奇跡を待ってたって」に救われた気持ちになったんですね。

長尾 僕らって映画の中では、セリフでしか喋れないじゃないですか。作品で伝えたいことや言いたいことを1曲の主題歌で届けてくださっているのがすごいなと。「まさにそれです!!」って自分の想いを代弁してくれる曲でしたからね。

山田 私は“優しい風に殴られたような”っていうフレーズがすごく素敵だと思いました。全体を通して、景と宮嶺の選択肢はあれしかなかったっていうところがあると思うんですよ。映画が終わった後、主題歌で“奇跡を待ってた”ってワードを聴くと、二人のどうしようもなさが、マルっと昇華された感じがして、すごく救われたなと思ったんです。

石原 そんな風に言っていただいて、本当に嬉しいです!

――ちなみにこの3人で顔を合わせての取材は、初めてだと伺っています。

長尾 そうですね。石原さんとは初対面です。歌番組とか、同じ現場には居合わせたことはあると思うんですけど、お話させていただくのは初めてですよね。

山田 長尾さんとは2度目の共演になりますけど。

長尾 僕は景が山田さんとお聞きして、すぐ役のイメージが湧いたというか。お芝居にまっすぐに向き合う姿勢は変わっていなかったですね。

山田 初めましてでない分、景と宮嶺の関係性をしっかり探り合いながら、リラックスして作っていけたような気がします。

石原 僕は長尾さんと山田さんとは初めましてです。お二人ともお話してみると、思ってた以上に明るい印象でした。僕は元々、陰キャだったので、お二人がお話してくれて嬉しかったです(笑)。お二人の作品は拝見していて、山田さんは「ゴールデンカムイ」の印象が強いですね。お芝居が素晴らしいお二人にリスペクトの気持ちが強いです。

長尾 いやいや、そんな。僕の石原さんの印象は、めっちゃ肌が綺麗でイケメンだなって思いましたよ(笑)。

石原 えー、イケメン? やめて下さい!

長尾 歌が上手いというだけでも魅力があると思うんですけど、さらにビジュアルも素敵で「イケメンだし、そりゃこの歌声を聴いたら好きになるよな」って思いましたもん(笑)。

石原 いやいや……。

長尾 僕がさっきの取材でいろいろ聞きたいことをお伺いすると、何でも全部返してくださって、嬉しかったです。歌番組でアーティストの方にお会いする機会はあるんですけど、こうやってお話することってなかなかないので、いい機会をいただけたなって。

山田 私も同じです。アーティストさんにお会いしてお話することってなかなかないので。石原さんはすごくクリエイティブな方という印象を受けました。さっきの取材で「主題歌はどうやって作ったんですか?」とか、気軽に質問してしまったのですが、「ここの歌詞が好きです」というお話も聞くことができて、とても嬉しかったです。

お互いに聞きたいことは?実体験を歌うこともある?

――なかなかお会いする機会がない3人が集結ということで、聞いてみたい素朴な疑問はありますか?

長尾 僕らなにわ男子は7人グループで活動をしているんですよ。Saucy Dogさんはメンバー3人で普通にご飯行ったりしますか?

石原 いや、女性っていうこともあるんだけど、ドラムの(せと ゆいか)とはあんまり行かないかな。彼女が麻雀にハマっているから、一緒に麻雀をやったり、その界隈の友達と一緒にご飯に行くことはありますけど。ベースの秋澤和貴とはよくご飯に行きますね。長尾くんは?

長尾 僕らは地方のツアーの時、ご飯に行ったりすることはあります!

石原 なるほど。

長尾 でも、仕事終わりに全員で集まってご飯を食べに行こうとか、あんまりないです。プライベートでオフがあっても、約束して集合することってないかもしれない。「メンバーとよくご飯に行きますか?」って聞かれることもあるんですけど、メンバーとはもうほぼ毎日みたいに会っている時期もあるんで、あまりなくて……。

山田 そうなんですね。

長尾 もちろん打ち上げとかはみんなで集まるんですけど。みんなバラバラで帰るっていう(笑)。

石原 打ち上げは僕らもそんな感じかもしれない。さすがにベースとも毎日ご飯に行くことはないですね。もうずっと顔合わせてるから(笑)。

長尾 どこも一緒なんですね!

山田 グループだとそんな感じなんですね。私は石原さんにお伺いしたいことがあります!こういう曲を作るお仕事って、自分自身の私生活のことだったり、誰かとの出会いだったり、別れだったり、実体験をリアルに歌っていることもありますか? そういう時ってどんな気持ちで歌っているんでしょうか?

石原 えー、そうですね。自分の場合、Saucy Dogになって最初の方に書いた曲は、ずっと実体験ばっかりだったんですよね。だから、実体験を書くっていうことに抵抗はないですけど、全部実体験を歌っているって思われるのは嫌だな、と(笑)。

長尾 確かに。作詞した曲すべてが実体験とは思われたくないですよね。

石原 「シンデレラボーイ」って曲を出した時は、僕が浮気をした曲みたいな捉えられ方をしたんですよ。女性目線で描いた曲で“あたし”って歌っているから、なおさらそう捉えられて。でもね、僕はリアルに今まで人生で3回ぐらい浮気されたことがあるんですよ(笑)。

長尾 えーっ、そんなことここで解禁していいんですか(笑)。

石原 全然、平気!! その時の嫌な記憶を思い起こして、こういう気持ちだったなって描いたのが「シンデレラボーイ」なんです。アニメやドラマが好きなので、浮気された女性のキャラクターなら、こういう風な言い回しをするだろうなってイメージが湧いたので、自分の言葉より女性目線で書いた方がいいなって思ったんですよね。

山田 なのに「あなたが悪いことしたんでしょ?」って言われる?(笑)。

石原 そう。美化して曲にするんじゃないよ、みたいな風に思われがちなんで、ちょっとね、実体験を入れるのは悩むところ。

長尾 なるほど。今回の「奇跡を待ってたって」については、皆さんに映画はもちろん主題歌も愛していただけたら嬉しいですね。

山田 映画を観終わって、この曲を聴きながらどんな気持ちになるんだろうと思うと、私はとても楽しみです。

石原 ぜひ、主題歌も込みで作品を楽しんで頂けたら嬉しいです!

撮影/梁瀬玉実、取材・文/福田恵子

<作品情報>
『恋に至る病』

10月24日(金) 全国公開中

出演:
長尾謙杜 山田杏奈 ※W主演
醍醐虎汰朗 中井友望 中川翼 上原あまね 小林桃子 井本彩花 真弓孟之(AmBitious)
/忍成修吾 河井青葉/前田敦子
監督:廣木隆一 脚本:加藤正人 加藤結子
原作:斜線堂有紀『恋に至る病』(メディアワークス文庫/KADOKAWA刊)
音楽:加藤久貴
制作プロダクション:アスミック・エース ダブ
配給:アスミック・エース
PG-12

【STORY】
長尾謙杜×山田杏奈 最旬俳優W主演!
TikTokで200万回再生の大反響を呼んだ衝撃の恋愛小説、実写映画化
この秋、最もピュアで刺激的なラブストーリー
内気な男子高校生・宮嶺と学校中の人気者・景。 不器用で一途な初恋、ふたりが交わした約束。
「どんな私でも守ってくれる?」
しかし、同級生の不審死が続発し、宮嶺は景に対して疑惑を抱く。
「もしかして君は、僕のために人を殺したの?」
殺人犯へと変わりゆく景。それでも、宮嶺の気持ちは変わらない。
やっぱり僕は君が好きだ──。
切なすぎるラスト4分。《彼女の本心》が明かされる。

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(C)2025『恋に至る病』製作委員会

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